わたしの幸せな結婚・第11話
澄美が何故美世の異能を封じたかのお話。
薄刃家の役割は前回 新が言ったとおりで異形と戦う為の異能者が暴走した時にその異能者を止めるのが役割。だからずっと影になって帝に仕えていた。そしてそれは表向きで「薄刃」の家名を名乗らない程で、今も鶴木と言う事になっている。
表向きは鶴木貿易と言う会社をやっていた。だが取引に失敗して会社が傾く。
しかし薄刃家存続の危機を嗅ぎつけて縁談の話を持ち込んだ家がある。それが斎森家。うん、薄刃家にあれだけの使命を与えていたのなら国が密かにバックアップすべきだったのでは?宮内省が。
ともかく借金の肩代わりを斎森家がやる代わりに澄美を嫁にくれと言って来たのだ。義浪は薄刃の血を外に出すのはならぬと断ったが、澄美がそれをのんでしまう。澄美の言い方だとこのままでは薄刃家は終わりだと言う。やはり借金は宮内省が何とかすべきだったのではないか。
澄美が嫁いだら斎森家は連絡手段を断ってしまう。だから義浪はその後は澄美と絶縁状態になってしまった。
そこまで話して義浪は美世をあの桜の木に連れて行って、夢見に異能を発動させる。そこで美世は過去を見た。実は斎森家が薄刃の血にこだわったのは斎森家が今のままでは格下げされるから。
しかし澄美は生まれてすぐの美世に夢見の異能がある事に気づく。そして斎森家に利用されない様にと異能を封じた。それで美世は異能が無い子とされていた。そして澄美は結核?で若くして亡くなる。
相変わらず異形は出現していた。あの、異形を召喚してると思われる坊主みたいな連中は何なのだろう。ここまで話が進むと新がやってる策略じゃないみたいだし。
ともあれこのせいで対異特殊部隊は大変だった。五道が頑張っていたが、それでも清霞の様な並外れた力がある訳ではない。清霞が参戦してやっと異形を封じ込める目安がつく。
美世は義浪による説明は一応は飲み込めた。だが、鶴木の屋敷に閉じ込められるのは本意ではない。特に新によって、あの清霞から貰った桜の着物を取り上げられ巫女衣装にさせられて外に出られないのは辛かった。身体は確かに薄刃家の結界で楽にはなっていたが。
だから新にどうして清霞とちゃんと話しておきたいと懇願するが、新はそれを許さない。新は新で自分の存在意義に固執していた。最初にも書いたとおり、薄刃家の役割は暴走した異能者の制御。でもそれは起きなければずっと出番が無い。だからもうひとつの役割として自分が美世を嫁にして薄刃家の血を残す事しかない。
新は新で、ここまで固執する意味はあった訳だ。
対異特殊部隊の異形討伐、全部成功したと思われたのに最後に残った異形が五道を襲い、それを守ろうとした清霞がそれを倒すものの、自分もやられてしまう。
義浪は美世を気にかけている。ここに至る迄本心か疑っていたんだけど、どうも本心みたいだ。だから家族として頼って欲しいと言う。家族を持った記憶がほとんどない美世はそれがどんな事か分からなかったが。
またもあの桜の木。そこでは母がいつかきっと美世の力が必要とされる日が来ると言い、そして美世の異能は完全に目覚める。
そこにまさに清霞が倒れたと言う報告が入る。美世は新が止めようとしても押し通ると言う。だがここで新が吐露する。美世をここに押し込める様に言ったのは帝。なのに義浪はもう美世の気持ちを封じるのをやめようと言う合図。義浪はあの着物を返して清霞の所へ行くのを許す。
病床で意識を取り戻さない清霞。葉月や五道は泣きくれていたが、でも新は夢見の異能なら清霞を起こす事が出来るだろうと言う。