柚木さんちの四兄弟。・第8話
夕食の時間。私の食べられない物ばかり並んでいるけど、このサバみりんが岳のリクエストだったらしい。なのに岳がぼーっとしている。宿題を弁解にしていたが、違うんじゃないかな。この会話の流れで湊が黙っていたのも気になった。
岳には隠し通さねばならない秘密がある。何だろ。
何かと思ったら授業参観だった。ああ、湊が忙しいのに授業参観なんて言えないって訳か。それは虎次郎との将棋の場面でも出てしまう。だから虎次郎はおかしいなとは思ったが、シルバー町内会に呼ばれてしまって聞きそびれる。
和歌と岳で留守番となったが、でもここでも岳がぼーっとしてるから和歌がプラレール面白くない?と聞いて来る。何か悩みでもあるのかと和歌が聞いても岳が何でもないと言うと、和歌が泣き出してしまった。自分が祖父虎次郎みたいには役に立たないと。
和歌を泣かしてしまっては岳も黙っていられない。だから岳は白状する。やはり授業参観の件で、隼には見せないつもりだと言う。その頃に虎次郎が早々と帰って来た。岳の主張は隼が授業参観の為に学校を休ん来てしまうからと言うもの。でも和歌は他のお母さんとかもお休みして来るよと言うが、隼の場合は少し違う。自分一人の為に他の生徒が迷惑を被り、さらには休んだ影響でただでさえ忙しい隼がもっと忙しくなってしまう。だから隼には隠す。
これを聞いた和歌だが、でも自分が授業参観のプリントを母に見せたら隼に伝わってしまうのではないか。それではと和歌も母に授業参観の話は黙っていると言うのだ。
それを聞いた虎次郎、二人の覚悟はそれで良いのかと聞いて、それが確認出来たらならば私が授業参観に行こう。和歌の保護者として、岳の友人として。最初虎次郎が聞いてしまったと言った時、岳は虎次郎は大人側だから言ってしまうのではないかと疑った。それが恥ずかしいと今度は岳が泣いた。
授業参観の日はまさに咲の出勤日。だから出勤したあとでこっそりでかけても気づかれまい。ここで和歌が三人共犯で秘密を隠し通すぞー!と誓った。
で、これを湊と宇多が聞いてしまったのだ。だから湊も悩んでいた。岳の秘密を黙っていて良いのか。宇多ははっきりしていて、三人の思いを守らねばならないと。
でも湊には過去の経験があるのだ。それは自分が小学校で初めての授業参観の時、母が来てくれるかドキドキだったが、母はちゃんと来てくれて無性に嬉しかった。でも途中で母は出てしまう。それは当然尊も同じ日が授業参観なのだから尊の方にも行かねばならない。それは分かっているけど、今度はそれが無性に悲しかった。
ちょっと来てくれて途中で居なくなるだけでもあんなに悲しかったのに、岳の初めての授業参観に隼が行かなくて良いのか。
悩んだ湊、岳が風呂に入る時はいつも一緒だったのにこの日は避けて、そして岳が風呂に入っている間に岳の部屋に行く。そして授業参観のプリントを見つける。
さて、湊はどうするのだろう。
そしてこの話の落とし所はどこになるんだろう。