takt op.Destiny・第6話
どこかの町に到着した。この町はなぜか年寄りしか居ない。
そう言えば先週ニューオリンズへ行くって言ってたっけ。ニューオリンズはジャズの街だそうだからおそらくニューオリンズなのだろう。
そこで店に入ってニューヨーク迄の旅の品物を色々調達しようとしたら、店主がぎっくり腰をやってしまう。なのに電話が入って、配達を頼まれたものだから人の良いアンナが代わりに配達に行く事にした。
頼まれた物を持ってブラウンさんの所へ。事情を話したらブラウン夫人が医者に電話しておくからとここで解放される筈だった。あまーいリンゴジャムを貰って。でも床は抜ける、コゼットはぶち抜く、屋根に上がってしまった猫トムを見かける。次から次へと色々な事が。
そんな訳でちっとも帰って来ないアンナとコゼット。時間を持て余したタクトが歩いているおっさんの後をついて行ったら地下にジャズバー。中には音楽が流れている。壁一面にはレコード、そしてCD。タクトあまり迷いもせずに近寄って行った場所からCDを取り出すとそれは父の朝雛ケンジが指揮したヴァーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」だった。
バーのマスター「ぼうず意外な所へ行くな、ケンジ朝雛か。リクエストならワンドリンクで受け付けるぜ」
マジか?マイスタージンガーは4時間超だぞ。
それで気づいたのだが、あんなペラペラのケースにマイスタージンガー全曲は収まらないだろう。うちにあるカラヤン指揮のEMIのはその二倍の厚さはある。もっとも、最近は廉価版だと歌詞カード解説抜きで不織布の入れ物に詰め込んであの程度の厚さと言うのはありうる。
と言う事でコーヒーを注文してマイスタージンガーをかけて貰う。マスターは朝雛ケンジの指揮が好きなのだ。長い語りが始まる。この街に来た時の朝雛ケンジのラプソディ・イン・ブルーの演奏は凄かった。
ケンジ朝雛は僕の父だと言うと、驚く店内の客。特にタクトがつけて行った男。
その頃アンナとコゼットはやっと帰り道についていたのに、道端でぼうっとしていた夫人にマリアだと言って捕まってしまう。やべーぞ、ボケとるぞ。
何を言ってもマリアにされてしまうアンナ。コゼットはそれを放置してレモンケーキを味わう。そのうちに主人が帰って来て、マリアが帰って来たと言うのを見て察した。マリアはよそへいって、そして死んでしまった。あいつは未だ生きてると思ってるんだと。
一方タクトはケンジの子供だと聞いて奥のピアノのある部屋へ連れて行かれ、そしてタクトに弾いてみてくれと言う。タクトも弾きたいヤツだから調律をしながら昔のケンジの話を聞く。ケンジは熱かったぞと。
生きてて良かったじゃないか、今日僕の演奏が聴けると言って弾き出すタクト。みんな久しぶりに生演奏を聴いたのだろう。演奏が終わってじいさん達のスタンディングオベーション。
その場に間に合ったアンナとコゼット。ピアノのある場所は見逃さないヤツだと。
ところでコゼット、あの夫人から「おととい来やがれ」を教わっちゃったな。
さて、ザーガンの所へは天国を通じてタクトとコゼットの報告が入る。
シントラーもあれだったが、このザーガンもヤバそうだな。