私の百合はお仕事です!・第9話
もう私がやられたあんな事はリーベ女学園ではさせない。その為にはリーベ女学園の中に本物の恋愛感情は持ち込ませない。そう言う硬い気持ちで純加は果乃子が陽芽への愛情を持ち込もうとするのは許さないと迫るが、果乃子の方は純加さんってそっちの人だったんですねと聞こうとはしなかった。
果乃子が陽芽と知り合ったのは中学に入ってからだった。果乃子は誰とも話をせずに一人の世界に居た。クラスでワイワイ話している人達は「良い子」であって、自分はそこには入らない。みんな嫌いな人達。そしてその中心に陽芽が居た。
果乃子はだからお昼休みは屋上に出る階段の所で一人でお弁当を食べていた。ある日そこを陽芽に見られる。でも陽芽は別にどうこう言う訳でもなくその日は行ってしまった。
クラスでは陽芽の提案で結婚するちあき先生へのおめでとう動画を撮っていた。クラス「全員」でやるから参加してと言われたら果乃子は断れない。お祝いなんて「良い子」だけでやれば良いのに。
なのにそれはある日突如やって来る。みんなで集まってのおめでとう動画を撮る為の背景となる看板を描いてくれと。これを聞いた時に何故果乃子に依頼に来たんだと思った。果乃子だけ何もやってないからって、その言い草は嫌だな。でもそれ以上に果乃子がこう言うの得意だと誰かと間違えられていた。それは分かったけど果乃子は嫌だと断れない。
そんな果乃子に対して陽芽は嫌だったらそう言ってよ、言わないと分からないよ、言わないと無かった事になるだからと言う。でもこの時点の果乃子は嫌を言えない。だから嫌なんかじゃないと言うが、それを聞いた陽芽が「間宮さんって『良い子』なんだね」と言う。これは心外だ。良い子は自分ではなくてそっちなのではないか。
背景は、完成に近づいてはいたが、未完成の時点でもうそれ位で良いよと言われる。フレームに貼って明日屋上で撮影だよと。屋上、そこは果乃子が近くに行っても入れない場所だ。
そこで果乃子の気持ちが溢れてしまう。フレームを投げつけ足蹴にして破壊した。そしてそれを陽芽に見られた。
当然フレームが破壊された事はクラス内で大問題になった。一体みんなからどれだけ責められるだろうか。そう思っていた果乃子だが、陽芽は誰にも何も話していなかった。それどころか誰がやったのか分からないけど今は犯人探しをするよりも修復を何とかしようと言ってくれた。驚いたのは果乃子。陽芽は一体何を考えているのか。
屋上で話そうと陽芽は果乃子を誘う。屋上は鍵がかかっている筈では。陽芽は先生が信用されて鍵を預かっているのだ。そして言う。間宮さんは外面が下手。外面って何。何を言われてるんだと思う果乃子。そうやって外面で良い子してる人達が自分の居場所を奪う。そんな人達が嫌。思わず言葉がほとばしる果乃子だった。
何故陽芽は果乃子に外面を作ってるんだとバラすのか。でもそのおかげで果乃子はやっと本心を話せる相手が出来た。陽芽が果乃子にこんなに話すのはあのフレームの件で一旦黙ったのに果乃子が自分で言い出したから。それを何とか取り繕ったから陽芽は果乃子に外面の為に嘘をつくと言うのを見せてしまった。だからもう話したのだ。その代わり外面の件は誰にも言わないでね。
そして果乃子を助けたのはあの小学校時代の美月との共通点があったから。美月は果乃子とは逆で言いたい事を隠せない子だった。でも二人共外面をうまく作れないと言う点では同じで、陽芽はやはり美月の事は気にしていてあの時自分はどうしたら良かったのか、どうしたら美月とうまく出来たのかが引っかかっていて、だから共通点のある果乃子を庇ったのだ。
これが二人の始まり。
陽芽の唯一の友達。
そして初めての写真。
だが駅前で美月が果乃子を発見して声をかける。果乃子は相変わらずほとんど言葉をかわさず、そして「似てない」と対抗意識を見せた。
ますますヤンデレてますが、大丈夫?