おかしな転生・第5話
前回お見合い写真で一儲けと言っていたと思ったら今回はカセロールとペイストリーの二人で王都のカドレチェク公爵の嫡孫成人記念パーティーに来ていた。カドレチェク公爵は中央軍の統括にして公爵だけど、カセロールが歴戦の勇士と言う事で騎士爵と言えども評価している様だ。見くびっていない。そしてこの成人記念パーティーの主役のスクヮーレを紹介する。未だ初々しい青年。なのでカドレチェク公爵がちょっと悪人面だけど多分この家はちゃんとした家らしい。
ペイストリーが公爵に紹介されてご挨拶。公爵はペイストリーの噂は聞いていてこの年齢ながら成人済みで魔法も授かっているみたいだとペイストリーに魔法の事を聞いてみた。魔法が使えると聞いてではここでちょっとやってみてくれと。あれ?ペイストリーの事は侮ってる?でも実はペイストリーからするとこれが渡りに船。では給仕が持って来た布を掲げてみて下さいと言う。
そしてここに例の転写。
誰?それ。
公爵としては魔法が見事だったで感心したが、孫のスクヮーレ転写された女の子の方に見とれていた。すかさずペイストリーはスクヮーレにプレゼントしましょうと言う。自分からと、フバーレク辺境伯からの贈り物として。
それを聞いて公爵は察した。この令嬢はフバーレク辺境伯の娘なのかと。そのとおり、その方はフバーレク辺境伯の三女ペトラ様ですと紹介。フバーレク辺境伯領は隣国とのいざこざが絶えず、ペトラもそれ故簡単には来られない、だから今日は来ていない。でも来月は今度はペトラが成人になる。だからスクヮーレに来て欲しいと切り出した。
公爵は、そう簡単にはと言いたかったのにスクヮーレがそれを遮って是非とも行きたいと言ってしまった。公爵は分かっていた。これは縁談だ。ただ、公爵はどうやって行くんだと言うと、ペイストリーは父の転送魔法で行けますと言うのでスクヮーレは完全にその気。やれやれと思った公爵だが、ここでペイストリーが耳打ち。
フバーレク辺境伯は思惑がある。そりゃ意味もなく貴族同士の縁談を持ちかけた訳ではない。フバーレク辺境伯としては近隣との争いには嫌気が差して、ここで中央軍統括のカドレチェク公爵と縁組が出来たら争いが沈静化されるのではと考えているみたいだ、と、あくまでもペイストリーの観測として伝えた。
カドレチェク公爵としてもフバーレク辺境伯と組むのは悪い話ではない。なるほどとこの件は自分もスクヮーレと一緒にフバーレク辺境伯の所へ行こう、さすれば国王陛下によき報告が出来るかもしれぬと大音声で周囲に知らせた。
あの程度のお見合い写真でどれだけ金になるんだと思ったが、カセロールの所にカドレチェク公爵とフバーレク辺境伯から手紙が届く。めでたくカドレチェク公爵家のスクヮーレとフバーレク辺境伯家のペトラの間で婚約がなされるとの事で、これに伴って銀貨2万枚が供与される。ペイストリーは何時間も頑張った甲斐があったと言う。あれ?転写ごときで何故何時間?と思ったらフバーレク辺境伯がOKを出す迄何回も何回もやったらしい。
別途ペトラ警護の為に金貨30枚が出る。ペトラの成人(と婚約)のお披露目が王都でやる事になり、その送迎と王都滞在の警護を依頼して来た。単に漫然と警護依頼ではなく、カドレチェク公爵家とフバーレク辺境伯家が繋がるのを快く思わない貴族が居るから。
とは言っても警護の人間をそう簡単には増やせない。下手に増やしたら不穏分子が紛れ込むかもしれない。と言う事で教会の本聖別をした部屋にペトラを招いて出入りを固くしようと言う事になった。あの部屋、監禁部屋みたいな所では?
さて、フバーレク辺境伯の所へやって来ました。あ、子安さんですね。これでもう確信したけど、フバーレク辺境伯もその令嬢のペトラ嬢も前回までに登場してないよね。それをいきなり話にぶち込んで来たんだ。話の進みがゆっくりな割にはこう言うの省略しちゃうね。
馬車の中にはペトラの他に髪の毛の色以外そっくりなもう一人の令嬢が居る。リコリスと言ってペトラの妹らしい。双子の妹らしい。
転送の為にフバーレク辺境伯領の教会に到着した所で襲撃者。ここでカセロールとペイストリーが頑張る訳だが、ここって未だフバーレク辺境伯領内だからフバーレク辺境伯の軍隊がもっと居ても良いのでは。ともかくこの襲撃でペトラもリコリスもすっかり怯えてしまった。特にリコリス。
でもそんなリコリスにペイストリーが手を伸ばしてくれる。
あ、ペトラはスクヮーレと婚約するけど、リコリスはペイストリーとくっつく流れですか?