無職転生~異世界行ったら本気だす~(第2クール)・第16話
ルディ達はやっとミリス大陸のミリス神聖国首都ミリシオンに到着した。おお、今まで見た中では一番栄えている上に技術も進歩している感じではないか。水が潤沢にあるし、大きな建造物もあるし、橋が立派だし。
ミリシオン到着前にギース(猿顔の新入り)はここでいいと言って馬車を降りた。おや?ミリシオンに普通に入ったら不味い境遇なのか。でもミリシオンに行ったら必ずギルドに顔を出せと言うのであるいはギルドの顔役とかなのか。
どうもギースは料理が得意らしく、エリスは今度会ったら料理を教えろと言う。何故そんなにまで料理を覚えたいのか、それをグフフと見てるルディ。
ミリシオンに到着してチーム・デッドエンドのこの先の予定を話すルディ。まず当面ここに落ち着いて路銀を貯める。何しろ中央大陸に行くにはもう一回船に乗らねばならない。ミリシオンは稼げる場所なのでここで貯めてから行った方が効率が良い。
そして明日は自由行動とします。まずルディ自身はここでスペルド族の名誉回復工作をする。その為のフィギュア作り。先々で襲われている人などを助けてはこのルイジェルド人形をお守りにしなさいと渡すそうだ。
エリスはだったらゴブリン討伐に行くと言う。ゴブリン討伐と聞いて逆にやられてしまうのを想像したルディはルイジェルドに目配せしてくれぐれもエリスをよろしくと伝えたが、伝わっただろうか。取り敢えず大丈夫だったみたいだが。
ルディは魔大陸を出てやっと人族の国に到着したので家族に手紙を書く事にした。と言っても何を書くかと考えていたら、窓から人さらいの姿を見てしまう。この世界は人さらいが多い。下手に関わり合いたくないとは思っても、ルイジェルドが唱えるデッドエンドの掟として子供は絶対助けると言うのを反芻してそれを追いかけた。
行った先では人さらい団が何人か居る様だ。相手の力量を確認せずに戦闘に突入するのは避けたいと思っていたが、手元に触るなにかの生地が心を誘う。見てみたらそれはぱんつではないか。思わず声をあげてしまって相手にバレてしまった。
こうなっては仕方ない。正義のデッドエンドのルイジェルドとしてルディ見参。
おい、ルイジェルドさんに悪いとは思わないのか。
戦ってみたら相手はそんなには強くはなかった。雑魚はあっさり片付けて、半裸の女性は少しは強いけど、それ以上にルディの目を奪う物があって戦いが長引く。何とかさらわれて少年を助けそうになったが、おや?見覚えがあるぞ。
そこに団長と呼ばれる男が来た。こいつは他の連中とは強さのケタが違う。それでもあの魔眼を手に入れたルディは違う。ところが変態仮面のぱんつを切り落としたルディの素顔を見た団長はルディと呼ぶ。この団長は父のパウロだった。
相手が誰か分かって場所を変えて、と言うか団長と言うパウロが率いる連中が居る場所でまずはルディが今まで何をしていたのかパウロは聞いたみたいだ。これまでの大変な経緯をルディは面白おかしく熱弁を奮った。だがどうもこれが悪かった。
パウロはおまえが遊び歩いていたと言うのが分かったと言う。そしてパウロはルディを責める。どうして魔大陸に居た時に他に災害に遭った連中の情報を集めなかったのか。どうして助けようとしなかったのか。さっきの子供も突然飛ばされてひどい目に合いそうだったのをパウロ団は助けたのだ。いや、それ無理だろ。視聴者はあれがどれだけの魔力災害なのかは知ってる。でもルディは光ったかと思ったら次の瞬間には魔大陸に居たのだから。災害規模なんて分からないよ。情報化が進んだ我々だって自分の所で起きた地震がどれだけ広い範囲では巨大だったのかなんて、TVやネットで見ないと全く分からない。東京に住んでいて阪神大震災や東日本大震災が起きたばかりの時にあれほど巨大災害だったと分かった人なんて居ないだろ。
こっちは行方不明者を探しているのに、エリスとか言う子を守るのは自分だけと言う気持ちで手紙もよこさずウハウハ気分だったのかと言われると、流石にルディも怒る。そっちこそ半裸の女性を侍らして、また子供でも産ませるつもりなのかと。
ここからルディとパウロの喧嘩。ああなるほどこれが今日のサブタイの親子けんかか。
今のルディは魔眼で強い。殴って来たパウロを逆にボコボコに。それを止めたのがノルン。お父さんをいじめないで!
もういいとその場を立ち去ろうとしたルディにパウロはブエナ村全員が災害にあったのだと言う。そう言われてじゃあシルフィもかと言うと、家族の前に女の心配かと言われそしてパウロが捜索団を結成して探していると言われた。それなのにお前は呑気に冒険かと言われ、そう言われて辺りを見渡したルディが目にしたのは、嘗て現世で冷たく見られていたあの目。
もうルディは呆然として宿い戻るしかなかった。明日になったらパウロと話そう。そうしたら話せばわかると自分を言い聞かせていたが、トラウマが蘇って嘔吐。
そうしてすっかり自己嫌悪に陥っていたのを帰って来たエリスとルイジェルドが発見。あまりの様子にエリスが聞いて、ルディが父と会ったと言うと、そいつが悪いのかと飛び出しそうになるエリス。それをルイジェルドが止める。親子けんかには介入するなと。でもこんなに落ち込んでいるルディをと言うと、ルイジェルドはだったら慰めてやれと言う。
え?と思ったエリスは色々逡巡したが、ルディを抱きしめて自分が居ると慰める。
そう、現世の時とは少し違う。今はこうやって慰めてくれるエリスとかが自分にはいるのだと、ルディは少しは気を取り直せただろうか。