自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う・第1話
タイトルから始まりの部分は予想は出来たけど、自販機になっちゃったらその後どーすんだよと思っていた。
自販機として転生した理由は前を走っていたトラックの荷台から自販機が落ちてしまいそうなのを守ろうとしたから。いや、どんな奴だよと思ったら自販機マニアなのだそうだ。あ、うん、まあちょっと分からないでもない。
でも自販機だと何も出来ないじゃんと思ったら、確かにほとんどの事が出来ない。言葉も自販機の「いらっしゃいませ」程度しか話せない。
一応スタート時点では1000ポイント持っている。ただ、このポイントは自販機として稼働する為に消費される。電気の代わりに。ポイントは自販機として何かを売れば入る。ポイントを使って商品を変える事も出来る。
でもこんな誰も居ない湖畔でどうするの。カエルみたいなのが襲って来て手も足も出ない状態で困ったと思ったら加護があった。加護で選べたのは結界。でもこれがまたポイントをガンガン消費して行く。
取り敢えずカエルみたいなのは諦めて退散。
そこに女の子がやって来た。まずはこの子が助け舟か。
食べ物を失った女の子が硬貨を投入したら何かが手に入りそうと銅貨を試してみる。でも日本の自販機として登場したから異世界の銅貨じゃダメだよね。と思ったらポイントを使ってこの世界の硬貨に対応出来るらしい。と言う事で変更したけど、こっちの貨幣単位って日本円の1/10か。100円の物が1000オアになっちゃった。
その子はこれだと銀貨使わないとと言って銀貨を投入。めでたくコーンスープを飲む事が出来てしかも温かくてメチャクチャ美味しい。すっかり気に入って次々と買ってしまう。え?銀貨って何オアなの?確か異世界の貨幣はもう少し高かったと思うんだけど、この世界はそうなのか。
これは面白い魔導具だとその子ラッミスは自販機を持って帰ろうとする。そんなの無理と思ったら、ラッミスの加護は力らしくて軽々と持ち上げてしまった。
村に戻ったら門番の見張りにも大好評。宿に帰って宿の前に設置。地上に戻るには転送陣を使うが、それにはお金が必要でラッミスはその宿で暫く働く。自販機も評判に。これいづれおでん缶も出るなと思ったら出たよ。
なるほど、文字通り手も足も出ないかと思ったけど、ポイントを稼いだらこの世界で評判の商品を出せるし、ラッミスが賢くて自販機ハッコンが言える数少ない言葉をYES/NOみたいに使って少しは会話が成り立つ、そんな展開か。