その着せ替え人形は恋をする・第1話
世間には色々な物を好きな人が居るが、この作品では主人公の五条新菜が小さい頃から祖父の作る日本人形に惚れ込んでいた。だが幼い頃、女の子から(この子、はっきりと可愛い子なので後日登場するんじゃないかな)から「男の子なのに人形が好きとか気持ち悪い」と言われてすっかりそれがトラウマになっていた。
酷いなぁ。別に何が好きでもいいじゃないか。それが気持ち悪いとか。気持ち悪いを突っ込むなら日本人形を見てニヤニヤしてる様子の方を突っ込むべき。
それ以来、自分の好きな物は他人とは相容れないと思い込んで誰とも友達にならない学校生活を送っていた。登校時に「うぃーっす」って肩くんで来るヤツがいて、何だ友達居るじゃんと思ったら人違い。
ある日、クラスの中でも美人ギャルな喜多川海夢が突如ぶっ飛んで来て(一体どうやったらこんな事に)、五条の机でしたたかに後頭部を打つ。プラチナエンドだったら死んでた。
なのに喜多川さん、ピンピンしていて、逆に五条の腕が黒くなってるのを見て心配してくれた。人形の色付けしてる時についた物だったのだが。
五条人形店の年代物のミシンが故障。その足踏みミシンは古いよね。私が子供の頃にこのタイプが大流行したんだよね。もう各家庭に一台あるみたいな勢いで。ミシンが故障してしまったので五条は学校の被服室でミシンを使う。人形の衣装を作るために。新しいミシンすげーと思っていたらそこに喜多川が入って来た。
喜多川は五条がミシンを使えると知ってあるお願いをする。その為にいきなり脱ぎだしてコスプレ衣装を着てみせるのだ。喜多川は自分の好きな作品のキャラに入れ込んで、そのキャラの衣装を着ると言う事で愛を示していたのだが、五条が見たところその衣装はメチャクチャ。確かに元の形と全然合ってない。そればかりか、喜多川は被服の何たるかについて全く知識が無かったので裏地も縫い方も全部素人の独自のやり方で五条から言わせると何もかもなってないと言う。
喜多川はそう言われて悲しかったものの、でもそれよりもだったら五条がコスプレ衣装を作ってくれないか、それを着たいと言うのだ。クラスで全く違う世界で生きていた喜多川と五条は協同の生活を送る事になる。
喜多川、単なる軽いギャルじゃないんだよね。五条が掃除を押し付けられていたらちゃんと自分の嫌な事は嫌だと言えとか、自分の好きな物をナンパのネタにけなされた時に怒って速攻でふって、好きな物は好きなんだと言う考えだし。