決戦の時は来たれり。
「大丈夫ます!」
「不安しかない」
イーデン校に行くと監視されている感覚がある。敵?いや、監視されているのはフォージャー家だけではなかった。ここに居る受験生家族全員が監視されていた。イーデン校の教員連中が観察してこの学校に相応しいかどうかをチェックしていたのだ。
とは言ってもよくもまああの大勢を識別して○×を付けて行けるものだ。そしてその様子を見ていたのが髭のヘンリー・ヘンダーソン。イーデン校寮長。エレガンスが伝統を作る。エレガンスの無い者は全部不合格だ。そしてフォージャー家を目に止める。少しはエレガンス力(りょく)がありそうではないか。しかも見てる前で初代学長の前で敬意を払っている。流石ロイドさん、相手が何を望むのか分かっている。そしてヨルさん、とんと存じ上げませんが取り敢えずロイドさんの真似をしておきましょう。
これにはヘンダーソンが驚愕。あの家族は何者だ。K-212のフォージャー一家。娘アーニャは及第ギリギリの31点。良い方に目立ったが逆に警戒もされた。
面接会場に向かう途中、明らかに仕込みと思われる事件が起きる。この学校の子供が溝に嵌って抜け出せないとわざとらしく叫んでいる。さあどうするフォージャー一家。あの子供を助けると言う事は溝の泥に汚れると言う事だ。だがそれはエレガントではない。
アーニャは促されて助けを求めている子が居ると父に指摘。ロイドは全く躊躇なく足を突っ込んで自分に汚れが跳ね返るのを構わず助けた。ヘンダーソンは面接の前に泥にまみれるなどエレガントではない、つまみ出せと指示を出すが、こんな事もあろうかとロイドさんは着替え一式を用意していました。
こんな事もあろうかと、思わんでしょ、ふつー!
驚愕のヘンダーソン。
驚きつつも30点の親がこんな筈は無いと化けの皮をはぐ方向へ。
大変だー!暴れ馬だー!ってそのレベルじゃない。
そこまでするか。
いやそこまでやる予定は無かった。本当のハプニング。受験生にはお偉いさんの子弟も居るので怪我人が出る前に止めなくては。
ロイドはどこかのお偉いさんの子供が牛に踏まれそうになったのを助ける。でも服やぶれちゃったね。そしてアーニャはぐったりしてしまった。あの政党演説の時と同じだ。周囲からパニックになった声が飛び込んで来てしまったのだろう。こうなっては銃で暴れ牛の親玉を殺すか、そうロイドが思った時にヨルが動く。
ヨルが牛の秘孔を突いたら牛が止まったぞ。
でもアーニャが気がついた。牛が怖がってる感情を。そして落ち着かせたら牛は退散。
流石のヘンダーソンも飛び出してフォージャー一家に礼を言わざるを得ない。面接時刻は遅らせるから身なりを整えて出直して来るが良い。さっきまで何とかして落とそうとしていたのを翻して我が校を受ける資格があると。
しかしフォージャー一家、こんな事もあろうかとさらに着替えを持っていた。
こうして面接本番へ。前の家族は真ん中に座る試験官にいじめられていた。それを盗聴しておくロイド。
面接官は三人。一番右の温厚そうのは第5寮寮長。この人は普通にまとも。再婚した経緯は何かと聞かれて無難に回答。会話(戦闘)を重ねるうちに意気投合しました(手榴弾のピンを渡しました)。
真ん中に座ってる髭がさっき怒鳴っていた第2寮寮長。幸せそうなフォージャー一家を見て嫌がらせの様な質問を繰り広げる。縁故登用のせいでこんなのが寮長になっている。
当校の志望動機を聞かれたロイドはイーデン校の教員の室の高さを上げた。これ、あとで効いてくるとは。この時は当たり障りの無い回答だと思ったのに。
アーニャを巡る質問から雲行きが怪しくなって来た。ヨルが食事を作らないと聞いてスワンが口を挟んだ。料理を作らない嫁とかありえないだろとか。まずヨルを侮辱しはじめた。イラっとしたロイドだが、ここでは面接の為に自分を制する。
この状況を見てアーニャは自分が頑張らねばと思う。いくつかの質問にたどたどしく答えるが、この学校の校長を見習いたいと言う辺りでヘンダーソンが少し勘違いを始めた。良い方向へ。
両親に得点をつけるとしたらいくつかなと言われて100点満点、ずっと一緒に居たいと答えた。これは心底そう思っている。
しかしスワンがそんなつまらねえ回答なぞ要らぬわと、今の母親と前の母親を比べたらどっちが得点が高いかと聞き出した。それはこんな子供に出してはならぬ質問。エバンスが止める。ロイドは質問を変えて欲しいと返す。しかしスワンは引っ込めない。ロイドはアーニャの実の母はもう...と思った時、アーニャが泣き始めた。
ヨルは怒る。スワンは前の母の方が良いとされて怒ったかと憎まれ口をたたく。任務の為には我慢しなくてはならない黄昏。一方いばら姫の方は今にもスワンを殺しそうだった。任務の為に我慢、そう自制して黄昏は踏みとどまった。眼の前の蚊を叩き潰すと言う名目でテーブルを破壊する行為で。
そしてロイドは二人を連れて外に出る。子供の気持ちを踏みにじるのが教育方針なら選んだ学校を間違えたと。
スワンを窘めたヘンダーソンに、スワンは父の七光りで反論。だがロイドの言葉を思い出していた。子供の教育に優れた教師が居る学校としてイーデン校を選んだのだと言うのを。そして自分が権力に阿ったのを恥じてイーデン校の顔に泥を塗ったのはお前だとスワンを殴り飛ばす。
とは言ってもやってしまったロイドさん。絶対不合格だ。
だが面接でうまくやりきれなかったとアーニャは落ち込んでいる。
不合格になったら一緒の生活が終わっちゃう。
さて、試験結果は?