亡霊騒ぎはオリバーの煤回収機とエミリコの活躍によって形だけは収まった。最後にベル達によってコーヒーの瓶が割られると言う事件を伴って。大切なコーヒーの瓶を割った事は、たとえベル達が誰かに操られていようといまいと、直ちに拘束され煤管掃除の罰が与えられる。
星つき達が集まって今後を話し合う。この事をエドワードに報告するのか?そんな事が出来よう筈もない。と言う事はたとえコーヒーのストックがおじい様と共にある棟にあろうと、来週迄供給を受けられないと言う事だ。
犯人は誰か。エドワードはケイトに気をつけろと言っていた。ケイトだろうか。とにかく全ての罪をベル達になすりつけて表向きの解決をする事にした。こどもたちを呼び集めて何もかもベルがした事で、本件はこれで終わり、もう絶対口にするなと宣言する。
これで解散...だったが、ケイトだけが呼び止められる。星つきの前に座らされて今回の亡霊騒ぎで何か言う事は無いかと。こんな事をされたら誰だって自分が疑われていると思うだろう。オリバー自身はエミリコを評価していた。だがこのままだとエドワードに申し開きが出来ない。そううっかり口を滑らす。
ケイトは反論した。自分がエドワードに嫌われているのは分かっている。エドワードは違反行為をしてまでこどもたちの棟迄来ていた。そのエドワードに取り入る為にケイトを犯人にしたいのかと。それで解決したいと思えるのならおめでたい。今の星つきがこどもたちの棟でどう思われていのか知っているのか。あなた達はクリストファーより遥かに格下だと言われていると。
クリストファーの名前を口に出すなと言われていた上に、それを引き合いにされて怒らない筈がない。だがケイトは止まらない。自分達を客観視した事は無いのか。あなた達はエドワードに従っているだけ。ケイトを疑うと言う事は犯人はベル達だけではないと思っているからだろう。ケイトならこの事件を解決出来る!バーン!
バーバラは冷静だった。目に余る事をせず、権限も与えないが、これで犯人を見つけたら大いに評価しようと言うのだ。
とは言ってもバーバラの腹の底ではケイトを忌々しく思っていた。ベンジャミンはケイトが失敗しても犯人にしたてあげてエドワードに差し出せば良いと言うが、スザンナはそう簡単には行かないと天井を指さした。そこには煤つららが!煤量の多いシャドーはおいそれと罰せられない。
部屋に戻ってエミリコは良かったですねとケイトに言うが、ケイトの手は震えていた。それを察したエミリコはトイレに行きたくなった暫く戻って来ませんと出て行く。
一人になってケイトは考えた。さっきはカッとなって星つきにあんな事を言ってしまった。犯人を見つけるには状況の整理が必要。亡霊騒ぎの目的は何なのだろう。ベルに恨みを持つ者、星つきを蹴落とそうと思っている者、そんなものだろうか。ローブ様とは何だろうか。
ケイトはあの亡霊騒ぎの場に居なかったのでエミリコから聞いた話だが、途方もない煤量だった。煤量が多いと言えばバーバラ。そしてジョン。いやジョンだけはありえない。あの単純バカでは。
状況整理の為にエミリコの「考えないノート」を見てみようか。そう思ってケイトが「エミリコ」と声を出したその瞬間にエミリコがドアから出て来た。ドアの向こうで待ってたのかワロタ。
考えないノートを見ていたら中から地図が出て来た。ミアが書いてくれたメインハウスの地図だそうだ。最初の亡霊騒ぎの深夜の見回りの時に役に立ったと言う。館の地図は意味があるかもしれない。全体の地図を書いて何か分かる事が出て来るかもしれない。ミアのお見舞いに行って、何か手がかりが得られるかもしれない。
煤管の清掃は悲惨だった。たった10分でイザベルとミラベルは管を開けろと叫び、ベル達が煤病になってしまったのを外に出させ、洗浄の間へ連れて行かせる。洗浄が終わったらすぐさままた清掃。これじゃベル達壊れちゃうよ。前々回だったかまるごとひとつの班が消滅する程に生き人形が壊れてしまったと言う話があったよね。
その洗浄の間にケイトがやって来たら救護が必要なのかと問われる。ケイトは星つきから特別な指示を受けて調査中だと答える。バーバラは特別な権限は与えないとは言っていたが、この程度のブラフなら良いだろう。
と言う事でまずはミアの所に。ミアはエミリコを騙す程に元気になっていた。ミアからは情報が無かった。何しろあの時ダグがミアを盾にしてこびりつきから自分を守ったからね。一方ローズマリーは未だ苦しんでいた。ローズマリーはこびりつきを連れ込んだ程だから重症だった。
二人の状況を見て、ケイトはミアがどう見えたかとエミリコに聞いてみる。エミリコはいつもどおりと答えると、それは取りも直さずミアの洗脳は簡単には解けないと言う事だった。いつもどおり洗脳されたまま。
このあとミアの地図を引き継いでケイトが地図を作る事にした。と言う事で、あちこち歩き回ってみる。その時にエミリコの活躍を評価するシャドーも出現。そう言う肯定的な評判もあるのは収穫だった。
外を歩いてみたらジョン登場。いきなり部屋から降りて来たぞ。流石直情的。だがジョンと居ると手がかりも掴めそう。ケイトとジョンを見て噂する者もある。あの二人婚約者なんだって、こんな時に余裕よね。ジョン、基本的には足手まとい。
地図は少しづつ出来上がって行く。星つきが居るメインハウスの三階には行けないけど。でもここでジョンの意外な観察眼が生きる。外階段で行けるんじゃないか。そう言ってホイホイ行ってしまった。ショーンとエミリコも、生き人形だから普段から働いていて体力があるがケイトには三階すら辛かった。
高い所から見下ろすと見えて来る物もある。小屋が見えた。早速気になるジョンが小屋へ。そしてさらには扉を開けようと無理矢理引っ張る。おや?どうもこれはまずい事態になりかけていないか?小屋の壁は強く引っ張られて傾きだした。まず窓が落ちる。そしてとうとう壁が倒れて来た。これ、ケイトやエミリコはあの窓にハマって助かるパターンだと思ったらそうだったが、ジョンは直撃しても大丈夫だった。
そして意外な事にその小屋はオリバーの研究班が使っている小屋だった。