先輩がうざい後輩の話・第2話
やはり第1話で告白めいた事を口走ったのは問題だった。そう五十嵐は思っていた。幸か不幸かあの直後に気持ち悪くなってそれどころではなくなったからあの場はそれで収まる。
でも翌日どんな顔して会えば良いのか。と言うよくあるパターンに。一応武田はいつもどおりに大声で挨拶して来る。五十嵐はどこかのタイミングで二人になった所で昨日の件を何とかしなくてはと思った。そこで昼休み、二人でどこかに食事にと思ったのに先に部長が武田を誘ったのでアワアワしてたら部長の読みが鋭い。やっぱり急用があったからと言って武田をフリーにしてくれる。
と言う事で二人で蕎麦屋に入って話をしたら武田は笑い飛ばした。未だ気にしてたのかと。笑い事にされて怒る五十嵐。この時に思ったんだが、五十嵐は素うどんなんだよね。私以外に昼食とかで素うどんだけって人は多くないと思ったのでオヤ?と思った。これが最後の方で意味持つ。と言うかサブタイが「ときどき満月」ってのはこれかと後から思った。
一方で同じ様にお昼を食べていた風間ら三人組。大石(小石ではない)と土方。土方が外を歩く女性を品定めして、そして特級品として桜井を指す。でも誰からの飲みのお誘いどころか食事のお誘いも受けないと言う話だ。
その二人組と三人組が太田姫稲荷神社の前でばったり。相変わらず仲イイネと言われて、五十嵐がそんな関係じゃないと頑張って否定。それには土方も端から承知で二人並ぶと親子と言いかけて風間がコーヒー飲む時間が無くなると遮った。風間、後のエピソードもそうなんだけど、配慮あるよね。
とは言っても五十嵐は気にしていた。武田の娘にしか他の人からも見られいないのかと。と言う事で、大きい桜井にどうやったらそんなに大きくなるのかと相談する。五十嵐は小学校の時も中学校の時も高校の時も同じ年で大きい子を気にしていた。うん、ここまで来たら流石にやがて育つからとかは無いけど。
五十嵐、この日はそそくさと帰る。このあと友人と待ち合わせがあるからと。吉祥寺駅北口で黒部夏美と待ち合わせ。これ、中学時代の胸大きかった子か。黒部はナンパされていたのを蹴飛ばして五十嵐とゲーセンへ。黒部は胸だけでなくゲームの腕も上等だった。歩いてるうちにくまにくまんと言うフカフカのグッズを無料で配ってる店があった。黒部は要らんなと思ったが五十嵐が食いついた。わーいフカフカ。二つ貰って、そして五十嵐はあらぬ事を考えた。
持ち方の時点で何するか分かった。
服を試着したいと言って試着室に入って五十嵐はにくまんを胸に。ムフー、どうよ。と言う時に黒部が試着はどう?と言いつつスマホを構えて入って来る。そしてすかさず撮る。
胸の大きさをやけに気にする五十嵐を見て黒部はピンときたらしい。今度好きな人の話を聞かせてねと言って吉祥寺駅前で別れる。
総武線に乗った五十嵐、別れた時点でにくまんを外せば良かったと気が付く。こんなところを誰かに見られたらと言うのは、知り合いに見られるフラグ。10両編成なのにものの見事に五十嵐の立ってるドアから武田と風間が乗って来た。最初は知らぬふりをしたのに、車両が動揺したはずみでぶつかったから気が付かれてしまう。
ところが風間は即座に気づいたのに武田がきづかないのだ。風間が気づかない武田を見てあれあれと思ってる様が面白い。
笑われさえ、気づかれさえしなかったのはかえって五十嵐を傷つける。思わず祖父に電話する双葉。こりゃ確かに愛孫だ。
微妙な質問内容に祖父は驚くが、双葉を傷つけない様に答えなくてはと切り出したところで双葉の方の電池切れ。
オフィスで今度桜井を食事に誘っちゃう宣言した土方が実行してる。用事があるので今日はダメですと言う桜井に、じゃあ明日はいつならと食い下がる土方。その時に電話ですよーと桜井は呼ばれて解放される。でもその電話、実は風間がスマホからかけていたのだ。風間、ここでも配慮あるよね。
総武線に乗ってる五十嵐と武田。いつもの感じで子供扱いする武田なのだが、五十嵐の隣に立ったおっさんの不審な行為に気がついた。電車からおっさんが降りた所で首根っこを押さえてちょっと待てと言うからおっさんが殴りに来たのを背負投げ。でも投げられたおっさんの紙袋からカメラがこぼれる。五十嵐のスカートの中を盗撮していたのだ。
鮮やかな背負投げを決めた武田は紅白帯。それが素人をぶん投げて良いのかと言うと、帯剥奪されるかも。でもかわいい後輩を傷つけられる方がダメだと。女性と思われないかもしれないが、大事に思ってくれてると感じた五十嵐。このあとのホームでのうどんは満月の月見うどんだった。