とんでもスキルで異世界放浪メシ・第7話
フェル、森を疾走中。俯瞰図を見た時はオルトロスとグリフォンの縄張りを回避する為に人が歩く道は迂回してると言うが、あれって30分程度伸びるだけでは?と思ったがスケールが違った。フェルの疾走ですら6週間程度かかったのだ。あれ?シベリア鉄道ですらモスクワとウラジオストクの間が1週間ではなかったか?まあ向田が振り落とされない程度の速度と、食事の為に止まると言うのもあると時間はかかるかもしれないが。
オルトロスとグリフォンの縄張りがあると聞いて向田はビビる。でももうオルトロスの縄張りに入っちゃったよ。
普通ならフェンリルが怖くて近寄って来ないが、若くて怖いもの知らずの連中が来るかもしれない。と思っていたら来た。怖いもの知らずのバカな若造。
怖いもの知らずのバカな若造、フェルに手向かって来たが、まさに鎧袖一触。なんじゃこりゃー!
向田が今のはスキルなのかとフェルに聞いたら、フェルドヤ顔で説明開始。でも途中で向田はスイの方をむいちゃった。この後も常にそうなんだけど、フェルが妙な嫉妬を覚えなければ良いが。
こんな危ない森で食事の準備するのにビクビクな向田。残り3週間あると聞いて食材を工夫しながら使わなくてはと思う。フェルが魔獣を狩っても向田では解体出来ないからね。
と言う事で今回はブラックサーペント。所謂ヘビ。と言う事でヘビを使って何か料理するが、調味料を見ても私には分からない。ヒントはエビではやった事があると言う所か。出来たのはヘビチリ。チリソース料理ってエビしか知らないけど(どのみち食べられない)エビ以外でも出来るものなのか。
試食していけると思った向田からフェルが奪って食べたら生で食べるのとは全く違うこの甘辛さが最高ではないかと大いに気に入った。
スイも食べて二人でどんどん食べたから向田のヘビチリがほぼ無くなってしまった。
今度はグリフォンの縄張りへ。その前にヒーリングマッシュルームを発見。フェルですら珍しいと言うので本当に珍しいのだろう。
傷や骨折もすぐ治ると言うので向田は貴重なキノコだと採取開始。スイも食べてみたいと言って食べだしたら光り始めた。スイ自体には何も害が無くて「回復薬生成」のスキルがスイに身についた。試しに作ってみる。液体がポタポタと出て来て向田はペットボトルに回収。鑑定してみたらスイ特製上級ポーション。瀕死の状態からも回復可能。凄すぎる。上級以外に中級とかも作れるみたい。これもフェルにとって初めて。
グリフォンの縄張りに入ってグリフォンが飛んで来た。このグリフォン、人語が話せた。そしてフェルにお願いをする。群れの長になる為に一度戦わせて欲しいと言う。その意気に応えてフェルは戦ってやるが、向田が相手を殺さない程度にしてやれと頼んだ。
そのせいか、嘗てのフェルが見せた風魔法や雷撃魔法なら飛んでいる相手でも一撃だったろうに一瞬では終わらなかった。それでも竜巻みたいなのに巻き込むとグリフォンはズタズタに。ここでスイが作った上級ポーションだ。瀕死の状態でも回復する。
何も出来ずに終わったと思ったグリフォンだが、向田が見たところフェルにちょっと傷を負わせる事が出来ていた。これでこのグリフォン、他のグリフォンから群れの長として認められる。フェルにお礼を言うし、向田に羽を一枚くれた。これは売るのではなくて、助けた向田を識別する為の羽かな。今度ここを通っても食べないと言うし。
さてこの晩はグリフォンと戦ったから腹が減ったと言うのでオーク肉を使って、これは分かるぞトンカツだ。向田のトンカツはウスターソース派だ。私もウスターソース派。
フェル、トンカツも気に入った。
やっと森を抜ける。一ヶ月半かかったら、そりゃ平原に出たら気も晴れる。人間の街に行かないと肉がなくなると言う向田のつぶやきを聞いてフェルが慌てる。これは人間の道へ急がねば。
そして走った先では馬車が盗賊に襲われている場面に出くわした。向田、今日の晩飯を豪華にするから助けてやってくれと言うので、ここでフェル目の色変える。襲われている現場にダッシュしてフェルがひと吠え。盗賊共、武器を捨てて大人しくしろ、さもなくば殺す。人間はフェンリルの恐ろしさを知ってるのであっさり降伏。
救われた商人のランベルト、大感謝。彼らはカレーリナと言う街に戻る途中だと言うので向田は一緒に行かせて欲しいと頼んだら、願ってもない話だとランベルト、こちらかお願いすると言ってくれた。これでカレーリナに到着してもすんなり行きそう。
さておかわり劇場。お供えを忘れていた向田がニンリル様のご機嫌取りに今回は洋菓子をお供え。洋菓子とな?一口食べて驚愕のニンリル様。
フェルもニンリルも向田に食べ物で飼いならされて行く。