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【推しの子】・第1話

正直な話、初回が90分と言うのは第一印象が悪かった。これだけアニメ本数が溢れる中で、日々の視聴をこなすのに時間がかかっている中へ、90分押し込められると言うのは或る意味では迷惑なのだ。

そんなマイナスの状態から見始める。絵は綺麗だね。それは良い。

入院患者の病室でアイドルビデオを布教するのヤメロ、このクソ医師。そもそも入院患者の病室のテレビでビデオ再生出来ない筈だが。そう言えばこの作品ってブラウン管テレビとかガラケーとか登場するんだよね。だから原作はかなり古いのかと思ったら僅か3年前。なんだろう。わざと過去にしてるのだろうか。

医師雨宮吾郎が16歳のアイドルの星野アイに入れあげているのは訳があった。それは以前担当した患者の天童寺さりながやはりアイの推しの子だったからだ。だがその子は16歳を迎える事なく亡くなってしまった。
参考資料

雨宮は産婦人科医だった。あの未だ子供だったさりなを診ていたのは地方の病院だから医師不足で小児科医も兼ねていたのかもしれない。そして産婦人科やって来たのはあのアイだった。必死で反応をこらえて普通の医師を通す雨宮。産むかどうかは本人が決める事と言って診察室を出たら待合室で患者がアイドルの話をしている。アイドルが子供を孕んでしまったと言うニュースを見て、ちきしょーと、まあ普通の反応をしていたが、その内の一人が「待てよ、今死んだらMIUちゃんの子供として生まれ変わるワンチャンあるんじゃないか」とキモい事を言っていた。この時点ではこのキモヲタめと思ったが、すぐにあれ?と思う事が起きる。

アイは産む事を決めて雨宮の病院に入院する。世間の目から逃れて。

そしてある日、病院に男がやって来る。あんた星野アイの主治医か?と聞いて来た。雨宮はストーカーかと感じて男を追った。いや、医師がストーカーを追うのはヤメロ。ここで分かった。これは雨宮が殺される。そしてアイの子として生まれ変わるパターンだ。そして予想通りに雨宮はアイの子として生まれた。双子の一人愛久愛海(アクアマリン、通称アクア)として。そう、双子なのだ。だとしたら残りのピースはあの子しかおるまい。見てみるとやはり女の子。こちらは瑠美衣(ルビー)と名付けられた。

ルビーはアクアと同様に前世の記憶を持っていた。何しろスマホでアイのアンチとバトルするのだから。

それにしても【推しの子】って、てっきりxx推しの子と言う修飾語の意味かと思ったら、推しの子供と言う所有の意味だったのかよ!

アイの子供だと言うのを誤魔化す為に社長の妻の斉藤ミヤコが二人のベビーシッターをやらされたものの、彼女の目論見は芸能プロの社長夫人ならアイドル美少年と仲良くなれるのではと言う考えだったので、或る日とうとうキレる。アイの秘密を週刊誌にバラしそうだ。ここに至ってアクアとルビーは結束して芝居をうつ。赤ん坊ながら普通に話せる二人は神のお告げと偽って、アイに尽くさねば死ぬが、尽くせばアイドル美少年との結婚の望みが叶うであろうとご託宣を下した。ここからミヤコは二人の協力者となる。

アイが今ひとつ売れない理由に、ファンから笑顔が作り物に見えると思われていたからだった。アイにしてみればアイドルは全部作り物。仕方ないじゃんと思っていた。ところがある日アクアとルビーがどうしてもアイのステージを見たいとミヤコにねだって行った時に事態が変わる。思わず二人がヲタ芸をしたのを、アイが見つけ、我が子かわいーと思って出来た笑顔が自然な笑顔だった。これで自然な笑顔を身につけたアイ、ぐっと売れだす。
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やがて映画出演のオファーがあり、その監督が怖そうな人間だったが、実はちゃんとした奴だったんだな。監督五反田泰志がアクアを見とがめた時に焦ってアクアは思わず地を出す。それを五反田はこれは面白い奴だと気に入られる。味方が一人増えた。

完成した映画を見るとアイの出番が少ない。アクアが五反田に文句の電話をすると、あれは政治的圧力でカットされたと言う。あの映画で売り出す予定の子の事務所が、目立ちすぎたアイのカットを削れと言って来てああなった。アクアは前世は大人だったのでまあ理屈は分かる。でも不満。そこで五反田は交換条件を出して来た。おまえが出るなら次の作品でアイをちゃんと出すと。アクアはアイの為にそれを飲む。

現場に行ってみたら、アクアは他の子役と一緒に出る事になっていた。しかしその子役有馬かなはアクアがコネだけでねじ込まれた素人と思っている。確かに五反田が直前でカットを増やしてアクアの出番を作った。

そうか、そうなのか。だとしたらアクアのやるべき子供Bと言う役柄は何だ。脚本に書かれた演技は分かる。でも五反田がわざわざ自分を呼んだのは違うだろう。アクアに求められたのは本当の子供の子供Bの演技じゃない。素の、大人の、でもそれが子供の姿から出て来る不気味さだ。それを読み取ったアクアは素の雨宮の如く語りかける。相手の演者は固まったし、かなもその凄さが分かった。だからその後にやり直してと泣きじゃくる。

この映画が評価されてアイの人気はうなぎのぼり。そして遂にドームコンサートが決まった。アイもあと一週間で二十歳。うーん、これ、このままアイがもっと年を重ねて、アクアとルビーが成長するなんて話になるだろうかとこの時思った。だって未だ第1話なんだし。

その心配と言うか悪い予感は最悪の事態で起きてしまう。

今日は愈々ドームコンサート。その時にドアのチャイムが鳴る。ドアを開けてみたらあいつだ。雨宮=アクアを突き落としたあいつ。そいつはファンを裏切りやがってとアイを刺す。でもアイは変わらぬ気持ちをそいつにも与える。名前覚えられないって言ったの誰だよ。ちゃんと覚えてるじゃないか。

救急車は間に合わない。最後に、嘘になってしまうかもしれないと今迄ずっと言えなかった言葉、二人を愛してるよと言う言葉を残してアイは死んだ。
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二人はショックだったし悲しんだ。それと同じ様に社長もショックで悲しんだ。アクアは思った。ルビーは以前アイからダンスを授かった。ルビーはあのさりなでずっと病気で自分の身体を動かせないと思っていたのをアイがその呪縛から解いてくれたのだ。だからルビーはこのあとアイの遺志を継いでアイドルになるかもしれない。でも自分は何だ。もう空っぽじゃないか。生きている意味があるのか。

その時に気づく。あの男はどうしてアイの入院先の病院が分かったんだ。うん、それはあの時にもうそう思った。そして今またマンションが分かっていた。アイの行動を知る人間なんて限られる。社長夫妻を除いたら、そう、自分達の父親、アイに子供を作らせた奴しかいないじゃないか。そいつがアイを殺させた。このままで済ませる訳には行かない。探し出して殺すまでは。

こうしてアクアの生きる目標が出来て、アクアとルビーは高校生になった。
この第1話はプロローグだったのだ。

凄いね、最初は90分なんてどうしてこんな事をするんだと思ったけど、この90分がプロローグなんだ。そりゃ90分やるよ。
そしてアニメの作りが良い出来だと思ったら動画工房。第2話以降も期待するしかない。

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