シャインポスト・第5話
杏夏がちゃんとセンターをやれる様になってTiNgSも愈々...までは未だ。今回は理王だ。SNSで春と杏夏にファンの応援メッセージが入ってるのに理王にはもっとダンス頑張って(裏返すと今はダメ)と書かれている。
直輝も優希も分かっている。現状ではTiNgSは中野サンプラザを満員になんて出来ない。優希は大丈夫みたいなにこやかな顔をしてもものの見事に輝いて見せるし。もっとシンプルに万人に訴える何かが必要。
そんなTiNgSをゆきもじの二人が心配してくれる。特に紅葉の指摘は以前から的を射る物で、今のままだと理王のダンスは下手っぴのままだと言うのだ。
ゆきもじのレッスンにFFFの兎塚七海が来てくれた。それに応えてゆきもじ頑張る。TiNgSも練習頑張ってるけど相変わらず理王は体幹が弱いと言うか。そこにマネージャーの直輝からお話。
次の定期ライブで中野サンプラザの告知をしよう。本番まで二ヶ月ちょっととなったらもうチケットの販売を開始しないとならない。手売りは勿論だが、中野サンプラザ級になったらネット販売もする。となると、この周辺だけの知名度だけでは売れない。
そこでTiNgSに入った仕事のオファーをやろう。同時に三つ入った。ひとつは南青山で一日店長。もうひとつは地方テレビのロケ。三つ目は池袋のショッピングモールでミニライブ。池袋のって、ひょっとしてそこは「全然違うじゃん」の場所?
この三つの中で一番重要なのは当然池袋のミニライブ。これを成功に導かねばならぬ。三人は異口同音に大丈夫と言うけど、春と杏夏は自信をつけたからその通りの言葉だが、理王だけは輝いていた。少しづつ輝きの様子から理王の問題を見つける手がかりとなる。
一日店長とロケはバッティングしてしまったので一日店長の方に二人、ロケの方に一人行って欲しい。どちらが重要かと言うと一日店長の方。そう聞いた理王が反応する。一日店長の方は、先ずは杏夏。何故なら店長が先日のライブで杏夏のファンになったからだ。残りは春と理王でどちらがどちらに行くか。
ロケは農家での収穫と試食、一日店長は甘天堂と言うお店。理王がよく知ってるお店らしい。プリン食べ放題だと喜んだ。その流れなら理王が甘天堂を選ぶのは本当なら自然な流れだが、理王は一日店長には春だと言う。杏夏のおまけは嫌だから自分はロケの方で良いのだと。ここでもまた輝いた。
甘天堂の方は店長も納得の順調さ。ロケの方は七海と一緒に来た理王が緊張していた。このあとずっとこの状態なんだよね。七海の受け答えの後を追うだけだし。直輝はまだ理王の問題点を確定しかねていた。そしてその隣には紅葉。紅葉、正直だから理王がロケをちゃんと出来るか夜も寝られなかったと、本心言ってるのに否定してる。
理王がロケ班に挨拶に言ってる間に七海が直輝に話しかけるのだが、二人は旧知の間なのか?七海は以前何やってたのかをちゃんと話したらと直輝に言うが、直輝は以前の実績より今見せられる力でTiNgSとやって行きたいと言うのだ。
そして始まるまずは野菜の収穫だけど、どうして理王の方だけあんなに動物が寄って来るのか。ある意味良い絵面を提供してるのではないか。素直に反応するのが良いと思う直輝。
次は食レポ。出て来たのはピーマンとナスの味噌炒め?七海がとっても美味しそうだねと言うがここで光る。さっき旧知の仲と言うのもあってこの時に直輝は思い出した。七海はナスが苦手だった筈。なのに七海はプロでそのナスを食べておいしーと言える子だった。七海がナスを食べたので理王はピーマン。その様子を見た直輝がまさかと思った。そのまさかだ。
一応理王は思い切ってピーマンを食べた。食べたのだがダメだった。にがーい!と激しく叫ぶ。
ロケは台無し。まあライブじゃなくて良かったけど。直輝はプロデューサーに平謝り。
それにしても何故逆にしなかった。
理王の部分はとりなおしじゃなくてカット。
泣きじゃくる理王。自分せいで、自分せいで。
中野サンプラザのチケット販売開始。順調な売れ行きではあったが早々と理王の列は消えてしまった。以前も理王はこれを気にしていたよね。そしてあの時も理王は一人そこを飛び出して消えてしまった。ただ、あの時はビラを配り終えて帰って来たが。
直輝は理王を探して阿佐ヶ谷駅前迄来た。理王はビラを配っていた。必死で。自分ではチケットを買って貰えない。だからせめてビラを配らなくちゃ。
やっと一人の人がビラを貰えるかと寄って来た。喜んだ理王がビラを渡して言う。自分は下手っぴだけど春と杏夏は凄いアイドルなんだ。この様子でやっと直輝は理王をどう導いたら良いか見えてきた。
理王「私の事はいいから二人を見て貰いたくて。一度でいいから春と杏夏のライブを見て下さい!」
泣いた。
自分はダメだけど二人をどうしても見て欲しいと言う叫びに泣いた。