ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する・第6話
エルゼ、なんでや!と前回思ったけどリーシェがそこまでもう調べてあったのか。体調が悪かったのは確かだがそれも利用してテオドールの画策に乗った。
リーシェを攫って来たら兄アルノルトが来ると踏んでいたテオドールの思ったとおりにアルノルトがやって来る。さあこれで自分の勝ちだ、認めてくれ兄上と思っていたのに、アルノルトはピクリともしない。
お前は今リーシェを監禁したと言ったな。どう監禁したのか。そうアルノルトに問われて何の疑問も持たずにテオドールは普通の女性を厳重に監禁したつもりで牢獄同然の部屋に鍵をかけて外には見張りを何人も立てたと言う。ああ、鍵、鍵ですか。まず鍵はねえ駄目なんですよリーシェには。
当然リーシェは鍵を開けてしまい、驚いた見張りを次々と倒して行く。鍵は確かに以前のループでコツを掴んだろうけど戦いはどうなんだ。こちらも技量は頭の中に入っていても身体が言う事をきくのか。ともあれそうやって全員を倒して、ほらやって来た。
戦いながら来るから服を切り裂いて来たリーシェにアルノルトは自分の上着を着せてやる。でもそれをしたら首の傷がと言うリーシェにアルノルトは構わないと。これでテオドールは初めてアルノルトの首に酷い傷があるのを知った。
用が済んだらもういいなと言う姿勢のアルノルトにリーシェは弟とちゃんと話してあげて欲しいと言う。だがアルノルトはテオドールの事は心底どうでも良いと言うのだ。絶望感に囚われるテオドール。
このアルノルトの考えを理解出来ていないリーシェを見てアルノルトは初めて底知れぬヤツめと思ったところから、リーシェでも自分が分からない時があるのかとその時は少し安心したかもしれない。だが、リーシェがアルノルトは弟が可愛いのだと言う。テオドールが居なくなってしまった未来を考えて欲しいと言ってテオドールの後を追ったのはアルノルトには自分の考えを超えた行動だった。くそ。
テオドールの居る場所が最初から危ないなとは思っていた。あんな簡単に落ちそうな場所に一人で居るとか。
テオドール、実は歪んだ兄への思慕でこうなってしまっていた。きっかけは戦場での出来事だろうか。敵襲と呼ばれつつ盗賊みたいなのが傷病者のテントに何故か襲いかかって来て、でも戦闘力の無いテオドールはただ単に手を広げて立つだけ。そこにアルノルトが来て敵を一蹴したのだ。皇族として棒立ちで臣下の前に立つのはただ単に命を放り出す事ではあるが、一方で臣下を守ろうとしたのは評価しよう。
それ以来テオドールは優秀な兄を皇帝位に就ける事を考えていた。と言うのは何故かアルノルトは自らの悪評を流して世間から冷酷な人間の様に見せていたから。あれは何だろう、なにかをした後の事をテオドールに任せようとしたのだろうか。だからテオドールは困窮者の救済を自費で行って自分の行為を隠していた。リーシェに調べられていたけどね。
リーシェ、アルノルトの弟テオドールも必要だった。何しろ未だ分からないアルノルトのしようとしてる事を止めるのにはテオドールの力が必要だから。リーシェに必要だと言われたテオドールだが、あの場所は危ないなと思ったとおり身を投げようとした。リーシェが間に合わない、と言う事はアルノルトか。アルノルトがテオドールを助ける。何を考えているのだ。
歪んだ上の行き違いの兄弟だったけど、これでテオドールの思いが伝わったのか。
そこで寝込んだリーシェが起きると既にアルノルトが付き添って仕事をしていた。そしてテオドールから託された手紙をリーシェに渡す。テオドール、アルノルトを助ける為にリーシェと共同戦線をはろうと書いてくれていた。リーシェ、また一人協力者が出来たね。