柚木さんちの四兄弟。・第5話
はて、今回は宇多の恋だと?一体どんな内容に?
その日、湊と宇多は秘密基地を作りに行こうとしていた。二階堂も誘ったがガキだなと笑われる。しかし昇降口に行ったところで事件は起きた。他のクラスの男子森田が宇多に用があるからちょっと来てと言う。当然湊には何の事か分からない。尊にも分からなかった。しっかり者でもそっちの方面は疎かったんだな。だが二階堂は即座に分かった。ありゃ告白だ。案の定、走って戻って来た宇多は告白されちゃたとテンションが高い。こう言う展開で来たか。
じゃあ湊はどんな反応するんだと見てると、湊も凄い喜ぶ。おまえすげーな、告白されたのかよ!あ、こっちの流れに来たか。うん、ガキっぽい湊としてはお似合いの反応だ。そして肝心の返事はどうしたのか。宇多はOKしたそうだ。森田だか田森だか名前忘れたけど、別に断る理由は無かったし、告白されて嬉しかったし。そして今度の日曜日に一緒に出かける事になったと言う。
それってデートだ。この日は秘密基地どころではなくなる。デートに着て行く服をどうするかの作戦会議となった。
デートと言ったらやはりスカートじゃないか?いや、宇多はスカートは制服しか持ってない。ざっと持ってる服を見たけどどうもピンと来ない。そこでその場に居る岳からの提案です。隼は以前お付き合いしてたから何か有益な情報が貰えるかも。そこで早速家に電話。彼女にはどんな服を着て欲しいか。隼、トラウマをえぐるなと言う。あれ?トラウマなの?前回同窓会で女子達が「なんで別れちゃったんだろうね」と言ってたけど。でもトラウマだと言う割にはペラペラと喋りだし、湊からキモいと言われてしまう。
ともあれワンピースとか言われたものの、そんなものは無い。だったら母咲に買って貰えと言うが、今月はもう柔道着をねだったからダメだと宇多は言う。おねだりは月一回。咲はその辺は厳格だと言う。うん、あの咲ならそうだと思うが、一方で娘に彼氏が出来て人生初デートともなると特例になりそうな気もする。それはさておき、ありあわせから湊が選んでやる。
湊は家に帰って夕食の支度をしてる時に隼にこの事を話すと、成程と言う隼。しかしここで湊が想像もしていなかった事を言われる。宇多に彼氏が出来たら湊はもう宇多とはそんなに遊べないな。「え?!」と驚く湊。だってそうだろと言われて呆然として食欲も失い、夕食も食べずに部屋に籠もってしまった。尊があとから様子を見に行くと、湊は熱を出していた。最近は発熱する事はなかったのにと言う言葉から、どうも湊は情緒不安定になると熱を出す子だったみたいだ。あ、あと幼児の頃弱かったとか言ってたっけ。
デート当日、湊の熱も下がっていた。そして元気になったせいで湊はこのデートの妨害工作に出る。尊を巻き込むのはまだしも、二階堂までも呼び出して。
森田は先に来ている。そして宇多もやって来た。あらかわいい。
湊、良い見立てしたな。到着早々宇多は今月はお小遣い無いからあまりお金のかからない所に行こうと言うが、森田は今日は自分が奢るよと言ってくれる。ここで宇多が純粋に喜ぶ。彼氏すげー。宇多もガキなんだよ。
ファミレスで少し離れた所に座った。そこで二階堂がデートをぶっ壊すって何をやるんだと聞くと、湊はノーアイデア。考えあぐねて尊に森田のズボンとパンツを引きずり下ろして来いと言う。尊は自分が社会的に終わるからそれは嫌だと言うが、そおそもそんな事ではぶっ壊れないよ。
二階堂は湊に問う。そもそも森田との間を壊しても次が現れたらどうするんだ。その度に壊すのか。そして逆に湊に彼女が出来たらどうするんだ。女は男以上に相手が異性と一緒なのを嫌がる。と言って二階堂の酷い経験を教えてくれた。と言うか二階堂、おまえはもう中一じゃないよ、高一以上だよ、その考え方。
二階堂に言われて湊は頭の中がグルグルになる。悲しい時も寂しい時もずっと一緒だった宇多と離れるなんて。
二階堂がそんな湊に解決方法を授ける。おまえと宇多が付き合えばいいんだよ。
続く!