16bitセンセーション -ANOTHER LAYER-・第10話
そうはならんやろ。
コノハが「元の時間」に戻った筈だったのに、秋葉原がすっかり変わっていた。どうしてこうなった。
コノハが2023年を連呼しても守が「今は2023年じゃない」とは言わないので年代だけはあってるらしい。自動運転出来てるのに。そして日本伝統の美少女が消えてFATEがアメリカンになっていた。そうはならんやろ。
守のマンションらしき場所に連れて行かれてあの「ラストワルツ」以降の歴史を教えて貰った。あれはヒットした。いや、予想を遥かに超えてヒットした。世界的に。そのせいでアメリカの企業に目をつけられた。アルコールソフトはアメリカに連れて行かれた。そしてちゃんと資本投入されて大きくなった。これを受けて他のゲームハウス、エルフとかアクアプラスとかも全部アメリカに行ってしまった。日本に残ってるのはアリスソフトだけ。
そうしてアメリカンの乗っ取られた。
いくら金を投入してもあの絵柄では日本受けしないのでは?ここでは受け入れられた事になってるけど。
コノハはこんな世界線知らないと言うが、守は「世界線」に馴染みがない。つまりシュタインズゲートが無い世界線なのだ。そうやって見ると「ラストワルツ」でねじ曲がったらその後のまだまだ出るソフトがこの世界線には出てないと言う事になるのか。FATEは出てるけど。
あ、ウマ娘はどうですか?
コノハは元の世界に帰ると言うが、どうやって。去り際、コノハは守に今何やってるのか聞いてみた。守は日本に残ってコンテンツ管理だそうだ。それってつまりゲームは作ってないの?それって守がやりたいと言っていた事なの?
まあ還暦過ぎてもエンジニアを普通に出来る人はそんなにいませんからね。
帰るって言ったってどうにもならないコノハは自動運転タクシーを捕まえて抽象的な昔の秋葉原が残ってる所へと言っても受け付けられない。だから秋葉原を一周してくれと。一周してみたら六本木みたいになっていた。だからゲームを売ってる所を指定した。
コノハが居なくなって守は考えた。タイムリープした場合、戻ると場所も時間も元の所に戻っていた。でも今回コノハは時間は元のとおりかもしれないが、場所の様子は全く変わっていると言う。これは所謂コノハの言う世界線的に別の線上に戻った、それはひょっとしてコノハの居た世界線が消滅したと言う事だろうか。ならコノハが戻るにはその世界線が消滅しない様にする事ではないか。
ゲームを売ってる店に行ったら「ラストワルツ」が飾られている。それを説明してくれたのがあの頭アフロの店員。これが世界を変えたソフトなんだよと。そして今や世界はCUUの時代。cuteから変わった単語みたい。だからこの店もCUU STATIONなんだ。
街を歩いていたらニュースが流れる。シューティングスターズ社が経営統合すると言う内容で、社長はあの冬夜。結局冬夜ってチラチラ登場するけど、世界線への影響は無いのかな。
トボトボ歩いていたらアルコールソフトのビルは解体されようとしている。あのソフトのせいで何もかも変わってしまった。全部コノハのせいなんだ。
まあコノハだけの視点だと自分が期待した世界とは違ってしまっていて泣きたくなるのは分からないではない。でもこの世界はこの世界でうまく行ってる。それは守が見せたアメリカで活躍しているメイ子の様子でも言える。
そして守が連れて行った先の倉庫には大量の98が。あのあとどうやっても98の衰退は止められなかった。そりゃそうだよ、コノハの世界線でだって98は衰退したんだから。だからこれがコノハのせいだなんて言われてもコノハは困る。そしてそれと同じ事が今の世界線でも言える。こうなったのが全部コノハのせいではないだろう。だから必要以上に責任を感じる事はないのだと。
確かにそうだ。今この世界を選んで良かった人達も居る。だからあのアルコールソフトでのゲーム作りは否定出来ない。でもコノハの居た世界にも戻りたい。
そこで守の提案の本題。未だあのこみパを持ってるだろ。これからもう一度ゲームを作る。そのゲームを引っ提げて1999年に戻る。そのゲームを「ラストワルツ」にぶつける事でこの世界線ではなく、コノハが元いた世界線を取り戻す。
「ラストワルツ」にぶつけられるゲームなんてコノハ一人で作れないと言うが、それは守が手伝う。何しろここにはこれだけ大量の98があるのだ。あの時代向けのゲームなら作れる。でも一人のグラフィッカーとプログラマーだけでゲームが作れるものではないのでは。
あ、ぶつける会社って冬夜が作ると言っていた会社かな。