ラグナクリムゾン・第1話
主人公と思しきラグナは、でも弱かった。竜退治は相棒のレオニカが全て行う。レオは12歳にして狩竜人としてはロナベーラで最強を誇っていた。自分には狩竜人の才能が無いとは思いつつ剣の練習をしていた時に謎の人間が出現した。そして夢を見せられる。レオが殺される夢を。その日以来何度も見る様になってしまった。
あ、これってレオを失ってそれ以来ラグナが必死で強くなる話か?それよりあの男は髪の毛がラグナと同じだから未来のラグナか?
ある日、ロナベーラ周辺で竜の目撃情報が皆無になった。情報では竜が東に向かったと言う。東にはドナピエルーがある。そこはここ十年竜による被害が無い都市。たかだか十年被害が無かったからと言って竜がもう行かないと考えるのは早計だ。ともあれその話を聞いたレオはそこって「銀のひよこ」と言う美味しいケーキ屋があるんだよね、狩りのついでに食べに行こうかと言うのだ。まさかこれが話の重要要素だったとはなあ。
そして別の日、騒ぎが起きた。ドナピエルーが壊滅した。そして国から緊急クエストが出たドナピエルーを襲撃した竜の群れを退治せよと。これが夢に出ていた竜の災害か。そう思ったラグナがレオに逃げようと言うか言わないかで今度は竜の群れがロナベーラを襲撃して来た。
レオは当然の如く竜を狩りに出た。群れをなした竜は強力だったが、それ以上にもっと大変な事が起きる。二番手ことサイクス曰く、あれは上位竜。ラグナが夢で見たレオを殺すロープ状の攻撃を仕掛けるヤツ。ラグナはそれを見てこいつさえ殺せばと背後から斬りかかるが、剣が折れ全く敵わない。そして吹き飛ばされて川に落とされた。
そこにレオが追いつき、サイクスにラグナの救出を頼んで上位竜と対峙。ラグナの夢の通りになりそうじゃないか。川に沈みながらラグナは思った。このままではレオを失う。そしてあの男が出現。やはりあの男は未来のラグナで、レオを失った後に鍛錬に鍛錬を重ねて竜を倒せる程に強くなったが、その時にはもう守る者が居なくなってしまった。この無念と力を過去のラグナに託す為に来たのだ。それをラグナは受け取った。
それにしてもそんな無念だけでこんな事が出来るのかなと思ったが、手助けしたヤツが居たんだ。
上位竜はグリュムウェルテと名乗った。その強さにレオが竜の王かと問うといきなり切れた。自分など翼の血族の中で第十位階。血族の中で最弱。それを王と呼ぶとは王に対して失礼だと。ここでグリュムウェルテが今回の侵攻の理由を語る。例のドナピエルーの店のケーキを竜の神が気に入っていて、だからドナピエルーだけは襲われなかった。なのに人間の強盗が銀のひよこを襲った為に店が潰れた。怒った竜の神がドナピエルーはおろかこの人間の国を滅ぼしてしまえと命令したのだ。
グリュムウェルテは最弱だけとレオより強い。これでレオが殺される、と言う場面で力を受け継いだラグナが来た。
ラグナの気配に恐れおののいたグリュムウェルテ、こんな事があってはならぬと言うが、あっさりラグナに殺される。
未来のラグナ、本懐を遂げられて穏やかな顔で死んでいた。ラグナを手伝った者がいた。それがクリムゾン。クリムゾンにどんな力があるのか知らないが、ラグナの力を過去に伝えられる。
ここから竜にとっての死神となったラグナの戦いが始まるのか。タイトルからしてあのクリムゾンと共に。