スローループ・第10話
文化祭の出し物を決めます。小春の居る二組は揉めていた。一方ひよりの居る一組はあっさり和風喫茶に決まっていた。そうか、春に一緒に入学する時にひよりと小春は別のクラスになってたのだった。だから二組の子も小春を呼ぶのに海凪って言ってる。その会話をしてる時にフライフィッシングがメジャーだと言われた。あとテンカラと言うとも。テンカラって?
和風喫茶は調理班と給仕班に分かれる。ひよりは恋と一緒に調理班にしようと思っていたが、クラスの子からお店でバイトしてるって聞いたので、給仕のやり方とか教えてと頼まれて給仕班になる。良かった、ひよりはクラスでとっつきにくい子みたいに見られてなかったんだ。
一組にやって来た小春、フライフィッシングってメジャーだったんだねと言い、あとテンカラとか言われたと言うと、フライとテンカラって同じ様に毛鉤使うものの、フライが欧州でスポーツとして発展したのに対して、テンカラは日本の伝統的な釣りだと言う。知らなかったよ。
その時に恋がテンカラの客も来てくれればと言うけど、恋のお店ってフライに特化したお店なの?後半でひよりがリールを使う釣りを初めてやる為に道具を買いに行ったのも恋の店じゃないと言うので、とことんフライに特化しているのか?
小春が釣りの話をしていると、クラスの子が釣りって怖くないの?寄生虫とか居るって聞いてると言って来た。ここで小春が何か思いついた様だった。
二葉が学校の授業で書いた作文がコンクールで入賞したらしい。それで受賞式の時に壇上でみんなの前でそれを朗読する事になると言うのだが、いや、それは酷い晒し者では?
藍子はそれを聞いて大興奮してその為の衣装を用意しなくてはと叫ぶ。
おまえはメイドラゴンの才川か。
自分の書いた作文の原稿用紙を前にして、どうしようかと悩んでいた二葉に、ひよりから電話が入る。一緒に釣りやろうと言う約束をしてたのが、以前の一花が実家の仕事を抜け出して船釣りやった時には果たせなかったのを今回と言う訳で、今回は和風喫茶の食材を釣るためにルアーフィッシングをする。その為に道具も買っちゃったよ。
すっかり忘れていたが、この場合はひよりが初心者で二葉の方が教える側なのだ。さすが船宿の娘。そして道具を見ると、なるほどよく釣りと言うと見かけるロッドだよね。リールもそうだし。触った事無いけど。あのガイドみたいなのをカチッとセットしてる。今回初めて使い方を聞いた。私の先生は二葉ちゃん。
釣り糸の先にいくつかの針を付け、上にコマセ袋。そして一番下に重り。さっそく二葉の方に当たりがあって、イワシが釣れた。ひよりの方も手応えがあって大物かなと思ったら鮗だった。フライでやる時より重く感じるらしい。鮗って魚を初めて聞いたけど、木偏の柊と同じ読みの魚があるんだ。
もう帰ろうとする老夫婦から余った餌のイソメを貰う。ひよりが苦手なヤツ。そうだと、プライヤーで挟んで針につける事にした。二葉はいいんじゃないですか、女性でピンセットで付ける人が居ますよと言う。そうだよね!イソメを見た時に、こんなの掴めないからピンセットで挟んだらいいんじゃないかと思った。無事に針に付けられる。これで小春から「ぷぷー」とかまるでアクア様みたいな言われようをされなくて済む。
二葉がひよりはメバルをフライで釣っていたと聞いて、珍しいと言う。ひよりによるとこの釣り方はひより父信也と恋父良太が九州での釣り方を聞いてこちらでもどうやったら出来るか開発した方法らしい。そんな事あるの。それを知ってひよりはそう言う挑戦って良いな、出来ない事を出来る様にするのって良いなと語る。
二葉ちゃん、悩んでいた作文の朗読に踏み出す励みとなったか。
今度はサバが釣れた。結構大漁になったみたいだ。
そして文化祭当日。海凪夫妻がやって来て先ず二組の小春のクラスに行くが、ゲェ「絶対に検索してはいけないいきもの展」。寄生虫展だった。うん、あまり見たくない。でもそっち系の人達は居るよ。だけどお客来ないと言ってた。
こちらには限定のサバサンドがある。今回は恋's kitchen。うーん、魚の身をその大きさでサンドにするのか。衝撃的だ。
無事に作文の受賞朗読をこなした二葉がやって来たものの、もう限定サバサンドは売り切れ。今度また一緒に釣りに行こうねと言う姿を見た藍子が二葉を取られまいと私も行くと言い出す。釣り仲間増えた?