ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する・第4話
このループでアルノルトに戦争を起こさせない為に味方を作っておかねばならない。その一人としてリーシェに商人のなんたるかを教えてくれたアリア商会のケインと会う。
開口一番でケインは結婚調度の調達にアリア商会を選んで頂いて光栄だと言うが、その次の言葉がリーシェには意外だった。当商会には皇太子妃にお売り出来る物は何一つありません。あなたが欲しい物には命がけの覚悟がある様だ。それに見合った物は提供出来ない。それでは失礼します。ただ去り際に数日は観光を楽しんで行きたいと言うのだ。これは待ってるぜと言う意味だろう。
そんな扱いを受けたリーシェ、何故かカタリナ様になってる。カタリナ農場ならぬリーシェ農場。流石に侍従武官が訝しがるが、アルノルトから自由に使って良い場所を貰って「薬草」を植える、それで薬を作ると言うのだ。うん、薬なら少しは理解出来よう。
畑仕事をしながらケインの数日滞在の意味に気がついて、その晩リーシェは行動に出た。ケインが仲間の待っている酒場に戻ったら仲間は全部酔い潰れてリーシェが「やあ!」と言う顔をしていた。これには流石にケインも驚く。何しろこのループでは皇太子妃として初めて会った訳で、その令嬢が来るだろうとは思っていたがその日の晩に手下を酔い潰して待ってるとは。
と言う事で二人さしで商談の開始。
「さあ、おまえさんの儲け話を一切合切話して貰おうか」
「言えません」
そりゃ言えない。アルノルト皇太子が戦争を引き起こすつもりだからそれを止める為に力を貸せ、などとは言えない。言えないがケインからしたら何も知らされずに商談に乗れる商人など居ない。結果と実績が必要だ、と言いかけたところでそれをリーシェに言われてしまった。
と言う事で、リーシェからこの都で利益を出せる商売の案を出すので、それが納得出来たら信じて欲しいと言われる。なるほどじゃあ一週間待とう。リーシェは去り際に酔い潰れたケインの部下達への薬を残して行く。もう薬の方にも手を出してるんだ。畑作ってるだけじゃなくて。
密談を済ませて離宮に戻ったらそこにはアルノルトが待っていた。アルノルトはアリア商会から断られたのは知っていた。奇妙な話だが、その為にリーシェがのこのこ出かけたのは放置出来ない。そこでアルノルトからの命令。自由に外に出るのは構わないが、今後城下に出る時は自分が付き合う。危険な真似は許さない。
アルノルトがアリア商会と何があるのだと聞くと、リーシェはそれを誤魔化してお腹が空いてないかと言ってスープを作り出した。作りながらなんだか味に納得出来ないので何故かなと思ったら、私は料理が下手ですとか言い出した。過去のループで料理の技術は身につかなかったのか。
しかしアルノルトが味見して、別に駄目ではない、腹が空いたから提供しろと言って、二人でスープをいただく。
「この人味音痴では?」
「何か失礼な事を考えたな」(早い)
リーシェはアリア商会を納得させるのにこの都での商売の案を考えている最中だとだけ話す。その中でリーシェは何か既に案があった訳ではない事を明かした。これから調べて作るんだな。
アルノルトが立ち去り際に弟にはもう会ったのかと聞く。弟の事は初耳だ。アルノルトは弟には関わるなと言う。あ、あの夜会の日に下でニヤリしてたのはそいつか。
一週間以内に商売の案を出すと言う約束の為に帝都の状況の調査をして寝不足のリーシェ。それでもリーシェ農場に来たがそこに誰かが倒れている。それを見た侍従武官が慌てる。侍従武官には話が行ってるんだな。おそらく弟王子と思われるので、リーシェを離そうとしたが、手遅れ。
ここは寝るのに気持ちが良かったとか抜け抜けと言った彼はアルノルトの弟で帝国第二皇子のテオドール・オーギュスト・ハイン。しかし自己紹介の時に「皇位継承権第二位」とか普通は言わないよね。
こうなってしまっては会話をしない訳にはいかない。オーギュストはこの畑に気になる事があると言ってリーシェを近くに呼び出す。そして近づいた所で君を助けたいと呟いた。やはり普通ではない。
リーシェもオーギュストの様子が妙なので二人の侍従武官に聞いてみたが何も話してくれなかった。それはつまりアルノルト皇太子とは仲の良い兄弟ではないと言う意味でもある。
しかしその後、階段でアルノルトと軍務伯(キャストから)が何か言い合ってる場面に遭遇する。軍務伯は何を要求したのだろう。アルノルトは軍は臣民(庶民と言う事になってるら)を守る為にあると言うのに対して軍務伯はそれでは諸侯が納得しないと言うのだ。何に動員したがってるのか。
これらを聞いていたリーシェが妙なサインを送る。手をぐっと握って頑張れみたいなポーズで、それを見たアルノルトが溜息をついて軍務伯を少しは納得させる言い方に変えた。兵力を民の治安維持に向ける、すると最終的に税収が増えて諸侯も潤う。
夜、リーシェが自室に戻ると手紙があった。秘密を打ち明ける、夜礼拝堂へ、アルノルト。アルノルトがこんな手紙を出す訳がない。だからリーシェには分かっていた。テオドールの呼び出しだと。