ブルーピリオド・第4話
八虎は世田介からお前の絵は上っ面だけだ。本質を見ていないと言われた。へこんだ八虎が大葉先生に相談すると大笑いされる。大葉先生は八虎に名画に共通するモノを教える。構図が良いのだ。1.大きな流れがある。2.テーマに適している。3.主役に目が行く。4.四隅迄目が行く。そうなのか。絵描きは皆意識したかしらずかこんな感じの計算に入れて描いてるのか。それにしても普通の予備校だとこう言う基本は全員講義の中でやるのだろうが、絵描きの技量は千差万別すぎてやらないのかな。それとも初歩すぎるのか。八虎は絵を描くのを目指してまだ一年ちょっとだから何も知らないよね。
そんな八虎に大葉先生は模写を勧める。そこから見えて来る物があるだろうと。そう言われて八虎が模写をしてみると、成程この絵は赤が奥に向かって視線を誘導しているではないか。
そして早くも夏が来る。どうやら夏期講習らしい。夜間だった八虎が夏期講習なので現役受験生と一緒になる。教室に一歩足を踏み入れた八虎はその現役受験生の迫力に怖気づいたが、後ろから桑名マキに押されてなだれ込む。
絵を描き始めたが、現役の突飛な描き方にまたもビビる。息が詰まりそう。そんな八虎に桑名が声をかけて来て一緒に昼を食べようと。この子サラブレッドなせいか八虎みたいにはビビってない。カンバス切るとか、あれも工夫じゃないかと言うのだ。そう言う見方かと思う八虎。
そして描きあげた絵の講師による講評。上の段が高評価で八虎のは上の段にあった。思ったよりも上だと喜ぶ八虎。一方橋田は中段、世田介に至っては下段だった。そして桑名は1位。桑名は叫ぶ。何で1位。やめてよ1位は現役合格しないジンクスがあるんだからと。
この後、橋田は打ち上げに行こうと言うが、世田介は行かないと言う。そればかりか予備校はやめる。こんなもの受験絵画だと言って。受験絵画と言われて目指す方向は何なのかと迷う八虎。橋田が言ったけど、それでいいんちゃう。先ずは大学に受かるのが先ではないのか。そしてそこからじゃないのか。
でも八虎は悩んだ。その悩んだ姿を佐伯先生に見つかった。藝大の文化祭を見に行ったらどうかと勧める。美術部の皆は行かないので、八虎は例の不良仲間と一緒に藝大へ。結構普通に文化祭やってる藝大。何故かコーヒーで酔う八虎は気分を晴らそうとしてコーヒーをかなり飲んだら悪酔いしてトイレへ。椅子に腰掛けて休んでいると、いかにも普通のおばさんに大丈夫かと声をかけられた。それがまた世田介の母で、こいつら会いすぎだろ。
世田介の母は疲れたから二人で見て回ってと言うので、八虎と世田介で見て回るが、世田介からしたらこんなものかと言う感じ。でも八虎は感じられる物は素直に感じる事が出来るのだ。
これが世田介の中に蟠っていた何かに点火した。何でも持ってる人がこっちに来るなよ。美術じゃなくても良かったくせに。これには八虎の方も点火された。俺だって真剣にやってるのに。
そんな風にしか見られていないのか、悔しい。そして八虎はその気持を絵にぶつける。高橋に分からせたい。自分の絵にひれ伏しさせたい。
それを見た大葉先生が驚いた。八虎はどうしても藝大に受かりたい。受験絵画でも何でも良いから教えて欲しいと。でも大葉先生はそれは死語だと言う。昔はそう言う時代があったかもしれない。だが今はもうそれは通用しないのだと。そう言われて八虎が出て行ったあとですれ違いで世田介が荷物を取りに入って来た。大葉先生は力になって上げられなくて悪かったと謝る。
さて、世田介君どうしちゃうの。