16bitセンセーション -ANOTHER LAYER-・第8話
守はタイムリープの誘惑に負けてしまったのか、古い美少女ゲームのパッケージを開いてしまった。予想通りに守はタイムリープする。昭和60年(1985年)に。
ただ、そこに居たエコーと名乗る二人は普通ではなかった。守の名前を知っていて何の抵抗もなくゲームを作るのを手伝ってくれないかと言う。エコー2はいつもコスプレと言うか色々な衣装を着ては守に採点して貰っている。
守はエコー1の手伝いをした。エコー1はひたすらゲームを作った。既に何本もゲームは作っていて、そのカセットテープは大量にストックされている。あの当時のゲームってああやって作るんだな。色は16bitどころか8bitしか使えない。ラップに線画を描いてそれをモニターに貼ってドットを打って行く。アルコールソフトでメイ子が使っていたスキャナなんて無いし。でも守るが過去に行ってもあまり無双は出来ない。せいぜいがタイル表示を教える程度。そして出来たソフトは謎のゲームソフトの熱量を計るタンクに入れても全然反応しない。
エコー1に言わせると想像力と言う物が分からないから。想像力とは何か。いくつかある物から帰納法的に推論するのとは違うと言う。
守は過去にタイムリープしたからと言って色々買い漁っていたけど、あれは結局持って帰れなかったね。
そんなある日、エコー2が一週間帰って来なくなった。エコー1は心配って何です?と言う顔をしている。大丈夫ちゃんと戻って来ますよ。でも守は我慢出来なくてエコー2を探しに出た。
すると昌平橋の付近でエコー2を発見。おまえ、まさか科学博にずっと行っていたのか?コスモ星丸の帽子に富士通未来館の立体視メガネをしてるじゃないか。私も富士通未来館で立体映像見たよ。あの当時はすげーと思った。
こうしてエコー2が戻って来たが、エコー2の衣装の採点の時に守が0点を出した時に何かが変わる。エコー1の所へ行くとソフトが初めて測定器で光った。エコー1とエコー2に何かが起きて想像力と言うものが何なのか分かったのだろうか。
屋上に呼び出された守の眼の前に居たのは宇宙服みたいなのを着たエコー。想像力を理解したエコーは秋葉原の未来を人類の未来を予言した。こいつら何だったんだろうね。宇宙人にしては自分達の文化を持っていないし。そもそもコノハを最初にタイムリープさせてそして守をタイムリープさせてゲームを作らせて、それで何が分かったのか、何がしたかったのか。よく分からん。
ともあれ、これまでは何だかしらないけどコノハはタイムリープした、と言うのを分からないままながら理由を付けた感じだろうか。
こうして守は元の時間に戻った。心配された守がタイムリープしたせいでアルコールソフトの起死回生のソフトの制作が止まると言う事は無かったみたいだ。