はたらく魔王さま!!・第10話
魔王城から突然の大声。何かと思ったら魔王さまがテレビを買うと言い出したのだ。それを聞いてそんな経済的余裕は無いと反対するアルシエル。それにしても終盤に入ったのにテレビを買うの買わないのってどんな展開だよと思った。
魔王さまも魔王さまで、何故今更テレビなんぞ欲しいのか。アルシエルが言ってる様にルシフェルのPCがあるではないか。何か特別に見たい物があってもPCで見られるだろう、大抵(但し原作が書かれた時は今程はストリーミングが常態化していなかったけど)。
魔王さま曰く、エミリアの所にあるのがずるい。これも今更何だと思ったがすぐに理由は分かる。エミリアの所でアラス・ラムスが一緒にテレビを見てるのが羨ましかったのだ。
それでもやはりPCで良いだろうと思ったが、もう一つ理由があり、マグロナルドで接客した時、子供から言われたセットの中身が分からなかった。勤勉な魔王さま、接客に問題があってはとテレビなら垂れ流しでそう言う情報が入るのでテレビが欲しかった。
でもテレビは高いよ。買うのより受信料と言う維持費が。地上波と衛星波で月額で3,500円位。年間42,000円。後から出て来るけどアルシエルが認めた金額の二倍以上。それが毎年続く。これは酷い。
受信料が家賃に入ってる所もあるとは言うが、そもそもテレビがいくらするのか。アルシエルが捻り出せる金額としては先日銚子のバイト代から一人5000円を捻出して15,000円。それにプラスして20,000円迄だと言う。二万円では買えまいと言うアルシエルの試算だった。いや、19インチのとか二万円で買えるのでは?
ただここで魔王さまは秘密兵器を取り出す。ヨドガワバシカメラのポイントカード。これ迄の買い物(冷蔵庫と洗濯機)で6,200ポイント以上貯まっているのだ。これを合算すれば買えるだろう。ぐう負けたと思ったアルシエルではあるが、なおも抵抗する。それで買えるか先ずは市場調査だと。
こんな会話をしているのを聞いていてベル迄テレビが欲しくなってしまい、一緒に市場調査に行く事にする。
電車の中でベルはエミリアにこう言うぬるま湯生活は嫌いじゃないと言う。逆に状況次第では自分達はこの人間界の魔王サタンの生活を守らねばならないとも。と言うのは、先日の銚子での一件を見た通り魔界ではサタンを支持する連中が未だに多い。その連中に願われ担がれた時にサタンはそれを拒めるだろうか。サタンは多分その意を汲んでしまうだろう。そうしたらまた魔界が力を増してしまう。
エミリアの所に梨香から電話が入った。芦屋さんってどんな服が好きなんだろう。
固まるエミリア。
ああ、あの時のフラグ、ここに出て来たか。エミリアは最初はあいつは安物を好んで着るよと言うが、当然梨香が聞きたいのは女の子がどんな服を着てるのが好きかと言う問いだった。
しかし何故いきなりそんな質問をと思ったら、芦屋から買い物に誘われたのだそうだ。テレビだ、テレビ。だが何故梨香に声をかけたのか。後でアルシエルが普通の人間の意見を聞きたいから呼んだと言う。
だがこんな梨香の話を聞いてエミリアは黙っていられない。梨香は人間の大事な友人。それがあろう事か魔族なんぞと。まあアルシエルはあの魔族の中ではマシな方だけど。そう言う事で仕事をしていてもエミリアの感情は抑えられない。とうとう上司から今日はもう帰りなさいと言われた。周りにも迷惑だし。
ぽっかり時間が空いてしまったエミリアは、欠片を入れる試験官みたいなのを買って他の欠片を探す道具とした。
一方魔王さまとアルシエルとベルが揃って不在となった魔王城にガブリエルがやって来た。ルシフェルに何故堕天してサタンの下でこんな暑い部屋でニートをしているのかと聞いたが、ルシフェルからしたら天界だってニートと同じだったではないか。こっちの方が楽しいと言う。これはある意味本当だろう。だがガブリエルは先日の一件で欠片の件から外され監視者が来てると言う。それでネットカフェで一ヶ月もダラダラしていたの?
ともかくテレビを買うと言う一件些細な話だったのが、いつの間にか背後で蠢く話になってしまった。最後にはちーちゃんがテレビからの光によって気を失うし。