転生王女と天才令嬢の魔法革命・第2話
公衆の面前で王子アルガルドに婚約破棄を言い渡されたユフィリアを黙って見ていられなくてアニスはユフィリアを攫ってしまった。
国王オルファンスは今日の政務に一区切り入れ疲れていた所。そこに宰相グランツが入って来る。公では国王と宰相だが二人は仲が良くて私人としては名前を普通に呼び合う間柄。オルファンスがアニスの事で頭が痛いと言っていたその言葉が終わるか終わらぬタイミングでアニスが飛び込んで来る。ユフィリアを下さいと。
こりゃオルファンス怒るわ。でもアニスが事の経緯を話すとオルファンスとグランツも驚いた。政略結婚の約束はしたがアルガルドとユフィリアの間が進展していないのは分かっていた。ところがこともあろうか公衆の面前でアルガルドはユフィリアとの婚約破棄を宣言するとは。当然ながらこれはもう隠し通せない。大事な公爵令嬢に傷をつけてしまった。そして王子に婚約破棄された公爵令嬢など誰ももうちゃんとした目で見てくれない。
オルファンス、ここで本当の怒りを見せる。アニスに怒るのとは質が違う。そしてグランツもこうなったのをユフィリアの責任にはしない。泣きそうなユフィリアにそう告げる。
ここでアニスから提案。ユフィリアを自分の魔法科学の工房に欲しい。そして自分とユフィリアで研究をしたい。その成果は全部ユフィリアに発表して欲しいと言う。アニスは世間の評判がキテレツ王女だから公の顔はユフィリアの方が良いと言うのだ。そうしたら自分は研究に専念出来るし。
それはまあ良い。でもオルファンスはアニスの企みがそれだけではなかろうと言う。と言うのも以前アニスは王位継承権を放棄する時に男なんて嫌だ子供生みたくないと言った。個人的にユフィリアがほしいのだろうと。王族の責務を何だと思っているとアニスの頭を掴むオルファンス。
これを見ていて思ったのがグランツ。これが親子と言うものか。対して自分はユフィリアに何をしてやれたのか。公爵の令嬢として何をすべきかしか言って来なかったではないか。子として育てて来なかった。申し訳ないとグランツはユフィリアに頭を下げる。
そうしてグランツは今後はユフィリアに自分の生きたい様に生きなさいと。ユフィリアの立場を挽回する意味でもアニスの工房に行くのは良い事でどちらの親の許可も下りて晴れてユフィリアはアニスの工房へ。呼び方もユフィに。
前回はチラと出た転生王女の顔だが今回は「チート」と言う名詞程度だったものの、工房に行ってみたら確かに現世日本の道具みたいなのが沢山ある。あの魔石ケトル、良いよね、アニスの絵が入っていて。
王族と貴族の特権階級は魔法が使えると言う事でその地位にあった。だが、アニスがやろうとしている事はそれが使えない平民に魔法を使うみたいな物をもたらそうとしている。これは王国で問題を引き起こす子だとユフィは思った。
でも今のところはそう言う社会問題の方よりもアニスがユフィに色目を使って百合百合な方向へ向かうみたい。何しろ作品の売り文句が「王宮百合ファンタジー」なのだから。