ダンジョン飯・第8話
寄生虫の寄生虫にやられてしまったライオスだったが何とか七転八倒の状態からは抜け出したらしい。
それにしてもダンジョンの生態系はつくづくよく出来ていると思うマルシル。妙な干渉をしなければそれなりにバランスが取れて魔物が繁殖する。そして放置してしまうとそこから魔物が溢れて来て外の世界に害をなす。だからある程度冒険者達が中で魔物狩りをしなければならない。こうしてバランスが取れていた。
実はマルシルは迷宮作りを研究していた事があった。そこで思い出すのは魔術学校の頃。え?誰それ?そんな学校始まって以来の才女みたいな子だったの?それがどうして。
それはともかくこの日は精霊の繁殖実験の授業に参加していた。小型ビオトープ?各々が瓶の中に精霊を育てる環境を作って培養した。なるほど階層のあるダンジョンみたいな形だな。その時に「いつも汚れている落ちこぼれ」の子と出会ったが、なんとそれがファリンだった。
培養室に入れて一週間後、どれだけ精霊が繁殖したのか炎の大きさで測ったところファリンの培養瓶からは膨大な精霊反応。驚いたマルシルがファリンに聞いてみたらいつも精霊が居る場所を参考にしたと言うのだ。
ファリンが言うには本物のダンジョンを参考にしている。そしてファリンはマルシルをそこに連れて行ってくれた。抜け穴を通るからいつも汚れている?と言うか、抜け穴と言う事は本当は外に出てはいけないのか。
外に出たファリンは自由奔放でバッタを捕まえたり(食べた?)、木苺を食べたり。知らない物食べちゃダメと言うマルシルだが、マルシルは知らない物じゃないと言う。そうして本当にダンジョンへ。ダンジョンと言うかここにあるのは洞窟みたいなもの。でも乾いた地面を歩けば大丈夫と言う事はそうでない場所は危ないのか。
そして中に入ってみたら精霊に満ちていた。ここの土を使った。
水辺に寄ったマルシルの所にスライム出現。魔物など焼き払ってしまえと魔法を使おうとするマルシルをファリンが止める。スライムは光の射す場所には来ないから大丈夫。そしてスライムはコウモリの糞を分解して魔力にしてる。そうやって精霊が魔力を得ている。これがダンジョンの生態系。マルシルはファリンから実際のダンジョンの生態系を初めて知った。実際のフィールドを知らなかったのだと思うマルシル。うん、フィールド研究は大切だよね。
こうしてマルシルはダンジョン研究の為にフィールド=冒険者に出た。特にこのダンジョンは狂乱の魔術師が緻密に作った物に見える。マルシルのダンジョン研究の発端はあの学校での話だとダンジョンの有効利用の為で、今もそれを目指してるのかもしれない。
ライオス、気がついていた。そのマルシルの回想を聞いて魔術学校に入ったばかりの頃のファリンからの手紙は不安ばかりだったが、ある時に友達が出来てからはすっかり変わった。それがマルシルのおかげだったのか。
レッドドラゴンの居る場所に愈々近づいて来た。野営はあと二回。次の休憩迄遠いから用事は済ませておけとチルチャックが言うとマルシルは身体拭きたいと言う。その魔法、IHの魔法とか言うのか?
風呂に入れなくともお湯を含んだタオルで身体を拭えばまあ何とかなる。入院して風呂に入れない程の状態だと毎朝こうやって熱々のタオルで身体を拭く。
余ったお湯を水辺に捨てに行くマルシルだが、あれこれは水の中から何か出て来る悪い予感と思ったら出て来た。攻撃的なヤツ。ウンディーネらしい。これが凄い攻撃的。ウンディーネには火でしか対抗出来ないが、それはマルシルの魔法でしか対抗出来ない。
他の三人はもう水上歩行の魔法が切れている。そうこうするうちにマルシルは脚を撃ち抜かれた。そしてとうとう肩までも。魔力がもう続かない。魔法で水をはぜて自分を飛ばしてそれを何とかライオスが抱きとめてくれたので、あとは全力で逃げるばかり。
ウンディーネから逃げてライオスが簡単な治癒魔法で応急処置はしたが完治は出来ない。この先どうするか。魔力切れで負傷した魔法使いを引きずって先へは行けないし、そもそも水上歩行が出来ない。他の冒険者が通りがかるのを待つとして、対価が無い。前回のケルピーの肉程度しかない。
肉?レバーもある?ならばそれで焼肉だ。水棲馬の焼肉開始。
うーん、これでどれだけマルシルが回復出来るのだろうか。普通に焼肉に見えるけど。ともあれレバーを食べてマルシルもちょっとはマシになったみたいだが。
ただ、焼肉をやったら煙と匂いが上昇して魔物とかに嗅ぎつかれるのでは?と思ったら他の冒険者に嗅ぎつかれた。これで回復させて貰うのかな。