最強陰陽師の異世界転生記・第1話
これはまさにタイトル通り。
平安朝において比類なき強さを誇った陰陽師の玖峨晴嘉。だがあまりの強さに朝廷から恐れられ、その弟子を差し向けられて殺されてしまった。玖峨は思った。無闇矢鱈と強さを誇示した自分の人生は間違いだった。次に転生したらそれを踏まえて行こうと。最後に唱えた呪術は転生の呪文だったのだろうか。
そしてまさしく異世界の様な場所。貴族のランプローグ家の三男に生まれたものの、妾腹な上に魔力が無くて魔法が使えないとあって、正妻の子からは区別されていた。特に次男のグライは三男セイカを常に見下していた。長男のルフトはまあ一応常識人みたいだが。
確かにセイカには魔力は無かった。だが呪力は満ち満ちていた。まずはそれを見せずに暮らしている。一方で呪力を使える様に式神の為の紙の製造は行っていた。この世界、紙が未だないんだな。
セイカを見下さない侍女にイーファと言うのが居た。グライがセイカに対して意地悪をしようともそれを庇う様にして。成長して子供たちがみな大人に近づいて来たらグライがイーファに色目を使ったものの、その時はセイカが話を逸して救ってやる。
セイカとしては力を隠しておこうとは思っていたが、あまりにグライが見下してちょっかいを出してくるので一応ある程度の力があると言う事だけは見せようと呪力で標的を破壊して見せる。父親のブレーズは驚くものの、まさか呪力でやったとは思わないので何とか説明のつく解釈をする。そしてセイカを一定程度評価して家庭教師もつけてくれる。セイカが独学で本を読んでいるのも見ていた。
ある日、街にモンスターが出現。強力なモンスターで、ブレーズは何とか撃退はしたものの、仕留められずにそのモンスターは屋敷の方に向かって来た。モンスターの出現に日頃大口を叩いていたグライは机の下に隠れて震えるだけ。ルフトは長男らしく屋敷の者を避難する指示を出す。ところがそのモンスターはイーファを襲いかけた。これには座視出来ないセイカが呪術師としての本領を発揮して、毒を以て一撃でそのモンスターを倒す。これに驚いた屋敷の人達。一変してセイカを称賛した。
あれ?実力がバレちゃっても良いの?
陰の実力者にならなくて良いの?