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スキップとローファー・第10話

文化祭の準備が愈々本格的になって来た。美津未は生徒会の役員として全校の準備の取りまとめるとか諸々あってクラスの演劇の準備にはほとんどタッチしていなかった。だが美津未の中では自分もクラスの準備に加わりたいなと言う気持ちがあった。何しろ初めての都会の高校の大規模な文化祭なのだ。あれもこれもと言う気持ちが大きくなっても仕方ない。

聡介の方はクラスの出し物が演劇と決まって悪い予感はしたが、かと言って誰かが「ハイ!志摩君が良いと思います!」と言う押し付けとはちょっと違って、目立ちたがり屋の山田が自分が役をやりたいと手を上げて一緒にやろうぜと聡介を巻き込んでしまったのだ。実はこの時美津未は「あれ?」と言う思いはあった。事実聡介はやりたくなかったが、あの流れで受けざるを得なかったと玖里寿に愚痴をこぼす。ホント、聡介は玖里寿には何でも言うよね。

演劇はミュージカルで台本になる話はなにかあるらしい。これ、本当にあるのかな。ちょっと検索したけど引っかからなかった。聡介はその中でヒロインの相手役。これを見てミカが思う。相手の木之本小春は彼氏持ちで公認のラブラブだからクラスの女子が彼女だったら聡介の相手でもまあ良いかと認められたんだが、文化祭の力をなめてはいけない。何かが起きるかもしれない。美津未、あなたはそれで良いの?と。ミカ、聡介の件で美津未の心配しちゃうんだな。
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そんなミカの心配をよそに美津未は走り回っていた。そして思わず脚本と演出が悩んでいる輪に首を突っ込んでしまった。規定の時間からはみ出しちゃうんだけど、どの場面をどう削ったら良いか、ここまで収録したビデオと脚本を見て意見をくれないかと言われてしまう。美津未が思っていたのよりずっと重い手伝いになった。だって通しで全編見て脚本も読むのだから。

ここにさらに生徒会の作業が加わってしまう。

このせいで美津未は結局寝落ちしてビデオを見られずじまい。見たけど特に思いつかなかったと嘘を言わないのは良かったが。

この必死でパタパタ動き回る美津未を見て聡介は過去の自分を思い出す。母を喜ばせようとして必死だった頃の自分を。こういうの、つい最近同じ事があったぞ。女神のカフェテラスの流星だ。あっちも両親が離婚しちゃったんだよね。あの時の感想の繰り返しになるけど、子供がいるのに親が離婚するのって、基本的に子供には寸毫も責任が無いのに大きな悲しみを押し付ける事だから。

必死にパタパタしていたのに悲しい事が訪れる、と言うのが今まさに美津未に起きようとしていた。脚本と演出が、悪意は無かったのだろうが美津未が出来もしない事を引き受けてと思わず愚痴をこぼしているのを聡介は通りすがりに聞いてしまう。そしてその直後に美津未が聡介とすれ違ってそっちへ行ってしまった。美津未がそれを聞いてしまって立ちすくんでいるのを聡介が手招きした。バイトでお金が入ったから好きなジュースを選ぶが良いと。でも美津未は分かる。さっきの場面で自分が傷ついたのを慰めてくれるのだと。

でも美津未が先ず思ったのは聡介が本当だったら演劇に出たくなかったと思われるのを止められなかった事だった。それで泣いちゃう美津未。その理由は聡介がそんな状態なのに自分を心配してくれたところ。泣いてしまった美津未に聡介は思った。この純朴な子は入学時に言っていた高級官僚ではなく地元で純朴な子のままで生きてほしいと。
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ヨハン役は良かったと言うので聡介は劇のヒロインとのバラの歌の場面をやってみようと美津未を誘う。それに合わせる美津未だけど、途中をちゃんと覚えていないと言う場面がリアリティがある上に美津未らしくて良かった。
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そして美津未は立ち上がるのだ。大丈夫、聡介が思っていた様な純朴な上に弱い子ではない。一本筋の通っている子だったのだ。ド派手に転ぶけど起き上がるのは無茶苦茶得意なんだから。
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だから脚本へのアドバイスは出来なかったが、装置の工夫で時間を縮められるんじゃないかとさっきの陰口を言った子の所に怖じけずに言いに行ける。

美津未の方はうまく行ったのだが、聡介の方は部屋を掃除していた母が文化祭のクラスのチラシを見つけてしまった。

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