とんでもスキルで異世界放浪メシ・第6話
前回の最後でフェルがちょっと真剣な様子で「やはり連れて行くしかあるまいな」と言っていたが、向田をダンジョンに連れて来た。何かマジな事かなと思ったが土魔法がちゃんと使える様に実戦をしろと言う事かな。それだけかな。
でも向田はよくある異世界転生・転移モノの主人公とは違って冒険者人生なんてまっぴらごめんなので実戦で強くなるとかやりたくない。ダンジョンなんかに入りたくない。私も転移させられたら同じ様に思う。
ただ、フェルから見たら別の意味で向田には魔法をちゃんと使える様になって欲しいのだ。何かの時にフェルも居ない、フェルの防御もかかっていない、そんな時に向田が魔物に襲われて死んでしまったら困る。本当に困る。だから向田には最低限の防御力としての魔法を使える様になって欲しい。
そう言われると納得は出来る。スイも行く気になってるし、仕方なく向田はダンジョンに入る事にするが、その前にしておきたい事があった。ネットスーパーで食べ物を色々注文。入る前の腹ごしらえかとフェルは思ったが、向田には理由があった。異世界の食べ物を食べるとステータス値が少し上がる。安全の為に上げておきたい。
と言う事で色々な種類の食べ物を調達して少しづつ食べてステータス値がまんべんなく上がる様にする。残ったのはスイとフェルで食べてくれ。
スイの場合、食べ物以外を食べるとレベルも上がる。スイだけ特別か。食べ終わって向田が確認したら二割程度ステータス値が上がっていた。
と言う事でダンジョンに入るけど、魔法で戦うのが目的だけど剣をかざすんだな。まあ気持ちもわからんでもない。ネットスーパーが何でも売ってくれるなら剣なんかじゃなくて、銃を売ってほしいよね。
最初に出たのはスライム。順当だけど、スイをかわいがっているのにスライムを斬るとかちょっと気が引ける。でも先にスイがスライムを酸弾で潰してくれたので、スイがそうならと向田も石弾でスライムをやっつけられた。
次の階ではホーンラビット登場。思わず剣で戦うけど、それじゃ魔法の練習にならんと言われてしまう。次の階ではゴブリン。これも思わずファイアボール使うが、土魔法の練習だろと言われてしまう。
次の階はコボルト出現。必死で逃げるが逃げ切れないのでストーンバレットで撃退。どうだと思ったが、小石を三つ飛ばす程度ではまだまだだと。
次の階、コボルトが10匹程度だろうと言われたが、凄い群れ。逃げたくなった向田をフェルが放り込んで戦闘に突入。フェルの結界が効くしスイの酸弾も援護してくれるので何とか応戦出来た。ところが逃げたコボルトが巨大なのを引き連れて来た。コボルトキングだそうだ。
コボルトキングともなると向田がストーンバレットを連発してもたじろがない。フェルはこのクラスだと自分がはった結界もどうなるかとか言うので向田は必死のストーンバレット。これはかなりきいたがそれでも耐えるコボルトキング。もう一回と思った向田であったが、ここで魔力切れ。でもフェルの結界が効いた。フェル、さっきと違ってその程度で我の結界がやぶれる訳ないだろうと。その間にスイの酸弾がコボルトキングを倒す。
気がついたら向田はダンジョンの外。スイが起こしてくれて、そしてふと気づくとスイが話をしてる。レベルが上がって言葉を交わす事が出来る様になったのだ。スイ、ますます可愛くなったぞ。
そこにフェルが口の周りを真っ赤にして帰って来た。腹ごしらえをして来たが、うまさが違う。やはり向田の料理が良いと。
向田も魔力を使っちゃったので何か滋養のあるもの。と言う事で卵を選んだ。今回は何だろうと見ていたら鶏肉に見えたロックバードの肉を使う。この時点でも私が食べない物なので分からなかったが、ちょっと進んで分かった。ああ親子丼か。
フェルもスイも大喜び。
食べ終わってまどろんで話をしていたら、フェルはスイからフェルおじちゃんと呼ばれているのが分かった。フェル、おじちゃん呼ばわりが凄く嫌そう。フェルが怒鳴るとスイが怯えるので向田は呼ばせてやれよ心が狭いなと言われたので、フェルは仕方なくスイにだけは許した。
フェルの年齢、おじちゃんではなくておじいちゃんなのでは?