アキバ冥途戦争・第12話・最終回
嵐子が殺されてしまい、葬儀の場面。民間人がメイドが同じ所でやるな、秋葉原からメイドなんて居なくなってしまえと陰口を叩いている。こんな抗争を繰り返すメイドなんてと。
なごみは銃に弾をこめていた。不殺を唱えていたなごみが。
嵐子を殺したメイドはすぐに捕まった。あのチュキチュキつきちゃんの残党メイド。凪としてはあれで嵐子を一旦許したつもりだった。なのに殺されてしまう。こうなったらもうやる所までやるしかない。
とんとことんを潰せと言う命令が凪から出たらしい。あの牛エースメイドは嵐子が死んで次はブタ共だと言っている。だがその牛エースメイドを路地に引きずり込む者がいる。なごみだ。もうなごみは躊躇しない。まずは足を撃ち抜いて嵐子を殺したのは誰だと聞く。渋る牛エースメイドに次は鼻輪が通る様にしてやろうかと。これで牛エースメイドは元躊躇つきちゃんのメイドだと明かすが、次に凪はどこに居ると聞かれても末端のメイドには分からない。
次に大将に聞きに行く。でも本当に大将は知らない。まあ昔話をしてやる。二十数年前、美千代が渦子と言う子供を連れて来た。当時はあの路面電車を止めた様な武闘派のメイドだった美千代。後継者として渦子を育てようとしていた。だが嵐子が来てから美千代は変わる。嵐子の純粋さに美千代が変わった。しかし渦子はそれを受け容れられなかった。その結果あの美千代銃撃事件が起きる。
美千代を失い、そして今度は嵐子も失った渦子。帰る場所などあるのか。だから住所なんて知らない。実家など存在すまい。失うのを恐れて力に頼るヤツだ。
とんとことん。御徒町が竹槍を作ってるぞ。まさか門松じゃないよな。そこになごみが帰って来た。店のレジを無理矢理開けて金を取り出す。けだもの共が攻めて来る。早く準備しないと何もせずに殺される。抗争に取り憑かれたなごみをゆめちが叩いた。それになごみが叩き返す。メイドなら仲間をやられて黙っていられるか。けだもの共を一匹でも多く殺して嵐子もの弔いとすると言う。すっかり武闘派になってしまったな、なごみ。
でもゆめちに叩かれて少し変わるかと思ったが未だサングラスしてるなごみ。そしてねるらが撃たれて殺された場所に花を手向けに行った。これは殴り込みの決意?それとも。そのなごみを牛エースメイド達が襲う。それで満足なのかと問い返すなごみ。これがメイドなのか。殺し合いをして楽しいのか。メイドって何なんだ。牛エースメイドはもう構わん殺してやると言うが、人目がありすぎた。
この件でなごみは警察のお世話になったのか。嘗て万世橋橋詰にあった万世橋警察署から出て来る。とんとことんに戻ったなごみ、嵐子の遺品を見ながら嘗ての日々を思い出した。
牛役員達は最近の凪には着いて行けないとぼやいていた。
なごみは喪服から着替えてとんとことんに戻る。みんなはあの時のなごみの言葉に応えて仇討ちをする気持ちになっていた。だがなごみは気持ちを取り戻していた。今のとんとことん、楽しいか?メイド戦争を仕掛けよう。メイド戦争とは?
ケダモノランドグループ内では幹部たちが凪にとんとことん襲撃をもう少し待って欲しいと願う。準備が整っていない。警察への根回しが済んでいないし、今のままではまたメイド達に大きな犠牲が出る。しかし反対を唱える熊役員を凪は問答無用で銃殺。恐れをなした牛役員も銃殺。命令を聞かない者は皆殺しだ。
とんとことん側は覚悟を決めていた。ラーメン屋で人数分、いや嵐子の遺影を飾って。ラーメン屋には凪も来た。嵐子が姉妹だと思っていたと言う大将に凪はそれが気に障ったか、大将まで銃殺。ありゃ、まさか大将やられるとは。
そして自ら乗り込むとんとことん。ところがとんとことんはメイド喫茶として全員を迎えるのだ。完全にメイド喫茶として。
凪は先ずは26人に対してもてなしてみろと腰掛ける。なごみ達は怯まずにおもてなし。全然みんなはのらないが。この辺からどうなるか固唾を呑んで見てた。照明が落ちてなごみのステージ。命をかけて歌います。
それを見てキレが悪いんだよと思った凪だが、それは嵐子との過去を思い出させた。凪はなごみに発砲。だが傷を負いながらなごみは歌を続ける。しぃぽん達泣きながらサイリウム振ってるじゃないか。
歌に応えるケダモノランドのメイド達だが、これは幻想か。
銃が光ってるし。終わったら静まってるし。
でも終わったらライオンエースメイドが最初に拍手しだして、それに応える何人かのメイド。そのライオンエースメイドを凪が撃ち殺す。
なごみが語る。秋葉原に来て沢山のメイドが死んでいくのを見て来た。それって楽しいのか。メイドってお給仕。とんとことんはいつでもご主人さまのお家になります。それを聞いて美千代を思い出す凪。おまえなど美千代の足元にも及ばぬと言う凪。嵐子みたいなヤツだ。
凪の、自分の気持ちをざわつかせたなごみ。美千代を殺させてからずっと力で抑えつけるしかメイドの道は無いと思っていた凪にそんな気持ちを起こさせたなごみを凪は冷静さを失って撃つ。この場面でなごみが殺されてしまったかと思った。
その凪を今度はあのチュキチュキつきちゃんのメイドが撃つ。殺し合いの果てに自分の居場所は無いと思ったか。そしてトドメを御徒町が竹槍で突き刺した。
え?これでED?
いくらなんでもと思ったらCパートがあった。
時代は過ぎて2018年。第1話では205系が走っていた秋葉原の御成街道架道橋を今度はE231-500が走る。道行く三人の男はさては緑川と青田か。若い男を連れて推しの居るメイド喫茶へ向かう。昔はメイドの抗争があったんだぞと。
行った先はニューとんとことん。そして推しのメイドは...
36歳になったなごみ。なごみ生きてた。そしてあの時の嵐子と同じ歳になっていた。
車椅子に当時の写真を貼ってる。
アキバ冥途戦争、凄い作品だったなあ。巷間では怪作って言われているが、それは確かにその通りで先ずはそう言う評価だと思う。
嵐子と凪の対立はなごみがアキバメイド界を平和統一して乗り越えると前回の話を見る前は思っていたけど、嵐子が殺されてしまってそうは行かなかった。でもこれを見てもう暴力しかないと頑なになった凪も、なごみの「メイド戦争」に心を動かされたメイド達に覆されたみたいだ。
間違いなく記憶に刻まれる作品だったと思う。