おかしな転生・第6話
お見合い写真効果であれよあれよと言う間にカドレチェク公爵家のスクヮーレとフバーレク辺境伯家のペトラの縁談が纏まった。と言う事でペトラがカドレチェク公爵家へ向かうのだが、その護衛をモルテールン家も担う事になり、特に瞬間移動魔法はカセロールにしか出来ない(事になっている)のでペトラの移動を任された。ペトラには双子の妹のリコリスが付き添う。瞬間移動の為の教会の地下に降りるのを怖がるリコリスの手を引いてあげるペイストリー。
危惧されたとおりペトラを狙う奴らが居る。ならず者を集めたのはルハインゴ=アーマイア。元貴族だったが没落し、その復権を狙ってカドレチェク公爵家のペトラを誘拐する算段。
依頼されたストルーデルが睨んだところでは、孫の婚約者を攫われたカドレチェク公爵の面目を潰す、攫ったペトラを自分が救出した事にして手柄にして結婚して家の復興を図ろうとしてるのだろうと言う。うん、後半はもうね、ならず者達が「引くわー」と思う程のゲスさ。
ペトラの聖別の儀が始まった。と言う事でリコリスは待機。だからペイストリーが待機出来る部屋で休ませてあげろと指示された。
そうこうするうちにペトラの聖別の儀が終わったらしくカドレチェク公爵家から迎えの馬車が到着した。護衛の騎士も一緒。あれ?これだとペトラ誘拐が難しいのでは?
と思っていたら別室で待機していたリコリスの方に異変が。大きな音がしたかと思ったらリコリスとペイストリーが座っていた椅子の真下が円形に切り取られて二人は落下。おい、リコリスの方にならず者達が来たぞ。
急を聞いて駆けつけたカセロールはこの状況を見てシイツにフバーレク辺境伯などに事態を知らせに行けと命じ、自分がこの穴に突入して行く。
落下したペイストリーは一度気を失って気がついたら縛られていた。眼の前には同じく縛られたリコリス。ペイストリーは考えた。あの状況を見て父カセロールが追って来るだろう。まずは時間を稼がなくては。でも目的は?自分は貧乏騎士爵の息子だからやはり辺境伯の令嬢リコリスが目的か。リコリスは何としても守らねば。
ペイストリーは見張りに芝居をうった。自分を殺したら金貨200枚はふいになるだろう。それだけの身代金は出る。そしてもしこの犯行の首謀者が貴族なら交渉でもっとずっと出るだろう。これを聞いて見張りが乗り出す。つまり首謀者は貴族なのだ。
部屋を見渡すと上級貴族の屋敷みたいだ。一方で手入れがされていない。過去に没落した上級貴族に誰がいたか。カドレチェク公爵やフバーレク辺境伯に恨みを持つ没落した上級貴族とは誰か。ペイストリーはカセロールと一緒に護衛の為に不穏分子をリストアップしていた。その中でこの条件に合うのは元公爵(侯爵?)のアーマイア。その屋敷か。
ここまで掴んだ情報を、リボンに転写して(転写って、何かを写すのでは?元の文字列はどこにあった?)瞬間移動の魔法で父が居るであろう元の部屋へ飛ばす。
確かにカセロールは一度戻っていた。シイツからは辺境伯は今現在はペトラの護衛で手一杯で兵を回せないとの報告を受けていた。どこに行ったか分からず手詰まりだったカセロールだが、そこにリボンが舞い降りる。居場所はアーマイアの屋敷。すぐさま手勢を率いて行こうとするカセロールはシイツに指摘されてシイツだけを先行して瞬間移動させた。
その頃、アーマイア邸では思わぬ事が起きていた。ならず者達の頭のストルーデルがペトラを攫って来ましたぜとルハインに報告したが、ルハインからはペトラは無事にカドレチェク公爵家で婚約のお披露目に出ているおまえらの攫って来た娘は別人で、だからびた一文払えないと拒絶されたらしい。やはりペトラを狙っていたのにリコリスを誘拐してしまったのか。間抜けな間違いだ。
怒り狂ったストルーデルがリコリスを害しようとしたので思わずペイストリーが瞬間移動でその間に入った。
ストルーデルは顔を見られたからには殺すしかないとリコリスに剣を向けたが動ける様になったペイストリーがその手を斬って剣を落とす。
チェックメイトです。