柚木さんちの四兄弟。・第7話
今回は前回の最後で二階堂が、湊と宇多って昔からああなのかと疑問に思ったのを尊が回想で答えるお話。
柚木家の両親が亡くなって暫く経って夏休みに向かいの霧島家に親子が引っ越して来る事になった。子供は奇しくも三人と同年齢。と言う訳で手土産を持って柚木家の全員でご挨拶に行く事にする。でもこの時点では湊は友達なんて欲しくないとか言うのだ。
霧島家にご挨拶に行ってみたら、先ずは咲が出て来た。咲はお父さん若いですねえと隼に言うが、まあこれは無理はない。そして順次子供たちと言う事で和歌がその場にいてすぐに岳と仲良くなる。
問題は宇多。のそっと立っていて友達なんていらねと言って立ち去った。でもこれが湊の琴線に触れた。てっきり親の居ない者同士の気持ちのひねくれ方に同士を感じたのかと思ったら、尊が理由を教えてくれる。湊の好きな漫画のキャラみたいで憧れが含まれているのだ。だからすっかり気に入って、それ以降しつこく宇多を昆虫採集に誘う。全部、虫だな。宇多も無視してるけど。
尊があんな怖い子に構わなくとも自分が居るじゃないかと言っても、そっぽ向いて出て行く。この時から尊は湊のお釈迦様か。
しつこく湊が誘っても宇多はこの町には長く居るつもりはないし、友達にもならないと言うのだが、そのクールさが好きなのだ。
ある日の霧島家の夕食。和歌が「お父さんはいつ(この家に)来るの?」と聞くと咲は返答に詰まった。亡くなっちゃったのを隠してるのかなと思ったらどうもそうではない。宇多が突き放す様に言う。
「父さんには二度と会えない。母さんのせいで父さんとはもう会えない」
この言い方には咲も声が大きくなった。家庭内の諍いには小さい子は敏感だ。泣いて虎次郎に抱きつく。
隼が植木の伐採をして、咲が掃除に出て来た時、咲が宇多の事で悩んでいそうだったので隼は家に招いて自分の作ったクッキーをちょっと試食して欲しいと、さりげなくねぎらう感じを見せる。それにしても、植栽の手入れにクッキーとか、隼が万能すぎる。
気持ちがほぐれて咲が離婚の原因を話す。そうか、離婚か。離婚した理由は父親=夫の浮気癖。咲が婦警で夫が浮気男とか、これって合わなかったんだなあ。そして子供には父親がそんなだらしない男とは言えなかった。まあ気持ちは分からないでもないが、子供に本当の別居の理由を言わないままにすると後年碌な事が無いよ。
そんな時、湊がクッキーの匂いに釣られて階下に下りて来た。そして咲の言葉と様子を見てしまう。これを見た湊が衝撃を受けた。
湊は最後に母と居た時に母に怒ったままだったんだっけ?(記憶曖昧)。だから母を泣かす事には敏感。
宇多を探して公園へ。おばちゃんを泣かすな。おまえの母ちゃんだろ!
宇多も痛いところを突かれてここから二人の喧嘩。
宇多は理由が分かっていない。突然父と離れ離れになってここに連れて来られた。でもそれに対して湊はちゃんと話せ、自分と違って話す相手が居るじゃない。これを聞いて宇多は湊の身の上に驚く。やっと二人で話せる。自分が辛いのにどうしてそんな顔していられたんだ。だって悲しんだら岳とかも悲しいだろと。それを聞いた宇多、自分の事しか考えてなかった事に気がついた。和歌を悲しませていた。
ボロボロになって帰った二人。宇多は改めて母に別れた理由を聞いた。咲は父さんに他の女が居たと言うのをここでやっと話すが、いや、ここでの宇多の反応が凄い。と言うか、やはり宇多はこうでなくちゃ。
宇多は父が女と会ってる時に奢って貰っていたのだ。内緒だよと言われてそのままだった。咲が裏切り者って言うけど、これは宇多は仕方ない。ともかく気持ちのぶつけ合いで親子の蟠りは解消。そして宇多は湊を親友と認めた。明日から学校よろしくな!
明日から学校?夏休み最後の日でした。湊、宿題やってねー。
翌朝一緒に登校しようと言う事で玄関先で宇多と会うが、ああここで認識するのか、宇多が女の子だと。制服だからね。でも制服の小学校ってどこかの附属小学校とかだよね。
女の子とか、どっちでも良いよなと、それ以来のお付き合い。