好きな子がめがねを忘れた・第10話
今日も三重はメガネを忘れた。朝ココアを飲んだ時にメガネが曇って外したままだった。これはある。私は乱視が一番強くてでも大きい物ならまあ見えない事もないので熱い物(ラーメンとか)を食べる時にはメガネを外す。曇るよりマシだから。普通はそのまま起き忘れないけど。
そして三重はまた小村をじっと見た。これもまあ屡々ある事だ。だが今回は違った。それを見ていた染谷が言うのだ「小村、三重さんとチューしてたでしょ」。
そんな事はないのだが、小村がただ単に否定してそれで収まる染谷だろうか。と思ったらちゃんと良識を知る子が3年生で増えていた。あの火渕。メガネを忘れた三重がよくやってるでしょと。フォローしてくれる子が増えて良かったね。
でもそう見えていたのは不味い。三重に迷惑がかかる。そう思った小村は三重から距離を取ろうとして、今日風邪気味なのだと言うと、三重はマスクを提供してくれた。
体育のバスケの時間にまで確認する程に染谷は未だこだわっていたのか。迫る染谷が気になって三重の注意が散漫になって転んでしまった。川戸が気を利かせて小村に三重を保健室に連れて行くのを任せる。みんなこの二人に温かいよね。
二人きりの時に三重は小村に休日は何してるのかと聞いて来た。小村は普通の回答をしたが、その中でコインゲームが好きだからゲーセンに行くと言うのがあった。以前コインゲーム好きは三重にも知られていた。でも何故こんな事を聞いてきたのかと言うと、今日は小村が避けてあまり話をしてなかったから。今日は染谷とばかり話していたから。でも小村君、これを聞いてチューしてた誤解ばかり気にして三重の事をかまっていなかった、三重はメガネを忘れて困っていたのに、と考えてしまって、おいこら、もっと踏み込んだ考えしろよ。もっとも小村は自分が相応しいと思ってないから踏み込んじゃいけないと思い込んでるからなあ。
ここで三重からお願いされた。メガネ忘れた時、一日一回小村の顔を見たい。
だから、踏み込んでかんがえろ。見えなくて不安な時、他人の顔をみたいのだろう程度に考えるな。
放課後、掃除が終わって道具を閉まったら三重の髪が掃除道具のロッカーに挟まってしまった。三重、強引に取ろうとしる。何故そこで一度ロッカーを開けようとしないのか。鋏でばっさり切ると言うので小村がやってあげる事にした。この段階では扉を開けたら、見事に引っ掛かっていた。小村緊張に緊張を重ねて切ってあげた。
三重がポニテにしようとしてヘアゴムを落とす。小村が拾ってあげたので、小村にやって欲しいと言う。いや、やった事ないと言っても、即座に「挑戦あるのみ」と言う三重。
と言う事で小村がやるんだけど、ブラッシングからか。嬉しそうな三重、毎朝こうだったら良いのにと、素直に何も考えずに言っちゃう。小村に毎朝家でやって貰いたい。どう理解したら良いのか悩める小村。
文化祭が近づいて来た。放課後にみんなで作業。小村は習字を貼る準備していた。三重は新聞紙で飾りを作っていて手も顔も黒くしてしまった。新聞紙ってそんなに手が黒くなるんだったっけ。
三重は小村の隣で小村の作業を見ていた。手伝おうとするものの、見えなくて時間がかかって、ノリが乾いてくっつかない。そこで小村がノリ、三重が貼ると言う共同作業へ。どちらかと言うと作業分担か。
三重は小村の作業が終わって休憩する時は教えてと言って新聞紙の方へ。小村がノリを折ってしまって代わりを取りに行こうとしたら三重が着いてきた。暗い美術準備室へ入ったら、三重が戸を閉めてしまった。今日はあまりちゃんと小村の顔見てないから見て良いかと。でも三重はここに固執。
これ、冒頭の染谷に「チューしてた」がフリで、また染谷に見られてやっぱり二人で暗い場所で「チューしてた」になるのかなと思ったけど、三重はじっくり小村の顔を見て満足した。相変わらず小村は単にメガネを忘れて不安な時にみたいのだろうと思った。
二人とも、自覚無いなぁ。
でも教室に戻った小村の顔は指の跡で黒くなっていたし、三重は三重で指が黒くなっていたし、東どこまで分かって言ったのか。