シュガーアップル・フェアリーテイル(第2クール)・第20話
キャットを使役する権利(をい)をヒューから奪う為、アンは銀砂糖子爵と勝負する。ノアが食べる砂糖菓子をどちらが作れるか。
アンはノアの為に作る砂糖菓子をチェンバー家の紋章と決めた。それがノアの求める物だから。ミスリルも驚くがすぐにアンの決意ならと手伝う。こうして二人のノアの為の砂糖菓子が出来た。
最初に見せたのはヒュー。それは何とあのフィッフ(?)だった。アンが夢に見たノアとハーバートがいつもやっていたフィッフだ。フィッフの駒ならノアも手に取り易い。手に取ったら食べるかもしれない。しかもヒューは銀砂糖子爵の特権で読める本からハーバートの事は調べてあった。ハーバートは実は王国一のフィッフの名手であり、誰も敵わなかった。ノアに「誰も相手をしてくれない」と言ったのは、そう言う意味なのだ。誰も相手にならないから相手をしてくれない。それを知らずにノアはハーバートにフィッフをやろうと持ちかける。それがハーバートにとってどれだけ嬉しかったか。ヒューはここまで調べて作った。これは君の物だと渡す。でもノアは食べなかった。
そこで次にもう一つあると言ってアンの砂糖菓子が出される。それはチェンバー家の紋章。あの飴の形ではなくてまさに紋章の砂糖菓子。綺麗だ。綺麗すぎる。
だがヒューはこれを見て当然の如く睨みつけた。何て物を作ったのかと。
ノアは思わずそれを手に取り、そして思わず食べてしまった。ハーバートとの約束を破ってしまったと泣くノアに、ヒューはそんな事はないと紋章砂糖菓子をもう一つ与える。
アンが勝った訳だが、当然ヒューはアンに何故チェンバー家の紋章作ったのかと問う。王家への反逆ととらえられかねない。だがアンはそれがノアの望むものだから、作る相手に本当と必要とされるものだからと答える。実はヒューも紋章を考えた。しかし銀砂糖子爵の立場からそれは出来ない。銀砂糖子爵は王の臣下だから。
アンはヒューに問う。何故ヒューは銀砂糖子爵になったのか。王や教会の為の物しか作れない銀砂糖子爵に。ヒューは実世界でどうしてもしたい事があったからだと言う。キャットにも言われたが、他者に砂糖菓子を作れなくなっても良いのかと言われれば、それを為す為ならそれも受け入れる。アンはヒューが銀砂糖子爵と言う立場に縛られたから自分が勝ったと思った。しかしエリオットは今はまずキャットが来てくれる事になった事を喜ぼうと言う。
アンはノアの所へ行く。ノアはまたあのチェンバー家の紋章砂糖菓子を見ていたけど、アンが入って来るとそうじゃないフリをした。ノアは心に引っかかるものがあったのだ。だってハーバートは王国一にフィッフの名手と言うのを嘘をついていたから。だから自分を城に残したのはやはり役立たずと言う事を隠す嘘をついていたのではと。そんな事ないよと言うアンにノアは自分が寝るまで一緒に居てと願う。いつしかアンも眠ってしまい、そしてあのハーバートの思念がアンに感謝した。やはり最初に聞いた声はハーバートの声だったんだな。
アンがヒューに勝った事は当然ながら広まっていた。だってこれでキャットが来てくれるのだから。ただ紋章を使って勝ったと言う内容も広まっていた。だからそれをブリジットに知られたらまずい?と思ったけど、ブリジットはそれを聞いて勝って良かったと胸をなでおろす。あ、ブリジットの頑なな心も少し和らいでいる。
こうなって来ると今シリーズの残された要素はグラディスだな。アンがノアの所に行くとヒューのフィッフが無くなっている。ヒューがノアから取り戻した?いや、そんな事をする人間ではない。だとすると他の誰かが部屋に入って紋章の砂糖菓子も見られた?
しかし事態はそんな程度の話には収まらない。ブリジットがグラディスの所に行くとあのフィッフの駒を持っている。グラディスは傷を負っていて復活する為に必要なのだと言う。だがブリジットはそれはおまえが食べて良いものではないと、懲罰を発動させて羽の入った袋を握るものの、グラディスは何とも無い。そこには別の妖精の羽が入っていた。
グラディスは力を取り戻す為に一級品の砂糖菓子が必要で、だから工房長の娘の妖精になればと狙っていたが、それが思いもよらぬ銀砂糖子爵の砂糖菓子にありつけるとは。おお力が復活する。
そして力を取り戻したグラディスはシャルの所へ。シャルに対しておまえは自分と同じ所にいた貴石だと言う。あの宝剣に嵌っていた三つの貴石のダイヤ・黒曜石・オパールのうち自分がオパール、シャルが黒曜石。そのシャルを手に入れて人間から自由になるのだと言う。そして見せた正体があの赤い奴。本名はラファル・フェン・ラファル。ラファルはシャルを従わせる為にはアンを使うと言う。急いでアンの所に戻ったシャルだが、この時点でアンは無事。ラファル、どうやってアンを使うつもりか。