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白い砂のアクアトープ・第15話

くくるが懸命に先日のバクヤードツアーの報告書を書いている。口頭で言ったから良いと言うものではなくて、記録を残しておかないと後任が入った時にどうだったかとかの情報が何も残らないからね。何も残さないから後で困るって事が会社では凄く多くて、Aにするって事が残ってないと後年「なぜこんなものがあるんだ要らないよね」とか無くされそうになるのを、たまたま長年居るから私が「それは以前こう言う理由で設けられた。もし無くすなら検討してから」と言うのが本当に沢山あるの。

報告書が未だなのに諏訪からは大至急企画展示のアイディアを出せ。一階西側のイベントスペースを使ったものを。期限は明日までに。くくるはずっと飼育を一番にやっていたからえーと思うかもしれないが、企画って面白いじゃない。風花も生き物の事を知って貰う為の企画なのだからと言うので、くくるはやる気になった。がまがまでは予算とか無くて出来なかった事が出来るかも。

朱里が夏に大きなのやろうとしていたと思い出したが、夏凜によると延期になったとか。ほら、だから以前の情報が無いとまた無駄な企画するかもしれない。

朱里が飼育部に部長がどこかと空也に聞きに来るが、あんなに近寄って大丈夫なのかなと思ったが、あれでも避けてたんだな。島袋が応対したから助かったと言う。空也が島袋には割合普通に話せてる。

夕暮れが過ぎてオフィスに誰も居なくなってもくくるは頑張って企画の資料を作っていた。手書きか。でも後で見た資料は絵以外は全部印刷された物だったから絵をスキャンして取り込んで資料にしたか。オフィスでも今の複合機ってスキャン出来るからね。
参考資料

周囲のみんなが驚く程にいくつもの企画をくくるは一晩で作って来た。諏訪は目を通してこの中で二週間で出来るのはどれかと聞く。ウミウシならとくくるが答えるので、じゃあそれをやれと。企画通りましたよ。でもたった二週間で。5種類では少ない8種類で行け。そう言われたもののウミウシは飼育が大変だから飼育部に負担が行くと言ってもお前は営業部なんだからそっちを忖度するなと。諏訪が8種類にこだわったのはあとでくくるが西の展示コーナーに行った時に思った以上に広くて5種類じゃ少ないなと思ったので、8種類は諏訪がコーナーの大きさを考えて言ったのだろう。別に意地悪じゃなくて。

そこからくくるの調査が始まる。ウミやんに聞いてみたり、櫂にウミウシ採取を頼んだり。櫂は頼られてガッツポーズ。それ、比嘉に見られていたのだが、比嘉の観察眼が優れていて僅かな期間で櫂がくくるを好きでティンガーラに来たなと見抜いていた。もっとはっきりした求愛行動を取ったらよい、陰ながら応援してると言う。

と言う事でウミウシの採取に来たんだけど、気持ちいいね櫂とくくるに言われた時の櫂の表情がこわばってるなと思ったら、風花も一緒だった。二人っきりじゃなかった。櫂、期待しすぎちゃったな。

ウミウシって食べる物が種類によって大きく違って偏食なので特定の物しか食べない。そして何を食べているのか分からない種もある。と言う事は未だ培養に成功していない種って事?問題はサガミリュウグウウミウシ。検索してみたらサガミリュウグウウミウシが記載されたのは1955年。何に載ったかと言うと生物学御研究所の「相模湾後鰓類(ウミウシ類)図譜」によるものらしいので昭和天皇採取の個体が新種記載されたのではなかろうか(動物なのでこの程度しか分からないけど)。

くくるは飼育部にお願いに行ったものの、島袋は8種は多すぎる半分にしろと言う。餌はどうするんだと言う。新鮮なのものでなければならない。そこに時間を取られると他の業務に差し支える。なるほどウミウシはだからチャレンジングなんだ。雅藍洞は無給餌ならどうかと言う。何日間なら餌無しでも生きていられるだろうと言う話。でもくくるはそんな可愛そうな事出来ないと反論。

でもやってみたらあるウミウシはカイメンを食べない。おおなるほどスマホで写真撮っておいて比べて減ってるかどうか見比べるんだ。
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くくるはどのカイメンなら食べるか頭を悩ませるが、そっちでいっぱいになってしまってバックヤードツアーを忘れてしまった。風花が慌てて飛び込んで来た。取り敢えずお客さんを待たせられないので南風原が説明やってた。でかい借りだな。またぞろくくると南風原がにらみ合いになるものの、そこは風花がごまかす。以前も似た話があった。風花有能。

お昼休みに南風原が島袋に愚痴をこぼすが、途中でスマホが鳴って退席。何だろう。そしてそこにウミやんと空也。空也は島袋の弁当を見て弁当男子って言うので、ウミやん、空也が島袋を男と勘違いしてなと気づいた。ああ、だから朱里が来てる時に島袋とは普通に話していたんだ。

ウミウシ展の事で頭がいっぱいで発注書をミスするくくる。残業中に櫂が来てくれて何かやれる事ないかと聞いたらアレだ、パンチの相手。うっかり櫂は手を握っちゃうんだけど。

別のカイメンでも駄目。そこに島袋が入って来てうまく行ってないのか、じゃあやはり無給餌で行くしかないなと。でもこのままの展示ではストレスがかかって可愛そうだと言うくくるに島袋は水族館は何のためにあるのかと問う。ここから大論戦か。視野が狭いと言う島袋にくくるは島袋は視野が広すぎると。マクロでしか見てないって意味かな。地球を守るためだと言ってたし。

でも海の生物へのくくるの思いは通じた。僕でよければ付き合うよと言ってくれる。

ウミウシ展は盛況だった。未だサガミリュウグウウミウシは展示出来なかったけど。どうして駄目なんだと怒る諏訪にくくるが譲らない。そんなくくるを島袋が誘う。いのう?
ともかくくくると島袋の間はうまく行きそう。
参考資料

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