【推しの子】・第4話
イケメン新人を売り出す為だけのしょうもない企画のドラマ。スタッフだけはまともだったが、イケメン男優が揃いも揃って素人丸出しでかなはその中で仕方なくレベルを合わせて演技していた。長く沈んでやっと掴めた主役。何とか作品を成功させたいと思っていたが、鏑木プロデューサーからは便利に使われていただけ。それも知らずにもがいていたが、やはりこんな大根役者相手ではどうしようもない。
だがそれを知ったアクアは逆に火が点いた。どうせ最終回、どうせ自分の出番はここで終わり。だったらやってやろうじゃないか。使える環境は全て使う。それは相手の役者の心も同じだ。作者の気持ちになって考えましょう、そう言う読書感想文をアクアは以前から得意だった。
まずは動きから変えて行く。段取りと違うじゃないかと思ったスタッフも居たが、流石まともな監督は目が肥えていた。このまま行く。子役相手の場合の撮りなんてその場で台本の書き直しなんて普通じゃないか。
そして愈々最後のクライマックスシーン。主人公彼氏メルトの本気にヒロインを守ろうと言う行為に、そのヒロインは闇の中に光を見て涙を流す。この作品最高の見せ場だ。原作を読んでいるアクアもかなもここは繰り返し読んでも涙した場面。
まずアクアは相手のメルトを煽る。あんたよく見たらブスだな。加工しないとこんなものか。思わずムカっとしたメルトが本気でアクア=ストーカーに対して怒る。そうその本気が必要だ。そしてアクアがナイフを構えて突進。思わずメルトは強くアクアを殴ってぶっ飛ばす。ぶっ飛ばされたアクアが言うのだ。ヒロイン、いや、かな目がけて。夢見て生きてるんじゃねーよ、おまえの人生真っ暗闇だと。さあ応えろかな。
かなは見事にヒロインを演じて涙を流す。そうだ、こいつは重曹....いや十秒で泣けるヒロインなのだ。
実写「今日あま」はあまりの出来に途中で見切りをつけた人達がほとんどだったので、最終回を見たのはコアな原作ファンだけだったから、そのコアなファンの間では大評判になったものの、作品自体がブレイクする事はなかった。
第1話の収録で失望した原作者吉祥寺頼子は律儀に最後まで見ていて、そして最終回のあのかなの涙の場面ではその原作者すらが涙する。ああ、実写化を受けて良かったと。
それは打ち上げの会場でも吉祥寺頼子がかなを見つけて寄って来て、良い最終回にしてくれてありがとうと告げる事になる。
打ち上げの時、かなはスキャンダルはダメだからね、と言ってもアクアが彼女なんていねーしなと言うと、かなの反応が。
アクアの方は鏑木と対話。DNA鑑定で父子関係はゼロと出て、もうこれで用は無いと思ったのに、鏑木から君はアイに顔が似ていると言われた所から風向きが変わる。鏑木はアイとは一緒に仕事をして色々と面倒を見てやった、彼氏とのデートで目立たない場所とかも教えてやった。ここからアクサの目の色が変わる。誰と付き合っていたのか教えてほしい。もう亡くなったアイドルだけどプライベートをそう簡単に話せるものではない。取引しよう。君、恋愛リアリティショーに興味ある?
アクアとルビーの入学初日。入学式も滞りなく終わってクラスへ行く途中、かなと出会う。ようこそ陽東高校へ。かな、一年先輩だっけ?かなが案内してくれるが、二人は無視するのかなと思ったけど、ちゃんと聞いてる。
ルビーが芸能科のFクラスに入ると流石みんな顔立ちが違う。気圧されて座った席の隣の子が巨乳の子の寿みなみで、本人の目の前で名前を検索したらグラビアアイドルしてるエセ関西弁を話す神奈川の子だった。何故エセ関西弁に。
そしてルビーは休み時間にアクアにみなみを引き合わせる。お兄ちゃんとも友達になってあげてねと、おすそ分けみたいな言い方で。
芸能科と言っても未だそんな凄いヤツは居ないだろうとアクアが言うと、ルビーは一人だけ凄い子が居ると言う。その名は不知火フリル。そう、あそこを歩いてるあの子。
アクアが遠慮なくフリルに声をかけたらフリルは三人の中で、みなみはグラビアアイドルだからまあ知ってるとして、アクアも知っていた。撮影現場とかで今日あまの最終回の噂を聞いて最終回だけ見たから。そしてその結果ルビーだけ知られていない。
がっかりのルビー、ミヤコに早くデビューさせてと泣きつく。
このままだと一人だけ仕事してない一般人になってしまう。そうは言ってもおいそれとアイドルグループは作れない。ルビーはみなみを勧めるが、既に事務所に所属してる子を勧誘して事務所間でトラブルにしたくないと却下。
そこにアクアが提案する。一人居るじゃないかフリーの奴が。
あ!かなですか!