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ワールドダイスター・第11話

ここなに欠けている物があると言って海岸に連れて来た静香。懐かしいねと言う言葉からおそらく陸奥横浜の海岸だろうと調べたらやはり陸奥横浜の砂浜海岸海水浴場と言う場所らしい。

そこは砂浜を維持する為の離岸流か何かを防止する為の防波堤みたいな突堤だろうか。まるでその作りは舞台ステージの様だった。ここで静香はここながワールドダイスターを目指すのを決めたのはいつだか覚えているかと聞く。ここなの記憶では中学校の時に友達に話した時だったかと思ったが、いや、もっと前だ。小さい頃に誰かに向かってワールドダイスターになると言ったのを思い出す。そして思い出した。
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超演劇時代、これは一人の少女がワールドダイスターを目指して活動を始めた物語。

ここなは以前は東京に住んでいた。その頃に舞台演劇を見て感動し、沢山の演劇の演者のマネを両親の前でやってみせた。だがある時引っ越しが決まる。東京からずっと遠い場所で今よりもずっと小さい家。もう演劇は見られない。そこでは両親は共働きで帰りも遅かった。うーん、東京で事業に失敗したとか?それにしても横浜町で両親共に帰りが夜になる程の仕事とは何だろう。

そしてここなは転校先の学校で友達が出来ずいつもひとりで帰っていた。そんなある日、ふと砂浜海岸の防潮堤を見かける。そこは嘗て見た舞台の様だった。ここなはその「舞台」で嘗てみた演劇を再現する。それでも一人で寂しく思っていたその時ある少女が出現する。それが静香。静香はその防潮堤を舞台に見立ててここなと演劇の再現をした。この時なのだワールドダイスターになりたいと言ったのは。

二人で舞台を再現したが、この時もここなは静香の方が上手だからとやりたい役を譲ってくれる。でも静香は怒る。自分の気持ちに嘘をついていたら良い演技なんて出来ないよ。

静香はここなをここに連れて来てあの時の気持ちを思い出させたかった。あんなに演劇がしたくてあんなにワールドダイスターになりたかったあの日の事を。でも今のここなはどうだろうか。典型的なのは八恵とアラビアンナイトをやった時だ。最初は八恵の為にと八恵の事しか考えない演劇をしていた。その後それを克服したが、でもそんな感じが抜けきっていない。今回のオーディションも八恵やカトリナの演技を見てそれに気圧されている。他の何者をも蹴落としてワールドダイスターになると思っていない。

どうしても自分が舞台に立ちたい、主役をやりたい、そんな気持ちは今のここなにはなく、静香の中にある。それを今からここなに返すね。
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あ、ヤバい。これ静香が消えちゃう流れだ。ここなもそれに気がついた。嫌だ離して、返してなんてほしくない。でもこれをここなに返さなければ最初の目標が消えてしまう。

こうして静香は消えてしまった。

オーディションの日。ステージの前にはみんなが座っている。しかしエントリーした中でここなだけがいない。この4人だけで始める。最初はここなの予定だったが、カトリナからだ。カトリナ、右目をどうしちゃったの?

そこに遅れましたとここなが入って来る。遅刻した分、審査は厳しいと言われたがそれに怖じずにここなは演技を開始した。

そのファントムはまさに舞台の表に出られないが故に、どうしても出たい気持ちを表現するファントムだった。

ファントム役はここなに決まった。カトリナが完敗ねと泣く程に。
何があったんですかね。やっぱり静香さんの姿が見えないのは。

シャモ、ファントム役を射止めたのに消沈してるここなにオーディションに勝った人の顔じゃないと言う。ここなが演じるのは次のオペラ座の怪人で終わりじゃない。この先ももっとずっとある。それを目指すには自分と語り合えと言うのだ。

こうして向かい合わせで座った椅子。対面には幼いここなが現れる。ワールドダイスターになりたい夢は一人だけの夢じゃなかったんだよ。約束をしたの忘れたの?ワールドダイスターになる、そうしたらいつか一緒に舞台に立てる。
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静香ともう一度会う為にここなはカトリナ達にお願いに行った。オペラ座の怪人を成功させる為にみんなの力が必要なの。最終回は静香を取り戻す舞台か。

ところで第1話の時に何故ここなの出発地点を陸奥横浜にしたのかなと思ったけど、あの防潮堤の「舞台」があっての舞台選定だったのかな。

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