シャドーハウス 2nd Season・第11話
マリーローズとローズマリーは牢の様な場所で拘束されていた。以前のエドワードの言葉だとこの後無理やり一体化させられるのだろうか。その前に無理やり知ってる事を全部言わされるのだろうか。
マリーローズとの戦いが終わってケイトとジョンはすっかり疲れていた。ケイトの方にはバーバラからの呼び出しがあって、バーバラの部屋へ。大人たちからの命令でマリーローズはおじい様と共にある棟で罰を受ける事になったと言うのだ。だから今晩栄光の廊下にて引き渡しがある。ケイトは当事者としてそれに参加する様にと。
バーバラの部屋には星つきの勲章が置かれていた。立ち去るケイトにバーバラはマリーローズを止めてくれて感謝すると。
そして引き渡し式が行われた。
マリーローズは歩きながらバーバラに約束を果たせずにすまなかったと。
ハッとするバーバラとバービー。
約束など無いとバーバラ。
約束はあった。あのクリストファー登場の時だ。マリーローズは約束した。バーバラと一緒に大人になろうと。そしてその二人をクリストファーは仲間に入れた。
クリストファーの方針はろくに教育も受けずにシャドーが選別される今の方式ではなく、ちゃんと教育をして出来うる限りみな大人になっていける様にしようと言うもの。だが、そこにエドワードが居た。館は優秀なシャドーが欲しいだけだ。無駄な努力は不要ではないかと。クリストファーは勿論優秀なシャドーは大人に迎え入れられれば良い。だが、底上げされる事は館にとっても意味がある。
バーバラはクリストファーが行う改革の仲間に居られる事がとても嬉しかった。
そんなクリストファーにバーバラは憧れの念を抱いていた。恋心とは違う。そしてクリストファーとマリーローズはお似合いだと思っていた。
そしてクリストファーは同期のメンバーと共に星つきとなる。あ、この時は星つきの勲章をちゃんとつけてるね。そして新人教育に力を入れていく。中には手間がかかる子、そう、オリバーみたいな子も入って来る。
それが輝ける時代だった。だがクリストファーがお呼ばれをして全てが一変する。
教師の集いにもお話し会にも誰も来なくなった。そして何故かマリーローズまでもが部屋から出なくなってしまった。そんなマリーローズを呼びにバーバラが部屋迄行ったが、マリーローズはバーバラを突き放す。外に出る気にならない。
「大人になんてなりたくない」
それは一緒に大人になろうと言った約束を反故にしたと言う事ではないか。
失意のバーバラ。自分に出来る事なんて何も無かった。それを聞いたバービーがそんな事は無いと言ったが、それがかえってバーバラの癇に障った。バーバラの煤が爆発。その爆発でバービーが飛ばされ顔に怪我を負ってしまう。
生き人形の顔に傷がついたら大変だ。
当時のこどもたちの棟の管理者トマスに呼び出される。おまえは大人にはなれない。だがここでバーバラは知る。普通の顔をしているトマスは生き人形に見えた。だがトマスは自分は一体化したシャドーだ、大人には様をつけろと。バーバラが知ったのはここでか。
ただ、トマスは条件次第では大人にしてやろう。何しろクリストファーから推されているお前だ。第一条件はこどもたちの棟の管理を厳しくせよ、第二にはその傷を癒せ。こうしてバーバラは星つきとはなるが、クリストファーに面とむかえる様になる迄はこの星つきの勲章は付けられないと置いてあったのだ。
こうしてバーバラによる管理強化が行われる。
バーバラによる喜びの会が行われる前はコーヒーは各自の部屋に提供されて、ただ単に飲むべきものとされていた。だがマリーローズはモーフの頃の記憶が残っていて、それでアンソニーに対して洗脳解除を試してみた。コーヒーを飲まないと洗脳が解除される。アンソニーは頭の霧が晴れた様な感覚になっていた。
その頃は未だ単に洗脳を改めるだけのつもりだった。一人だけ仲間外れだったのが寂しいと言うそれで今後は大人たちに少しづつ理解して貰うつもりだった。
しかしクリストファーがお呼ばれしてしまう。また洗脳が解けているのはローズマリーだけになってしまった。バーバラにこの秘密は重すぎると言う事でバービーにはやっていなかったのだ。そこにアンソニーが駆け込んで来た。
洗脳はただ単に大人達がこどもたちを管理しやすい様にしていた手段ではなかった。「一体化」には洗脳が不可欠だったのだ。そしてそれを知ったクリストファーは自害した。
どうしたら良かったのか。全く答えが見いだせないまま呆然自失していた、その時にバーバラがマリーローズに声をかけて来た。あの時だ。自分だけだとクリストファーがやって来た事が全く出来ない、マリーローズに協力して欲しいと言って来たあの時。だが、この状態では部屋を出る気にはならなかったし、こんな事になってしまう大人になんかなりたくない、それがまさに本当の気持ち。でもバーバラには何も言っていなかったのでバーバラは裏切られた気持ちになったのだ。
栄光の廊下を歩きながらエドワードはマリーローズに聞く。さっきバーバラがうっかり自分をエドワードと呼んでしまった。なのにマリーローズは何も反応しなかった。一体化が何なのか知らないと人間の姿ならエドでなくてはならない。だから一体化の情報が星つきではないお前に漏れている。
栄光の廊下の半分を過ぎたその時、もうこどもたちの棟では無くなったその時、マリーローズは仕掛ける。下に溜めておいた(いつ溜めた?)煤を操って亡霊を出現させる。亡霊はエドワードを襲うがエドワードは煤能力を発動。煤で空気を振動させて音を振動させる。これ、一期でケイトを騙した時のヤツか。声を変えていた煤能力。そして今はマリーローズとローズマリーの耳の中に煤を入れて狂わんばかりの音にする。
これが大人の実力だ、大人の世界だと言うエドワード。だがマリーローズは大人の世界など羨ましくない。大切なものを犠牲にして得る事など意味はない。一体化などするのなら。
そう言ってマリーローズはローズマリーと共に身を投げる。
その瞬間、最後の幸福に包まれて。
ところでうがった見方をすると、あれだけ大量の煤をマリーローズでは用意出来ない。煤量が多い誰かが手助けしないと無理だ。そしてAパートで転びそうになったエミリコがケイトの煤によってベッドみたいに柔らかいクッションで支えられた。この二つを勘案するとひょっとしたら...