治癒魔法の間違った使い方・第1話
兎里健は学校でトップクラスの生徒会の二人と、本当にたまたま、傘を誰かに持って行かれたせいで一緒に帰る事になる。しかしその帰り道、犬上鈴音と龍泉一樹には鐘の鳴る音が聞こえ兎里には聞こえなかったのに、突如出現した魔法陣に巻き込まれる形で異世界に召喚されてしまった。
異世界のリングル王国のロイド王の話によると、魔族の王が出現してそれと戦う勇者を召喚したとの事だった。鐘の音が聞こえたのがその証拠。逆に聞こえなかった兎里は完全に巻き添え。この状態に一樹は怒り、そして鈴音は滅茶苦茶喜んでいた。鈴音は現世では将来に何も期待を持てないと言っていたから、この先が見えない異世界がとても嬉しいのだ。しかしギャップ大きすぎ。
取り敢えずどんな魔法属性があるのか測定しようと別室でウェルシーによって魔法属性判定が行われる。鈴音は雷属性、一樹は光属性で、いかにも魔王と戦うに相応しい。さて兎里の番。緑色に輝いたが、これを見たウェルシーが恐れおののく。
兎里を連れて王の御前へ。何事かと思った王に緑色になったと告げると、王も廷臣も口をあんぐり開けて兎里をどこかに避難させ様とした。だが時既に遅し。恐らく王もウェルシーも廷臣も恐れている人物が来てしまった。
勇者が召喚されたと聞いて、魔法属性はどうだったのかと聞かれた王は最初はすっとぼけていたけど、兎里がポロっと緑色だったと言うと、その場からふっ飛ばされたにもかかわらずそのやって来たローズは目の色を変えて兎里を追いかけ捕まえる。おまえはこれから救命団に入るのだと。
確かに救命団の団員は鬱陶しい連中ばかりだけど(と言いつつ彼らは治癒魔法使いではない)、王やウェルシーがそんなに恐れる集団なのだろうか。