薬屋のひとりごと・第6話
園遊会が始まりました。と言っても侍女達とかその他は宴席の外でブラブラしてるだけなのか。あ、後で場面があるけど猫猫だけは別。毒見役だから。
ところで冒頭で侍女達が誰かを非難してる場面があった。「xx(聞き取れない)と言うものがまるでないわ」「好き嫌いばかりで」偏食を非難するなよ。偏食大王の私が怒るぞ。まあ偏食の理由が私と違って真っ当だったんだけど。
猫猫のカイロのおかげで翡翠宮の侍女は普段よりはマシだった。幕の間から中を覗いて見ると四婦人の敵愾心を煽っている並びだなと猫猫は思う。うーん、席順は位で決まるからな。
左から
梨花妃、阿多妃、空席(皇帝の弟)、皇帝、皇太后(後で分かった)、玉葉妃、里樹妃
この中華帝国はどう言う設定かは分からないが、日本の場合は左大臣が右大臣より上と言う事で左の方が上席になる。皇帝の左が皇太后で皇帝に次いで二番目、右が皇帝の弟で三番目、次が玉葉妃と言う順番になる。あれ?梨花妃って四妃の中で一番下だったの?
皇太后が若くて、猫猫が青くなる程の年齢で皇帝を産んだらしい。一桁の頃?そもそも皇帝の年齢が分からないけど。
幕の裏側でまたぞろ水晶宮の侍女と翡翠宮の侍女で言い争いになっていた。水晶宮の侍女があんな醜女を侍女にしてると猫猫の事を謗っていたが、猫猫からしたら仲良くしてやったのにと思っている。いや、仲良くないだろそれ。そんな訳で後ろの方からそばかすが消えた付近を隠してニヤリとしたら(妓女流の冗談だそうだ)その侍女は気がついて恐れおののいて逃げてしまった。
里樹妃と阿多妃の侍女同士も仲が悪かった。元は嫁と姑の関係だったのが今では両方ともに妃なので。先帝の妃だったのが先帝亡き後に今上帝の妃となったと言う。里樹妃(小さい方)が。
これを聞いて猫猫が驚くが、いやこの様な時代は婚姻は完全に「道具」だから何歳とか全然関係ないので、驚く事じゃないんだけど。支配階級の事情を知らないから驚いたと言う事にしようか。
宦官(?)が侍女に簪を渡していた。優秀そうな侍女を見繕っているとか、それ以外の意味もあるとか。それ以外の意味とか言うと、宦官じゃないのかな。武官も混ざってるらしいから。そして猫猫には異性の良さそうな者(李白)(武官)が簪をくれる。猫猫は貰えない侍女の為に簪を配ってるのだなと思って受け取った。そしてその直後に梨花妃までもが簪をくれる。これじゃ玉葉妃が怒るぞ。
さて、毒見です。最初の飲み物は大丈夫。猫猫が右を見たらやはり毒見役が怖がりながら飲んでいた。右って事は皇太后の毒見役か。次はナマス。ここで猫猫はちょっと違和感。いつも皇帝が来る時にナマスが出ていたがその時は青魚だったのに今回はクラゲ。配膳を間違えたのか?と。
そして左を見る。里樹妃が凄く嫌そうにしていた。そちらのナマスは魚が入っている。皇帝の前だから残せなくて無理矢理食べている。その後ろで里樹妃の毒見役がニヤリとしている。嫌な物を見た。ここで猫猫は気づいたんだろう。配膳間違えではなくて故意である事を。
武官達の席では猫猫が美味しそうに毒見をしているのが話題になっていた。さっきの李白もせっつかれて猫猫の方を見る。猫猫がスープを飲むと悦楽の顔をして李白がびっくり。どれだけうまいんだ。だが猫猫が言う。これ、毒です。たちまち騒動となる。毒などと本当なのかと、迂闊な大臣が試しに飲んでしまう。
この時にやっと壬氏がやって来て、猫猫が走り去るのを見る。それを追いかけたら猫猫が機嫌良さそうに挨拶してくれる。普段なら嫌そうな顔するのに。しかしこれで壬氏がこの毒事件を知る事になる。妃の食事に毒が入っていたとなれば只事ではなく、ましてやあの炎色反応事件もあってこの園遊会を注意していたから壬氏は猫猫の話を聞いた。
そんな訳で里樹妃とその毒見役の侍女が呼ばれた。猫猫は里樹妃の腕を見て発疹があるのを確認する。実は猫猫もアレルギーがあるのだ。蕎麦アレルギーが。アレルギーはごく少量でも劇症となるので猫猫は毒の様に慣れようとしたがそれは出来ない。まあアレルギーだから慣れないだろう。毒と違うから。ともかくアレルギーの生体反応を知らずとも猫猫には何が起きるかは分かっていた。場合によっては生死に関わるのだ。そして里樹妃は鯖アレルギーだった。ああ、だから好き嫌いがどうのと言われていたんだ。
そして猫猫はナマスが入れ替わっていた事に気づいていた。玉葉妃の食事と里樹妃の食事が入れ替わっていた。本当ならクラゲのナマスは里樹妃の方に行く筈だった。それを「誰か」が嫌がらせで入れ替えたのだ。ただ、その誰かはまさかアレルギーだとは知らずただの嫌がらせのつもりだったのだろう。まさかそれで死ぬかもしれないとは思っていなかった。その誰かに猫猫はアレルギー食品への注意を書いた木簡を渡す。今後きっと気をつける様に。侍女は恐れおののいてそれを受け取った。
里樹妃とその侍女はそこまでで戻ったが、壬氏にとってはそれで済まない。偶々「嫌がらせ」で食事が玉葉妃と里樹妃で入れ替わったが、入れ替わってなければあれは里樹妃の方へ行った。そしてあの毒見役が先ずそれを食べた。即効性でなければその後里樹妃も食べただろう。狙われたのは里樹妃だ。
壬氏は考える。誰が里樹妃に毒を。