転生王女と天才令嬢の魔法革命・第12話・最終回
アルガルドとの決着の戦いを終えて今度はユフィリアとの決着の戦いをするアニス。
アルガルドと戦う時はアニスが勝たないと話にならないなとは思ったが、じゃあユフィリアとの戦いはどちらが勝つのだろう。終わってみたらそうだよねとは思ったものの、始まった時は分からなかった。どっちが勝っても話は進みそうだが、引き分けでは決着になりそうもない。帰趨が見えたのはアニスがドラゴンの力を出したからユフィリアが精霊の力を出した時。こりゃ精霊には敵うまいとここでユフィリアの勝ちを予想した。
結局終わってみたらアニスもユフィリアもどちらも相手を国家の犠牲にしたくないと言う思い。そしてアニスが幼い時に見たユフィリアの綺麗で凄い魔法が勝った。
前回は王女でいなくちゃならない、だから自分が王位継承者なんだと言っていたアニスだったけど、ユフィリアとの戦いの場ではユフィリアを犠牲にしたくないとの気持ちで、そして負けてからは父王と母王妃にごめんなさいと、ここで王女でありたい気持ちは二人の為だったと分かる。
その夜、ユフィリアの部屋にアニスが尋ねた。
誰にも言えない秘密があるの。
え!?ここで転生要素の蒸し返し?
序盤でチラと転生要素らしき物があったけど、その後は全く要らない設定だったと見ていたがまさかここで出て来るとは。何故今更蒸し返すのかと思った。
アニスはユフィリアに自分には前世の記憶があると明かす。ただの前世と言うとこの世界の過去に聞こえるがでもそこはこことは違う世界で魔法がおとぎ話の中でしかなかったんだと告げて、異世界だと仄めかした。ただ、現代日本みたいな社会だとは言わないので、ユフィリアには(この世界から見たら)高度に発達した科学技術の世界とは思えなかったろう。それは置いておいて、だからこそアニスは魔法が使えないけどこの世界には魔法があると魔法に憧れた。
でも一つだけ気にしていたのは異世界転生物でクリアが必要な「元の人格を上書きしてしまった」問題。でもまあ仕方ないのでは。転生者がわざとやったわけじゃないのだし。でもアニスは自分が本当のアニスじゃないとずっと気にしていた。それをユフィリアはアニスは本当のアニスなのだと受け入れてくれる。ここでその次の百合ステージに繋がるんだ。つまり百合の為に転生要素が必要だった(そうか?)。
と言う訳で、二人は幸せなキスをした挙げ句にユフィリアがアニスを押し倒してCM。
ユフィリアが正式に精霊契約者として認められて王家の養子となり、そして王位継承権者となる。ここで気づいてしまった。Aパートで百合ん百合んしちゃったからこそ気づいた。オルファンスが自分は退位しようと思うと言って、それでユフィリアが王になる。あれ?ではその次の王位は誰が継ぐの?だって百合ん百合んしちゃったからもうこの二人は王配なんて考えない。子供が生まれませんよ。いや、魔法で何とかすると言う手が出て来るのかもしれないけど。それが出来るのならとっくにオルファンスとシルフィーヌにアニスとアルガルド以外の子供が出来ていても良い筈で。
そう言う次の王位継承権者の問題を棚上げにしてユフィリアはこの国をどうしたいのかと問われ、これまでの魔法の時代と伝統を「正しく終わらせる」と言うのだ。タイトルが魔法革命なのでそれはあるのかもしれない。特にそれがアニスを苦しめたとあってはユフィリアはそれを「正しく終わらせる」のが使命だと思っているのだろう。
本当ならここでオルファンスが「え!?」と驚くべきだった。国家と王室の伝統を「終わらせる」と言うのだから、一応驚くべきだった(アニスが言った時ちょっと驚いたけど)。
マゼンタ公爵はそうは言っても貴族も平民もどんな社会なのか分からないのではと言う。それに対するユフィリアの回答はこの後のアニスが開拓した魔学のお披露目だった。
エアギアを見せて、あれがあったら貴族でなくとも空を飛べるんだと分からせる。それに加えてあれ以外でも、服でも出来るのだと二人のハレの衣装を披露して二人は手をつないで空へ。
新しい時代の始まり。
うん、話が綺麗なのでそれはみんなが納得した様に見えるが、私が貴族だったら絶対ユフィリアを暗殺してクーデター起こしたね。長年の貴族の特権をある日突如覆されるなんて普通の貴族だったら絶対許せない。そんな俗っぽい貴族でなくとも受け入れ側の平民ですら意識が出来ていないのに、いきなりこんな事をされては社会が混乱するのは明らかなので国家と国民を守る為に決起するだろう。
ただ、リュミが「それはこれからの話」と言うので未だ貴族にも平民にもそこまでは言ってないしユフィリアも現時点ではそこまで考えていないのかもしれない。
作品自体はそう言うのを抜きでなかなか良かった。