ノケモノたちの夜・第1話
長く生きて来た悪魔マルバス。普段の姿は人間達から全く見えない。これでは存在していないのと同じではないかと言うが、悪魔の数ってそんなに少ないの?魔界とか悪魔のコミュニティは無いのか。だがある日街中の路上で物乞いをしてる子がどうも自分が見えている様に感じた。確認の為にその子ウィステリアの部屋に行ってみたらやはりそうだった。
ウィステリアは教会で酷い扱いを受けていた。神父様の世話になっていると言う気持ちはあったものの、やはり辛い。そこにマルバスがやって来た。マルバスは外の世界の話をしてやるとウィステリアは凄く喜ぶ。
こうしてウィステリアとマルバスの奇妙な関係が始まったが、ある日とうとうウィステリアが金持ちの地主貴族に売られる事が決まった。ウィステリアはあんな生活でも神父の所が良かったのだろうか、ショックを受けてマルバスに自分をどこかに連れて行ってくれと頼んだ。あ、そうか。神父の所が良いのじゃなくて、売られる先が怖いからどこかに連れて行ってくれか。
だが悪魔は契約しないと人間の希望を聞けない。悪魔が人間の魂を求めるのは寿命を延ばす為。だがマルバスはもうとうに不老不死で魂など不用なのだ。
ウィステリアは売られて地主貴族の屋敷に連れて行かれるが、こいつは買ってきた少女をいたぶるのが趣味。ウィステリアがいまにもやられそうになったのに気づいたマルバスがカッと目を見開いて屋敷に飛んで行くものの、契約せずに助ける行為はマルバスの身体を破壊する。
しかも相手は悪魔と契約していた。契約していないマルバスの力には限りがある。苦しむマルバスを見てウィステリアはだったらこのあなたを見られる目をあげると言って契約はなった。相手の悪魔はマルバスの本当の姿を知って狼狽した。マルバスの本当の力をもってしたらひとひねり。
こうしてめでたしめでたしで良い最終回みたいだったのに、あの悪魔狩りの一人はウィステリアの居なくなった兄だったのか?