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ブルーピリオド・第3話

八虎と龍二は東京美術学院の冬期講習に来た。八虎は油画、龍二は日本画。だけど初日は一緒にデッサン。最初に技量を見ておこうと言う感じだろうか。

八虎は隣の人がゴソゴソしてるのを見て、練り消しなら少しあげるよと差し出したが、彼は「誰おまえ」と無愛想。誰おまえは無いだろうと思うが、八虎もあれだけで練り消しを探してるだろうかと分けてあげようとするのは育ちが良すぎでは。タバコ吸って渋谷で徹夜する連中と付き合ってはいたけど、あの母の教育が良かったんだろうな。

デッサンを描き上げて講評となったが、あの無愛想な高橋世田介は別格だった。デッサンはこれが初めてだと言うのに。先生も特に言う事は無いと言う。ここで八虎は初めて気が付く。世間にはとんでもない奴らが居るのだと。
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でも美術学院から新宿駅への帰り道で龍二から他の人達は彼を別物だと切り離して見てたのに、負けて悔しいって思えるんだねと言って貰えた。そして二人は新宿駅の中央線ホームで別れる...あれ?よく分からん。龍二は先に中央特快高尾行きに乗った。それを見送った八虎が乗ったのも高尾行きだった。龍二の帰る先は特快じゃ停まらないって事か?ホームの駅名標も辛うじて新宿と読めたし、中央線電車が入る前に目の前に見えた未だにE231の山手線が渋谷方面だったのもホームの構造上は合ってる。だから特快じゃダメと思うしかない。或いは律儀に龍二を見送る為に中央線のホーム迄付き合ったか?
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その中央線のホームでまたも高橋世田介と会う。また嫌な顔をされるものの、でも矢口さんって名前は覚えてくれていた。

次は夜間部油画担当の大葉先生の面接。各々描いた絵を持って来いと言う。進路を聞かれて藝大一本だと答えたが先生は今のままだと藝大はきついねとあっさり言う。八虎の絵はありのままを描いていて、自分が何を表現しようとしてるのかが無いと言うのだ。他の絵を沢山見て模倣するのも良い。最初は真似たって良い。その中から自分の表現を見つけて行け。

そう言われて美術展のパンフを見ていたら、また高橋だ。一緒にどうかと言う八虎に高橋は嫌そうな顔をするが、そこに橋田悠が割り込んで来た。と言う事で三人で行くのだが、八虎はそもそもこう言うのに来た事がほとんど無い。一体どう見たらと思っていると橋田が絵の見方を教えてくれる。

絵は食べられない食べ物だ。
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他人が好きだと言っても自分にはそう思えない物がある。そして買うとしたらどうするかと言う見方をしたらどうだと言うのだ。そう言われて見ると今迄と違って自分でこれはと思う事が出来る様になる八虎。

そうやって先ずは真似だと思って描いた絵だが、先生からはよく描けているが物足りなさがあると言われる。どうしたら良いのかと考えていた所にまたもひょっこりと高橋。八虎を見て嫌な顔をしたが、八虎に自分の絵はどうなのかと聞かれてズバリと答える。お前の絵は表層をなぞっているだけだと。

ところで夏期講習の時はコンクールがあると言う。え?もう夏?
ここで思い出したのはあの森先輩ですら下から5番目と言われた事だった。

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