うちの師匠はしっぽがない・第3話
前回大阪市電の屋根の上で師匠の扇子を巡って猫と大立ち回りをした結果、扇子を奪い返して「瀬をはやみ~」を叫んでその熱意は買った文狐に弟子入りは認められたまめだ。
弟子として朝は朝餉の支度。未だ若い狸だから炊事は慣れていないのかなと思ってその時は見ていた。だが食べる段階になってもムスっとしていたので何故かと思ったら、ごはんがミミズやトカゲでなくて人間の食事だったのが不満で、だから炊事に慣れていなかったのだ。何だよお新香と味噌汁と白米、最高の朝食じゃないか。
朝食を食べて片付けたら次は掃除。へいへいとこなして行くがふと気づいたら自分は何しにここに居るのかと。文狐に落語を教えて欲しいとねだるものの、最初に教えないから盗んでみろと言ったじゃないかと返されてしまった。
それでも落語を見たいと言うので、文狐はまめだを寄席に連れて行く。テレビでは大抵寄席のトリの真打ちしか見ないけど、寄席はもっと早い時間からやってるんだよね。ズラッと書かれた出演者の名前の中で赤文字の人が居る。イロモノなのだそうだ。落語以外の芸人。
あーだこーだ言ってるうちに一般客に気づかれてしまったので、挨拶をして楽屋裏へ。ここで新キャラ二人登場。席亭の作次郎とお茶子のお松。作次郎がやけに若くて頼り無さそうだけど、先代の息子とか?
まめだは二人に紹介されて、寄席の手伝いをする事になる。その中でまた二人新キャラ。お囃子の小糸と前座?の椿しらら。小糸は盲目みたいだが、それが逆にまめだの素性を察知したのではないか。
しららがまめだに向かって文狐の弟子だからと言っていちびらんといてとか言っていたが、最初は何と言ったか聞き取れなかった。Twitterを見て分かったのだが、意味は分からず、大阪圏の友人から教えて貰った。いくつか意味があるみたいだけどこの場合は「調子に乗るな」みたいらしい。つまりスペシャルウィークが言い放った「La victoire est à moi」なのだ(をい
しららの落語は見台とかの説明のまくらだけで終わってしまった。本領は未だ先か。
まめだは手伝いながら何でこんな事をと思ったものの、それは師匠が寄席の全部を見せてくれているのだとお松が教えてくれる。そのおかげで視聴者も寄席の裏方を見られるんですけどね。そう言えば「じょしらく」でもチラと出たかな。
今回の文狐の演目は「三枚起請」だった。起請とは口約束だけではなくて、ちゃんと文書にして約束するもの。ところがさる遊郭「宇津木」の遊女の小てるはそれを三人の男に出してしまう。三人の男は貰った時はいい気になっていたものの、ある時三人とも貰っていた事に気づいて何とか小てるに仕返しをしてやろうとした。アニメではあっさり三人が小てるに何でこんな事をしやがると言う場面になるので、この落語の面白い部分が省かれているが、それは本物を見て楽しんで欲しい。
サゲが「三千世界の鴉を殺し朝寝がしてみたい」だが、これが何故サゲになるのかと言うと、高杉晋作の都々逸に元ネタがあるからで、でも私は先に落語の三枚起請を聞いちゃったので、落語の方が元みたいになってしまった。
ともかく今回もまめだはすっかり文狐の噺の世界に飲み込まれ、また狸の姿に戻ってしまった。これ、まめだの化身能力の限界もあった模様。座布団の下になったおかげでお松に気づかれずに文狐に回収して貰う。
まめだ、人間社会を知って益々化かしたくなったと言うと、文狐師匠、今迄に見せた事の無い良い笑顔で応える。