パリピ孔明・第2話
三歌の礼で英子の軍師となった転生孔明。
現時点で全く売れていない英子で、一度は夢を諦めようとしたが孔明に励まされてまた頑張る事にした。今日も朝から練習。自分の夢は沢山の人に聴いて欲しい。フォロワー208人では未だ未だなんだけど。
孔明は小林とまたお話中。小林は孔明に頼まれていた本日Z2Oでやるイベントのチケットを渡す。この辺、孔明には未だ手を回す事が出来ないだろうし。都内で活動している歌手の偵察に行く為。渡された孔明がありがたく頂戴すると、そのポーズがそれっぽくて気に入る小林。
小林は今にも計略を使いそうだなと言うが、現時点では敵が居ないので計略は発動しない。でも敵が出来たら別だ。計略と言えばと、小林は石兵八陣はどうだったんだと聞く。石兵八陣とは、関羽を討ち取られた劉備が冷静さを失って呉に攻め込もうとし、孔明が止めたがそれを聞かず、これでは蜀軍は負けると考えた孔明が追撃して来る呉軍を阻止する計略を予め立てたと言う物。呉軍の陸遜はそれに嵌って劉備を追撃出来なかった。ぐるぐると迷わされて先に進めなくなったのだ。
Z2Oの前で孔明と英子が待ち合わせ。いつもの格好で来たが、そうは言ってもいつかは汚れて一時的に着替えないといけないよね。下着どうしてるんだ。
中に入って孔明の目にとまったのはミア西表。蜀軍で言うと関羽や張飛級ですか。ピンスタのフォロワー数は10万人。これは楽しみですね。
一番盛り上がるタイミングでミア登場。しかし始まってみたら孔明は気になった。さっきまでのBPMより遅い。英子の解説では一度下げてから上げて盛り上げると言うのだ。なるほど、アダージョ楽章の次に最終楽章が来るみたいな?
ミアのステージを見てどうやる事が盛り上がるのかを学習する孔明。
ただ、英子の歌程には引き込まれない。
どんな人なんでしょうねとふと聞いてみる孔明に英子は簡単に良い人なんじゃないと答えた。このあとそうでもなかったんだけど。じゃ確認に行きましょうと孔明は英子を連れてミアの楽屋へ。
孔明の格好はこう言う時に力を発揮する。速攻で追い返されずに話をさせて貰うが、ミアは英子が素人同然のミュージシャンと知って一計を案じた。今度の金曜に開催されるイベントL.R.N.に一緒に出ようと。
ミアから連絡が入った英子は純粋に喜んでいる。こんな大きなイベントに出られるなんて運が回って来たのかも。だが小林はタイムテーブルを見て顔を曇らせた。英子の出る時間はミアの裏なのだ。
当て馬にされたのに前向きに感じる英子。孔明が当て馬なんて言わずに千載一遇の好機と言って、私にお命じ下さいと言うから英子はノリで軍師孔明私のステージを満員にせよと命じた。
承りました。愈々孔明の計略来るか。
当日。緊張してる英子。聞いた時はチャンスだと思ったけど、ミアの裏だとそちらに客を取られて閑古鳥が鳴いちゃう。心配になって来た。ミアは英子を踏み台にするつもりかと見た孔明だが、そんなもの児戯に等しい下策とドヤ顔の孔明。
孔明は小林にクラブ・ワープの性格な見取り図を注文していた。と言うか、もうPCを使いこなしてるし。USBメモリを渡されて普通に受け取るし。
近づく英子の出番。でもステージにはほとんど客が来ていない。ピンスタ頑張ったのになー。英子が普通に頑張ってる。そうこうするうちに出番となった。
ミアの方には客が集まり、英子の方はガラガラ。3人しか居ない。心配になって来た小林。そこに孔明が客を連れて来た。さあさあお飲み物をサービスしますと。だが、そんなので一時的に来ても、英子の歌を聞いて少しは残るかもしれないが、すぐにまた戻ってしまうではないか。これが孔明の計略だと言うのか。
しかし英子のステージに来た客の動きがおかしい。帰ろうとしたけどトイレに向かった。そしてミアの方ではひとりふたりと客が出て行き始めた。小林はトイレでこんなので英子を盛り上げられるか、孔明め帰ったらシメると思っていたが、そこに客が「またトイレじゃん」とやって来た。これぞ孔明の罠。
ステージに戻ってみたら英子の周りに客が集まってる。一体どう言う事だ!
ご説明致しましょう。スモークや明滅する照明、同じ姿の係員、同じバーカウンター、ツリーも等間隔に設置、そしてこのステージは360度形式、客は出ようとしてもぐるぐる回ってトイレに行ってしまうのです。ビシャー!
三国志に精通しているオーナーならこの計略の名をご存知なのでは。
お気づきになりましたか。
これが石兵八陣か!
だが誘導をしたのは孔明かもしれないが、そこに辿り着いてそのまま盛り上がってるのは全て英子の歌の力。
英子を踏み台にする筈だったのに、逆に踏み台にされたミアは激怒。
イベントが終わった客は英子の歌に満足をして帰る。そして次々と英子のピンスタをフォローするのだ。かくて英子のフォロワーは1000人超えちゃった。