ハコヅメ~交番女子の逆襲~・第6話
警察官とは言え人の子、合コンくらいします。
と言う事で、冒頭で川合巡査が何やってるのか、何服を並べて眺めているのかと思ったら、合コンでした。合コンマスターの藤巡査部長とは違いますから。
川合巡査、結構純粋培養で服を選べないばかりかメイクもよく分からない。と言う事ですっかり藤巡査部長に頼って合コンの現地に到着。初めての射撃訓練並みに緊張していた。
堅気と知り合える貴重な機会です。しかし同じ居酒屋に源巡査部長と山田巡査長が同じ様に合コンで来ていた。しかもあろうことか隣の部屋で。
そんな訳で藤巡査部長は到着後即座に部屋に入らずちょっとトイレにと言っておいて外で源巡査部長と話をつける事にした。お互い相手に邪魔されたくない。徹夜勤務してるくせに何でここでこんな事してるんだと言うが、それはお互い様すぎて言い合いにすらならなかった。言っても言われても血だらけになる。
源巡査部長は今回は千載一遇の好機なのだった。と言うのも合コンの相手が看護師さん。「白衣の天使」なばかりか、転勤の多い警察官と一緒に転勤出来るから。ああ、なるほど、それは理解出来る。いや、病院の職場環境は分からないけど看護師さんは入れ替わる印象あるから、経験的に。ある病院に何度も入院した事あるけど、2年おいて入院した時は以前みかけた看護師さんは居た。でも4年おいて入院した時にはもう記憶にある看護師さんは居なかった。入れ替わってるんだろうなあ。ただ、COVID-19の影響があって4年後の時は大きな入れ替えあったのかもしれない。
とにかく、邪魔しないでと言う事に。邪魔したら社会的に殺す。
部屋に戻ったら相手の商社マンは良さそうな人。と言う事でビールからと思ったのに、隣の部屋からの声が丸聞こえしすぎ。おかげで、源巡査部長と山田巡査長がどんだけ盛ってるんだと言うのが分かってしまう。
しかしこっちもこっちだ。藤巡査部長は仕事内容は事務だと言うのだ。いや、そうなの?そう言う方が男性は良いの?普通に交番勤務じゃ駄目なの?この方針で行くと睨む藤巡査部長に川合巡査は無言で「御意」と返すしか無かった。
警察の女性の方ってみんなお二人みたいに綺麗な方ばかりなんですか?そう言えば隣の署の桃木「分隊長」は綺麗ですよねと川合巡査が言うと藤巡査部長が蹴る。分隊長は禁句なのか。
話を逸らす為に藤巡査部長はお二人は休日何してるのか聞いたら普通に映画とかドライブとか。似て非なる、防犯カメラの確認とパトカーでのパトロールをしてる川合巡査。でもこんな質問をしたら当然相手からも同じ質問が来る。なのに堅気の女子は休日に何してるのか思いつかない。仕方なく川合巡査が「盛メイクとかプリクラとか」って、それって補導した女子高生の行動だった。
源巡査部長と山田巡査長の方、藤巡査部長と川合巡査の暗い攻め句に顔を暗くしていたが、お相手の看護師さんからカラオケどうですか、夜はまだまだ行けますよと最高のお誘いを受けた。藤巡査部長と川合巡査から離れられるし大ラッキーだと思った、のに...
聞こえてくるパトカーのサイレン。そして携帯に入る呼集。全署招集。当然藤巡査部長の方にも入っていてタクシーを呼んだところ。合コンしてる状況じゃない。源巡査部長、会計が分からないから俺の財布の札を全部置いて行けとか、カッコいい、これ次に繋がるんじゃと思ったのに、二千円しかありませんでした。いや、無さ過ぎ。
本当にすみません。招集は絶対なんで。
残された四人は当然の如く一緒にカラオケに。
町山署で捜査一係北条班が副署長に呼び出された。
お怒りの副署長。何故呼ばれたか分かるか。心当たりがありすぎて分かりません。
副署長の怒りの原因は署の無事故連続記録がどうしても5日で止まってしまう件。すなわち事故が多すぎる。署の公用車が起こしている事故が。
北条班が公用車事故を起こすと副署長がマスコミにまことに遺憾な事ですと謝罪。次に署長がおえらいさんの会議で(警視なのに(警視って相当偉い))途方もなく吊るし上げられ、挙句の果てに本部長が県議会で責められる。本部長って多くはキャリアだからなあ。議会で責められるのは腹立つだろう。
ただ、北条班の中でも那須巡査部長と牧高巡査長のペアは優等生なので呼び出したけど帰っていいよと。つまるところ、源巡査部長に問題が。
北条警部補が抗弁する。刑事課の仕事はリスクが高い。結果的に車に損傷は起きる。これ、軍用機はリスクの高い訓練とかしてるので民間機よりも事故の確率が高いのと同じだなと思ったが、事故の内容が駄目だった。バックでぶつけたり、段差で底を擦ったり。
藤巡査部長の見解では源巡査部長の性格が荒いせいだと言うが、隣に交通課を乗せたらそれはそれで運転に神経質で鬱陶しい。普段凄惨な事故を見すぎてるから。
そんな時に本部からの緊急指令。町山署宛。山中集落で男が刃物を持って暴れているとの通報。早速先に戻っていた那須巡査部長と牧高巡査長のペアがそのまま車で向かう。
藤巡査部長も川合巡査を連れて出動。どこかの係長の警務車両を借りて出た。誰かなあの人。残った源巡査部長も山田巡査長を連れて出動するのだが、副署長が慌てて止めようとしたのに北条警部補がケツは俺が持つから行けと送り出した。署に残った車は署長の公用車しかなかったのに...
「おとうちゃん、警察官は何故か第一臨場に強いこだわりがあります」
これ、あれだよ、聖地巡礼する人間が最速にこだわるのと同じだよ。
あれ?ペア組む相手違うぞ。
第一臨場へ向かう二人ではあったが、藤巡査部長と源巡査部長では性格が全く違った。サイレンを鳴らして急いではいるものの、藤巡査部長は冷静。一方の源巡査部長は頭に完全に血が登っていた。
「行くぞ、鳴らせ鳴らせ、進め進め」
黒い車をぶっ飛ばす源巡査部長、完全にシュヴァルツ・ランツェンレイターのケーニヒス・ティーゲルを駆るビッテンフェルトでは?
幅員の狭い山中をぶっ飛ばした署長車、周囲が完全に傷だらけになって現着。ところが先に到着していた那須巡査部長が連れていた男はカメラを持った都市の人。その人が農家のおっさんが鎌を持って奥さんめがけて怒鳴っていたのを間違えて暴漢と思って通報したのだ。だから事件性無し。
事件性は無かったが、署長車はボロボロ。
あれ、マスコミ沙汰になるの?