薬屋のひとりごと・第24話・最終回
猫猫とのシャンチー勝負で強い酒のせいで負けた羅漢。ぶっ倒れた羅漢は緑青館に運ばれた。猫猫との約束では負けたら緑青館の妓女を一人身請けすると言うものだったから。それにしても目が覚めて猫猫からの薬を貰って頭が楽になって思い出してみればよく分からん男が猫猫の肩に何度も手を乗せたのは実にケシカラン。あいつは一体誰だ(分かってない)。
猫猫から贈られたのは薬だけではない。青い薔薇も一本。薔薇は枯れても美しい。
前回ひょっとしてそれで羅漢は自力で気がつくかと思ったが、やはり遣り手婆から「あの子は死んだ」と断定されてはそこ迄気が付かなかった。
猫猫からは遣り手婆に話が行っていた。羅漢が妓女を一人身請けすると。うちの子は安くないよ、一人好きな子を選びなと言われる。羅漢も流石に銀十万は無理だが銀の二万や三万は積むよと言って妓女選びへ。
でも全員白い碁石にしか見えない。困ったものだ。だったらこれまで良くしてくれた梅梅に報いるべきかと梅梅の方へ向かうが、梅梅は選ぶ時はちゃんと選んで欲しいと扉の方へ行き、戸を開けた。
梅梅、猫猫から言われずとも分かっていたのだろうか。そちらはあの鳳仙が居る部屋に向かう扉だ。遣り手婆は焦る。勝手に開けるんじゃない。しかしそちらから聞こえて来た歌声を聴いてやっと羅漢は気づく。枯れても美しい薔薇、それが何を意味しているのかを。
転げまろぶ様に羅漢はそちらへ走る。そこには碁石ではない、人の顔をした妓女が、美しい妓女が居る。いや、梅毒のせいで本当はもう鼻も損壊していたかもしれない妓女だが、羅漢の目にはあの時の美しい鳳仙の姿に見える。これはただ単に目が眩んだのではなく、人の顔を認識できない羅漢なればこそ本当にそう認識したのだろう。彼女になら十万だろうと二十万だろうと払う。
猫猫は壬氏の所へ戻る途中だった。しかし馬閃が急に呟いた「腹黒親娘め」何かと思ってそちらを見るとあの楼蘭妃と子昌だ。まあ何かあるのは分かるがむやみにこの辺で悪態をつかれても困る。巻き添えを食ったらどうするんだ。
壬氏の所へ戻った猫猫は心配してくれていた水蓮がこんなに痩せちゃってと食事を出して来て、それを食べながら壬氏に尋ねられる。羅漢を恨んでいないのか。そう、猫猫はどう思って今回の事をしたのだろう。
猫猫は嫌いではあったが憎んではいない。むしろ羅漢は鳳仙にはめられた方ではないか。子供を身籠ってもおろす方法はある。それをしなかったと言う事は受け入れたと言う事だ。何より月のものの周期は女の方が良く知っている。だからそれに合わせて手紙を書けば良い。
ただ羅漢が来られなかったのは誤算だったろう。だから指まで用意した。どちらかと言うと猫猫から見たら恨みがましいのは鳳仙ではなかろうか。
ここで猫猫は壬氏に明かす。羅漢が壬氏と話をしたのはいつも執務室にいた時だけだろうと。あれは図々しいと言うよりそこに行かないと壬氏が分からないのだ。人の顔の識別が出来ないのだから。
ともあれ、猫猫はどこまで知っていたのだろうと思っていたが、羅門から聞いたり、或いは遣り手婆がどんなに秘密にしようとしても漏れる話であらまし知ってたんだな。それで鳳仙の最期は羅漢に任せようとしたのか。もう長くないだろうから。
猫猫の所には梅梅から比礼(ひれ)が送られて来た。花街では妓女が身請けされる時に規模に応じて華やかに送り出す宴が行われるらしい。その舞をしてやれと言うものだ。猫猫がいるのはどこかと思ったら城壁の上だった。
こんな時代でも夜に明るいのかと思ったら、それは鳳仙身請けの宴の灯りらしい。羅漢、どうやって金を用意したか知らないが七日七晩もやるとの事。
猫猫の舞の所に壬氏がやって来た。驚いた猫猫が城壁から落ちそうになったのを壬氏が受け止める。ただ例の脚の傷がまた開いたので猫猫が自分で縫おうとするのでそれを止めて猫猫を抱きかかえて城壁から飛び降りる。どこにそんな力があるんだ。
そのまま猫猫を抱きかかえて帰る途中、猫猫からのお願いがある。いや絶対何か壬氏がコケる内容だと思ったが、ああ、大黄か。
玉葉妃の所に戻った猫猫に、また壬氏がやって来る。頼みたい事があるのだが。いいでしょう、今度は何ですか?
と言う事で来年のニ期を待て!
薬屋のひとりごと、謎解き物として楽しかった。
ニ期は愈々壬氏暗殺未遂事件に話が及ぶかな。