薬屋のひとりごと・第5話
前回の最後、男が手を赤くして呪いだとか言っていた。
場面変わって猫猫が薬草採取をしてる、みたいな様子でついでか本命かキノコを採っていた。素人がキノコを採るとロクな事は無いが、猫猫ならプロなので大丈夫なのだろう。どうやらあれは松茸だったらしい。
でもあれを厨房で料理したら色々まずい。と言う事ですっかり仲良くなったやぶ医者の所へ行って料理する事にする。これなら山分けは一人で済むし。
そのやぶ医者の所にあの手を腫らせた男が駆け込んで来る。薬がほしいと。手の様子を見て取り敢えずは腫れを治す軟膏を作ってとやぶ医者は猫猫に頼んだ。猫猫が作った方が確かだ。
どうしてこうなったのかを聞いたら、後宮で出たゴミは焼却しているがその仕事をしている時に女官の袋が運んで来た車から落ちたので拾って中を見たら木札が出て来る。よく分からないままそれを火の中に投じたら激しい炎と普通とは違う色で燃え上がり、あれはきっと呪いに違いない。そして手がこの様になってしまった。
それを聞いた猫猫は恐らく炎色反応だろうと判断。手近の木片の上にいくつかの薬品を載せて燃やしてみせると色々な色で燃え上がる。きっとこれだろうと男を安心させた。
そこに壬氏がやって来た。面白そうな事をしているではないかと。と言う事で猫猫を連れ出して自分の所で薬品と炎の反応で発生する色を実際にやらせてみる。ただ、ここは薬師の専門ではないので分かっている範囲での披露。なるほどと頷いた壬氏、去り際の猫猫に私は土瓶蒸しが好きだと呟く。バレテーラ。
壬氏は高順に最近腕に火傷を負った者を探し出せと命令。ぬかりない。猫猫の方も壬氏が妙に興味を持ったせいで何か後宮で良からぬ事を企むやつがいるのかと思ったが、それ以上は追及しなかった。
翡翠宮に戻った猫猫に侍女達が待ってましたとばかりに服を着せた。何故こんなに自分がちゃんとした服を着なければならないのか、その疑問にみんなが答えてくれる。近いうちに園遊会が行われる。皇帝陛下ご臨席のもと、四妃が招かれての宴会が行われるのだ。当然玉葉妃も招かれている訳で、玉葉妃の所は侍女が少ないから自分がお断りしては従える者が少なくて玉葉妃に迷惑がかかる。やむなく猫猫は従う事にした。
ただ、この季節に外で延々と宴会をすると身体が冷えてしまい、トイレにも行きなくなってしまう。これは対策をせねばと猫猫はまずはみかんと の飴を作る事にした。そしてさらには服の下にカイロを入れておけるポケット付きの物も繕う。
これは良いとばかりに翡翠宮のみんなから自分たちのもお願いと頼まれて猫猫は繕う。早耳の壬氏も自分のを作ってくれと頼んで来る。果ては皇帝づきの針子までもが頼んで来た。まあ針子さんならやり方を教えたら自分で出来るのでは。
そして当日、園遊会の為の服はもとより、本番とあって猫猫も化粧をさせられた。まずはお顔を拭きましょうねと顔を拭われたが、ここから猫猫の顔を見せない演出になる。そしてみなが驚くのだ。化粧が終わっても猫猫の顔は見せない。
壬氏がやって来て、我が薬師はどうだと冷やかしの様に来たのだが、最初はやはり猫猫の顔を見せない。そしてやっと顔が描かれる。
思わず言葉を失う壬氏。あ、君が猫猫なのか?なるほど化粧をしてそばかすも消えたかと言うと、猫猫は化粧を落としたからだと言う。最初は話が噛み合わなかったが、普段はそばかすをわざと描いているとやっと壬氏は理解した。この秘密、もっと先延ばしにするのかと思ったら喋っちゃうんだね。
なぜそんな事をと思う壬氏は庶民の世界が分からない。猫猫は花街で襲われない為に自分を醜女にしていたのだと言う。これでやっと壬氏はハッと気がついた。そしてすまなかったと謝る。それは二重の意味があったのだろう。無神経にも聞いてしまった事、そして庶民の世界がそんなありさまになっている事。
ただ猫猫からしたら宦官は政治家ではないので壬氏が謝る事ではないと言う。うん、でも時代によっては宦官が政治に口出しして専権を振るった時もあるからね。後漢末の十常侍とか明代の魏忠賢とか。それはともかく、すまなかったと言う壬氏は猫猫の頭を撫でる様にするが、痛いと言うのは何かと思ったら壬氏の簪を猫猫に与えたのか。
壬氏はそれで去るが、玉葉妃はさっき猫猫は自分の侍女だと首飾りを与えたばかりなのにと怒る。これって多分、この侍女はこう言う実力者の庇護の下にあるのだと言う印になるのだろう。
腕に火傷を負った者が見つからないまま園遊会は始まる。四妃は皇帝の前で宴を楽しむ。この場面でも毒見はするのだろう。そうなるとやはり当然猫猫は玉葉妃に付き添わねば。