異世界薬局・第12話・最終回
サブタイから何となく話は見えた。
リスと言われる生き物を持ち込んだのは聖騎士だったが、どこの国のかと思ったらネデール。あのペストが発生したまさにあの国の聖騎士。だが何故ネデールがそんな事をするのか。皇帝には理由が分からない。
但しこれの糸を引いている者の予想はブリュノには出来た。これだけの知識を持っている者はヤツしかいない。人体実験などをして帝国医薬大学を追放されたカミュ・ド・サド。あの時に処刑してしまえばよかった。
攻め込んで来た聖騎士、魔法が使えて帝国の普通の兵士より強い。だがそこにサロモン神官長登場。聖騎士達は何故神官長が直々に出て来るのかと驚いたが、神殿の教理に背くおまえらに罰をと拘束して神力を剥奪。こうなると普通の兵士として捕らえられた。
ファルマが帝都に到着。そして飛び交う青い光。何かと思ったらリスではなくてモモンガ。飛べる分、拡散能力が高い。
ブリュノを発見したので二人で状況を確認へ。捕らえられた聖騎士が尋問されていたが、それによるとネデールがとある薬師によって国民を人質にされてしまったのだと言う。だから彼の言う事を聞かざるを得なかった。聖騎士達は言われた事をしていて、自分達がまさか黒死病を広めているとまでは理解していなかった。
聖騎士の供述でブリュノは黒幕がサドだと確証を持つ。しかし聖騎士を捕らえた事で警鐘が鳴り止んでしまう。それを聞いて薬を必要とする人達を心配していたロッテが異世界薬局へ。ロッテに付き添ってセドリックも異世界薬局へ。
その頃、ファルマは嫌な気配を察知する。警鐘が止まったのに気づいたブリュノは再び警鐘を鳴らす様に指示。そしてサドなら自分の仕組んだ事の結果を確認する為に帝都に居る筈だとファルマの方へ。
ロッテが異世界薬局に到着すると再び警鐘が鳴り出した。しかし窓が開いていたのでロッテはファルマがもう帰って来ていると思ってセドリックに扉の鍵を開けて貰って中へ。だがセドリックは開けてからこれは変ではないかと気がつく。
研究室に入ったロッテだがファルマは居ない。追ってセドリックも入って来たが、背後から刺されてしまったぞ。魔の手はロッテにも。やっと到着したファルマは異世界薬局で誰かが倒れ、そして悪霊の如き者が居るのを感知する。あの絵では窓が閉まってる所にそれらが居るみたいに見えたけど、ロッテが入った部屋は窓の開いている部屋。あれは床に倒れている、そして立ってるから下の階に居るみたいに見えたのか。
中に入ると果たしてサドが居た。ファルマは倒れているロッテとセドリックの治療へ。ブリュノがサドと交戦。神力を剥奪されたのにサドが何故か強い。ファルマの診眼で二人の状況を見てみると刺されただけではなくて毒が仕込まれていた。順番に毒物質の特定を進める。まずアルカロイドで反応する。この世界でアルカロイドならトリカブトか。だとしたらアコニチン。だがそれを消しても未だ反応は残る。もう一つ毒を混ぜていた。バトラコトキシンでも反応。それも消去してやっと助かると出た。
ファルマがやっと毒の正体を特定した時、ブリュノがサドに倒されてしまった。どうしてこんなにサドが強い。
サドの主張は病で人類は死ぬが、それを克服した人類がより強くなる、それを見届けたいと言うものだ。まあ免疫を獲得してそうなるんだけど、それを人為的に行うのは許せない。こいつはもう駄目だとファルマが判断。これが治せない相手。
かくてファルマは容赦なくサドを神力で攻撃。サドは倒されるが、その時のファルマの神力が帝都中を覆った。
そうは言ってもこれで黒死病が一気に消えた訳ではなく、その後も地道に防疫と治療薬の配布。キャスパー教授による抗生物質精製は今回は間に合わなかったが、今後の薬の増産に役立つだろう。
二ヶ月後、皇帝からは黒死病終息宣言。異世界薬局も通常営業を再開。
うーん、どうなんですか。休業中も持病持ちの人達には継続して薬を出していたんですかね。中断すると悪化する病気は山のようにあるので。
ともかく異世界薬局はまたこの世界で続けて行く。
私としてはもっともっと薬学的な話をやって欲しかった。
解熱剤とかいつの間にかもう作っちゃってるし。