本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません(第3期)・第7話(通算第33話)
ディルクに発疹が!と思ったら山羊の乳を与えたら治まっていた。と言う事は麻疹じゃない。
ディルクがまたお腹を空かせて泣き始めた。何だか顔が赤い。デリアが額に手をやると熱い。マインも手を乗せてみた。するとあの感触が。嘗て魔力が溢れて具合を悪くした時のあの感触。つまりディルクは身食いだったのか。
マインは事態の確認の為にフランにルッツを呼ぶ事、神官長との面会の用意を求めた。やって来たルッツにマインは耳打ちしてタウの実を獲って来て。タウの実があるとあれに魔力を吸わせてその場を乗り越える事は出来る。
神官長にはディルクの状態を盗聴防止魔術具を使って話す。神官長は身食いで間違いなかろうと言う。ならば早急に貴族と契約しなければならない。そうでないと生きていけない。だが、貴族と契約して魔術具を与えられるとそのままの飼い殺しとなる。
ディルクを孤児院に入れるのはのは金銭の問題、院長が一人だけ大切にするのは無理がある。愛人の方法もあるがディルクは男。養子縁組の場合は特別な事情を領主が認めないとならない。
翌日神官長が魔術具を持ってディルクの魔力量を計りにやって来た。少し強めの中級貴族並。これだけあると求める貴族も居るだろうが、マインの事が露見しない様に大っぴらには探せない。そこで神官長はマインがカルステッドの養女になった後に君が養子に引き取る方法があると言ってくれた。
ディルクは秘密裏に孤児院で育てる方向へ。
そしてマインは例の色インクの製造工房へ。
早速色インクを羊皮紙とトロンベ紙に塗ってみる。羊皮紙の方はくすむがトロンベ紙の方は鮮やかな状態だったが、乾くとやはりくすんでしまった。
一筋縄で行かない。なるほど芸術系の工房の技術が門外不出なのが分かる。次は色を重ねて塗ってみた。どれも重ねると黒になっちゃう。
家に帰ってからトゥーリにこの件を話したらエーファが定着剤を使ったらどうかと言う。エーファは染色工房に勤めているからその知識があった。と言う事で早速やってみる。実はヴィルマも知っていたみたい。
孤児院で育てると言う事は日中はヴィルマに預けると言う事。でもデリアはそれも心配だった。デリアのディルクを思う気持ちは強い。そんなに心配なら孤児院に見に行けばどうかと言われたが、デリアは孤児院にトラウマがある。
お昼になってフラン達を下がらせて、孤児院にディルクの様子を見に行こうとしたマインだが、ダームエルが叱る。青色巫女見習いが側仕え無しでうろつくのは駄目だ。丁度そこにデリアが入って来たので、デリアのトラウマを知らないダームエルは遠慮なくマインに従って孤児院へ行けと命令。仕方なくデリアは孤児院へ。さらに孤児院に到着しても、側仕えがドアを開けよと遠慮ない。そりゃ仕方ない、ダームエルは事情を知らないから。
マインが入って来たらヴィルマ達が迎える。しかしそこでディルクから目が離れた。危うく寝返りで落ちそうになったのをデリアが中まで入ってディルクを抱き上げる。ほんのちょっと孤児院のトラウマがとけてきたかな。
でもアルノーがデリアに吹き込んでしまった。神官長と一緒に魔術具を持ってディルクの所へ来たから薄々感づいていたのだろう。デリアにディルクが養子に行くと言う話が漏れてしまった。