その着せ替え人形は恋をする・第8話
ジュジュ様の妹の心寿は色々とデカい子だった。引っ込み思案だけど。お姉ちゃんのコスがとても良くて是非みんなに見てほしくて写真撮って、そして紗寿叶の許可を貰ってSNSのアカウント作って写真を載せたけど、使い方が分からなくて返信とか全然出来ない。それで孤高のレイヤーと言う事になった。
カメラは流石にお父さんの物だと言う。一眼レフだけどレンズ交換しないで色々ある程度撮れる物。レンズ沼にハマると大変だからなあ。スマホで撮るのとはぼかしとかで相当違う物が撮れる。
盛り上がる心寿との会話で海夢は心寿ちゃんはコスしないの?と聞いてみた。ここでちょっと微妙な間。ただ、考えた事もなかったと言う意味もあるかも。
借りて使ってみて、海夢はイイナイイナ、私も絶対買おうとその気になった。自ずと新菜が値段を調べたくなるのだが、まあね、そりゃ大変なお値段ですよ。でも値段を知っても全く驚かない海夢。ヤバいよね。またお金貯めなくちゃ。
紗寿叶と心寿は今度ロケハンするので、下見に行くのだそうだ。どう?と聞かれて一も二もなく海夢は乗り気。同じく新菜も。
新三郷駅で集合して行ったのは廃病院スタジオ。どうも「八潮市元病院スタジオ」がそうらしい。スタジオとして管理されているので一応安全だと思おう。本当の廃墟の廃病院はどこでどうなるか分からないので危険だし、そもそも私有地だから立ち入り禁止。ここはお金を払って使う。一時間17,325円からだそうだ。
初廃墟でワクワクする海夢と心寿なのだが、紗寿叶の顔色が優れない。新菜はアニメで見た場面にぴったりだと言う。やはり全部見たのかと驚く紗寿叶。
イイ感じだけど暗いと言う海夢に、心寿はストロボとレフ板があれば大丈夫と。暗い室内ばかりでなく、眩しい屋外でも太陽光に向かって目を開けられない場合に逆光にして、でも顔が暗くなるのをレフ板で明るくするとか。そっかーレフ板ってそう言う使い方か。
そうこうするうちに天候が悪化。こうなると益々紗寿叶がブルブルになってしまった。
でも紗寿叶には意地があるのだ。ブラックリリィのコスをするのだからちゃんと見ておかないと。
紗寿叶には無理をする理由があった。新菜の夢って何と聞くので、新菜は人形の顔師になるのが夢だと言う。その昔祖父が作った人形を見て、素晴らしい感動を覚えた。そう言うのを見た人に感じて貰いたい。数多ある中からそれを見てそこで目が止まるそんな顔師になりたい。祖父があんなに喜んでいるのを見て凄い事なんだと思った。
そして紗寿叶の夢は魔法少女になる事だった。小さい頃、魔法少女になりたかった。でもそれは到底なれるものではない。絶対になれない。そ思い知ったのが小学校の時。だが、ある日衣装が売られているのを知る。それを思わず買ってしまったけど、そして初めてのコスは酷い感じだったけど、でもそれで自分の夢はかなうのだ。
そんな大事な夢。今度は新菜が疑問だった。それはそこまで大切な物にどうして自分を衣装作りの相手として選んだのか。だってプロが居るだろう。でも紗寿叶は海夢のコスを見て嫉妬した。どうしてここまでの事が、こんな世界感を包含した衣装が作れるのか。そんな人に自分は作って貰いたいのだと。
それを聞いた新菜。これが祖父が人から認められると言う事か。
感動のあまり涙を流しながら紗寿叶の手を掴んでありがとうございます。
でも紗寿叶、女子校出身で同年代の男の子に手を握られた事がなかったのだ。
あ、電源プラグ抜けて倒れた。
期末テストが終わりました。
テストが終わった開放感で海夢は新菜を誘って「今から」海に行こうと言い出す。
そしてやって来たのが江ノ島。
人が全然居ないって言うけど、江ノ島ってそうなのかな。
バーガーの他にポテトも頂戴、あーん、ってやってるその時にトンビに油揚げ、いやバーガーをさらわれた。
その後もトンビがつきまとうので、それじゃあと言う事で新菜はポテトを餌にしてトンビを追い払う。
残ったバーガーを二人で分けていただきます。シラスバーガーだったのか。と言うか、そう言うのあるんだ。
海を見ていた海夢さん、思わず裸足になって海へ突撃。場面行動だから水着ないので脚だけ。また聞き慣れない単語が出たな。どうもこれも若者用語っぽい。老人だから知らんのよ。
海に入った海夢さん、海中で浮遊してるワカメを発見して喜ぶ。
素晴らしい、大抵のアニメではワカメを緑色にしちゃうのに、ちゃんと茶色してる。
ぱんつは黒かったけどね。
誘われて海に入って新菜は思った。海ってこんな感じだったのか。写真では見ていたけど。祖父が言っていた。色々な物を体験しろと。これもそうだったんだ。もっともっと体験したい。
そう言う新菜に思わず海夢が夏休み「二人でいろんな所へ行こう!」
言っちゃった。
言っちゃって舞い上がる海夢。